2015年1月22日から25日に掛けてアメリカのアナハイムで開催された世界最大規模の楽器の展示会「NAMM 2015」。今年は例年にも増してモジュラーシンセをはじめとするハードウェアシンセの発表が目立ちました。このNAMM 2015で発表された製品から近年人気が再熱しているハードウェアシンセのトレンドを抑えておきましょう!
初心者向けシンセサイザー
Teenage Engineering / pocket operator
Teenage EngineeringとファッションブランドCHEAP MONDAYのコラボによる手のひらサイズのシンセサイザー「pocket operator」。pocket operatorには、ドラムの作成に最適なシンセサイザー「OP-12」、ベースの作成に最適なシンセサイザー「OP-14」、メロディーの作成に最適なシンセサイザー「OP-16」の3つのタイプがあります。
ゲームウォッチのような見た目で、初心者から上級者まで幅広い人にオススメのガジェットシンセサイザーです。
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AKAI / Timbre Wolf
MPCシリーズでおなじみのAKAIが発表したアナログ4ボイスのポリフォニック・シンセサイザー「Timbre Wolf」。Timbre Wolfの比較的に少ないパラメータはシンプルな操作性を提供してくれるので、シンセの扱いに慣れていない方にもオススメの入門的なシンセサイザーです。
Timbre Wolfの価格は$499です。
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中級者向けシンセサイザー
Roland / JD-Xi
アナログ/デジタルの2 つのサウンド・エンジンを搭載したRolandのクロスオーバー・シンセサイザー「JD-Xi」。JD-Xiの鍵盤にはRoland初となるミニ鍵盤を採用し、モバイル性にも優れたコンパクトなボディを実現しています。
最大で4トラックまでレコーディング可能なパターンシーケンサーとオート・ピッチやボコーダーなど、ロボットのように音声を変化させるボイスエフェクターも搭載されていてパフォーマンスにも最適です。
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KORG / MS-20M Kit + SQ-1
KORGが「MS-20」をベースにさらなる改良を加えた、組み立て式のアナログシンセサイザーモジュール「MS-20M Kit」。MS-20M Kitにはステップ・シーケンサーのSQ-1も同梱されているので、SQ-1で作成したシーケンスでMS-20Mをプレイすることも可能です。
組み立てから楽しめるMS-20M Kit + SQ-1の価格は、市場予想価格で¥100,000前後と、ARP ODYSSEYと同様に比較的お手頃価格です。
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上級者向けシンセサイザー
Waldorf / nw1
ドイツの安定したクオリティを誇るシンセメーカーWaldorf初のEURORACKフォーマットのシンセサイザーnw1は、同社のiOSアプリNaveのような高度なウェーブテーブル・モジュールシンセサイザーで、鮮やかでメタリックなトーンから金属が反響するようなトーンまで、幅広いサウンドの生成に適しています。
nw1の価格は329 €で、お手頃なモジュラーシンセとなっています。
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KORG / ARP ODYSSEY
ARP Instruments社が1972年に発表したアナログ・シンセサイザー「ARP Odyssey」。この伝説的なシンセをKORGがARP Instruments社の共同創業者David Friend氏をアドバイザーに迎え、当時の回路そのままに復刻させます。
ARP ODYSSEYでは黒パネルにオレンジのシルクが入ったデザインが採用されていますが、台数限定のバリエーション・モデルとして、白パネルと黒パネルに金のシルクが入ったデザインも復刻されます。
お値段は市場予想価格で¥100,000前後とハードウェアシンセとしては比較的にお手頃価格です。
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Sequential Circuits / Prophet-6
アナログシンセを代表するSequential CircuitsのProphet-5。1978年に発売され今なお人気を集めるProphet-5をトリビュートした「Prophet-6」が「SEQUENTIAL」のロゴを掲載して登場です。Prophet-6はProphet-5を基にオシレータ、フィルター、アンプ、エフェクトなどの機能強化が図られています。
現代のアナログ・ポリシンセProphet-6の価格は$2,800程度が予定されています。
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Moog / Modular
Moogが1973年に発売したモジュラーシンセ「System 55」、「System 35」、「model 15」が当時の資料を基に台数限定で復刻。
製造台数はそれぞれの機種名に関連づけられていて、System 55は55台、System 35は35台、model 15は150台です。お値段はSystem 55が日本円にして約414万円、System 35が約260万円、一番お手頃なmodel 15でも約118万円と、とっても高級です。
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このようにして見てみると、例年に比べて気になるシンセが多くリリースされていることが改めて分かります。ハードウェア・シンセサイザーは引続きアナログがトレンドで、その傾向がさらに強くなっています。
アナログシンセサイザーが一通り出そろった感のあるシンセサイザーの次なるトレンドが気になるところ。今後の動向に注目です。