ティザー・サイトの開設などで話題となっていたARP Odysseyの復刻がKORGより正式に発表されました。
ARP Odysseyは、アメリカのARP Instruments社が1972年に発表したアナログ・シンセサイザーです。
40年の時を超えてKORGがARP Instruments社の共同創業者であるDavid Friend氏をアドバイザーに迎え、当時の回路を完全に再現します。
出典:YouTube
ARP Odyssey の特長的なシンセシスを回路レベルから再現
出典:KORG
2VCOのデュオフォニック機であるオリジナルARPOdysseyは、シャープで鋭いサウンドと、豊富な音色バリエーションを最大の特長としています。
オシレーター・シンク、サンプル&ホールド、パルス・ウィズ・モジュレーション、ハイパス・フィルター、2 種類のエンベロープ・ジェネレーター、PPCによるピッチベンドなど、様々な機能とモジュレーションによって多彩なサウンドを作り出すことができました。
ARP ODYSSEYでは、これらのサウンドが回路レベルで再現されており、その特長的なシンセシスを実現しました。
3 世代すべてのフィルターを搭載
出典:KORG
オリジナルARP Odysseyは、生産時期によって大きく分けて3 つのバージョンが存在しており、その最も大きな違いはフィルター回路です。ARP ODYSSEYではその異なるフィルター回路を3 種類すべて搭載し、スイッチ1 つで切り替え可能にしました。
12dB/Octで鋭くパンチの効いたサウンドを作り出すTYPE Ⅰ(Rev1)、24dB/Octで太い低音が心地良いTYPEⅡ(Rev2)、そしてレゾナンスを上げても非常に効きが安定するTYPEⅢ(Rev3)。これらの特徴的なフィルターを、当時のままに再現されています。
新機能DRIVEスイッチを搭載
出典:KORG
より強力なアナログ・サウンドを実現するための新機能としてDRIVEスイッチが搭載されました。スイッチをONにすることで、VCAを歪ませ、過激で荒々しいサウンドを作り出すことができます。
MIDI、ヘッドホン出力など接続端子を追加
出典:KORG
ARP ODYSSEYはRev3をベースに、MIDI IN端子とUSB-MIDI端子のほか、ボリューム調整可能なヘッドホン端子を追加し、現代的な仕様へと改良されています。
また従来アンバランス出力だったXLRアウトプット端子が、ノイズに強いバランス出力に変更されています。
Rev1、Rev2デザインも限定モデルとして復刻
出典:KORG
生産時期によってそれぞれ異なるデザインのうち、ARP ODYSSEYでは黒パネルにオレンジのシルクが入ったRev3のデザインが採用されていますが、台数限定のバリエーション・モデルとして、白パネルのRev1、黒パネルに金のシルクが入ったRev2のデザインも復刻されます。
気になるお値段は、市場予想価格で¥100,000前後とお手頃な価格に設定されており、発売は2015年5月を予定しています。
現代的なアナログシンセとして復活をとげるARP ODYSSEY。発売が楽しみです!
主な仕様
- 鍵盤:37 鍵(スリム鍵盤、ベロシティ非対応、アフタータッチ非対応)
- 最大同時発音数:デュオフォニック時に2 ボイス、通常はモノフォニック
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波形:ノコギリ波、矩形波、パルス波(パルス幅可変式)
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オーディオ・アウトプット端子:φ6.3mm モノフォニック・フォーン端子(LOW)、XLR 端子(HIGH)、ステレオ・フォーン端子(ヘッドホン端子)
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外部オーディオ・インプット端子:φ6.3mm モノフォニック・フォーン端子
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MIDI 端子:IN
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USB 端子:B タイプ
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CV IN/OUT 端子:キーボード CV(IN/OUT)、コネクター:φ3.5mm モノフォニック・フォーン端子
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GATE IN/OUT 端子:GATE IN:+3V(必要最小)、GATE OUT:+10V(キー・オン時)、0V(全キー・オフ時)、コネクター:φ3.5mm モノフォニック・フォーン端子
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TRIG IN/OUT 端子:TRIG IN:+3V パルス(必要最小)、10μsec.(必要最小デュレーション)、TRIG OUT:+10V パルス(キー・オン時)、10μsec.(パルスのデュレーション)、コネクター:φ3.5mm モノフォニック・フォーン端子
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電源:AC アダプター(DC9V)、消費電力:6.5W
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外形寸法:502(W)× 380(D)× 120(H)mm
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質量:5kg
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付属品:AC アダプター、標準フォーン・ケーブル、ミニ・フォーン・ケーブル、専用セミ・ハード・ケース