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CULTURE

アナログ回帰は止まらない。カセットテープブームを支えるアメリカ最後のオーディオカセット製造工場『NAC』

レコードブームにより、これまで多くのレコードに関するニュースが取上げられてきました。そしてTechnicsがターンテーブルの生産を復活させるというニュースから、ブームの域を超えて文化として認知され始めたように感じます。レコードと共にアナログのメディアとして多くの人々に活用されてきたのがカセットテープです。レコードブームの影響であまり目立っていませんが、同様に人気が復活しています。この現在のカセットテープの盛り上がりについて、アメリカ最大のカセット製造工場National Audio Company(以下、NAC)の社長Steve Steppが語った動画を紹介します。

海外メディアBloomberg Businessにより制作された動画では、Steve Steppやスタッフのコメントと共に、カセットテープの製造工程を見ることができます。動画に映し出される魅惑的な機器は、1970年代に導入されたものを現在も大切に使用しているそうです。

出典:YouTube

NACは2014年に1000万本以上のカセットテープを生産しました。そして今年はさらに20%も売上が増大しているそうで、1969年の創業以来、今年が最も良い年なのだそうです。

今となっては好調なカセットテープですが、録音メディアのデジタル化により多くのカセット製造メーカーが撤退していきました。そのような状況にありながらも、社長のSteve Steppは、次のように考えていたそうです。「人々は、私たちのビジネスを見て、頑固でばかげていると思うかもしれません。しかし、私たちはどうしても撤退したくはなかったのです。」

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そして、カセットテープの人気の要因については、次のように語っています。「おそらく、私たちのビジネスを後押ししてくれたのは、レトロ・ブームだと思います。カセットテープを手に取ると、そこにはノスタルジーがあります。」

その人気の要因は、レコードと同じようですね。デジタル化が進む一方で、失われつつあるアナログへの価値を見いだす。無い物ねだりというか、人間の性質によるところが大きいようです。

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NACはSony Music EntertainmentやUniversal Music Groupなどのメジャーレーベルから、インディーバンドまで幅広い取引があり、その売上げの約70%がミュージックカセットで、残りが録音用のカセットテープだそうです。

この状況について、プロダクション・マネージャーのSusie Brownは、「多くのインディーバンドが、再び温かみのあるアナログ・サウンドを求めていたことが、現在の業績につながっています。そしてその需要は、まだまだ増え続けています。」と語っています。

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以前に紹介した「秘かに盛り上がりをみせるカセットテープ・カルチャーの歴史と海外カセットレーベルの現状」でもインディ・シーンにおけるカセットテープの需要の高まりは分かります。カセットテープだけをリリースするレーベルがあるくらいですからね。

紹介した動画を見ていて改めて感じたのですが、カセットテープはレコードと同じように絵になるなと。人気の秘密は、そのような現代の製品が持ち合わせていない味的な要素も大きいように思います。普遍的な要素を持つカセットテープは、日本でもレコードのようにもっと注目されていくのではないでしょうか。

引用元:Bloomberg

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