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アナログレコードの感触はそのままにデジタル音源を操れる注目のDJツール『DS1』。その魅力をKO KIMURAが語る

レコードでパソコン内のトラックを制御できるデジタル・ヴァイナル・システム(以下、DVS)は、現代のデジタル環境に最適なスタイルとして、多くのDJに取り入れられています。DVSに対応したソフトのなかで人気なのがSerato DJ。このSerato DJに対応したオーディオ・インターフェイスとしてリリースされた『DENON DJ/DS1』が注目を集めています。そこで、プロDJとして30年のキャリアを持ちながら、今なお最新のPCDJツールで独自のスタイルを追求するKO KIMURAさんとDS1の実力に迫ってみたいと思います。

お気に入りのトラックをレコード感覚でDJ

DS1は、Serato DJとオーディオ・インターフェイス、コントロール用のレコードとCDがセットになった製品で、あとは、ターンテーブルとDJミキサーがあればDJできるので、たとえばパソコンのiTunesに入っているお気に入りのトラックをSerato DJにインポートしてレコードでプレイできます。

DJといえば、まずはミックスですが、Serato DJにはトラック同士のBPMを自動でシンクさせる機能が搭載されているので、誰でも簡単にミックスできます。プレイ中のトラックには、リアルタイムでエフェクトを加えたり、ループを使ってミックスしたりできるので、DJがもっと楽しくなります。Serato社の製品動画から、DS1とDVSの特長やポテンシャルを見ることができます。

出典:YouTube

DVSでは、ターンテーブル/DJミキサーとパソコン間で信号のやり取りが行われ、これを担当するのがオーディオ・インターフェイスで、このクオリティが、音質やパフォーマンスに違いを与えます。これまでSerato DJのDVSに対応したオーディオ・インターフェイスは、RaneのSLシリーズだけでしたが、DS1の登場で新たな選択肢が増えました。このDS1の特徴を正確に捉えるために、SLシリーズでDS1と同クラスのオーディオ・インターフェイスSL2とDS1をKO KIMURAさんと聴き比べて、プロの視点で特徴を語ってもらいます。

KO KIMURAさんは、DJソフトを代表するSeratoもTraktorも知り尽くしたPCDJのマスターで、ソフトならではの最先端の機能を駆使してパフォーマンスを行う数少ないDJです。PCDJに対する確かな知識を持つKO KIMURAさんに、まずはPCDJをどのように使っているのか聞いてみました。

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アナログでは実現できないパフォーマンスもPCDJなら簡単

ーーこれまではどのようなセットでDJを行われてきたのですか?

昔はレコードで、その後ちょっとだけCDになったんですけど、CDを焼くのが面倒くさくなって。その当時はパソコンのスペックも低くて、ソフトも発展途上だったので、DJ中にトラックが止まったりする光景をよく見かけていて、PCDJに信頼を持てていなかったんですけど、SeratoのScratch Liveならトラブルがないという話を聞いたんです。実際に使ってみたら動作が安定していたので、それからScratch Liveを使い始めました。Seratoのサウンドは、良い意味でざらついていて、デジタルっぽさがなかったので、CDに比べてレコードともなじみやすくて、それでPCDJに移行していった感じですね。

ーーPCDJに移行した後も、レコードは使っていたんですね。

そうですね。けど、だんだんレコードは使わなくなっていきました。PCDJなら、レコードでは難しいループプレイなどが簡単にできるので。レコードの溝からはその濃淡で曲の大まかな構成しか分からなかったけど、PCDJは波形でトラック全体の小節数や音域など詳細な構成が分かるのが大きいですね。構成を把握できるので、より自由度の高いパフォーマンスを楽しめます。

ーーDJではループを多用されているのですか?

当時は、ループを多用していましたけど、最近はビートジャンプがないとDJできないですね(笑)。ビートジャンプを使うとトラックの再生位置をリアルタイムで前後に飛ばすことができるので、たとえば、ミックスを始めたあとに「あ、4小節ズレていた」なんて場合は、ミックス中にボタン1つで4小節飛ばして、当初の理想のミックスにシームレスに移行することができるんです。

ロングミックスで64小節重ねた後に次の曲のベースを入れるとか、狙ったポイントでミックスできます。PCDJならそう言う細かいところまで操作ができるんです。ビートジャンプを使用することで、より緻密なロングミックスをできるようになりましたが、あまりにもミックスが完璧過ぎてお店の人からは「最近コウさん、ロングミックスしなくなりましたね。」って言われることもあります(笑)。

ーーPCDJなら、耳が肥えたお店のスタッフにも分からないほどの絶妙なミックスを生み出せるということですね(笑)。

実際に、そう言う自然なミックススタイルを求めているので、それでいいと思っています。ただ、PCDJは正確に動作するので、カチッとしすぎて、違和感を感じることもあります。なので、PCDJでもレコードでプレイした時の人間味をなくさないように、任意でカットインっぽくトラックを入れたりとか変化は出すようにはしてますね。

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DJの醍醐味、直感的なプレイを楽しめる

ーービートジャンプを多用されていると言うことは、トラックにキューポイントなどの設定はしていないのですか?

ループポイントは設定していますが、それ以外はしていないですね。ビートジャンプはボタンを数回押すだけで思ったところに移動できちゃうから、キューポイントを設定しなくても大丈夫なんです。キューポイントはトラックの設定したポイントに移動しますが、トラックを自由に移動できるビートジャンプなら、思いつきでプレイできるから必須の機能ですね。

ーー仕込まないでその場で対応されているんですね。

その分、ソフトをコントロールするためのコントローラがめちゃくちゃ増えるみたいな(笑)。

ーーPCDJを楽しむならコントローラは欠かせないですよね。これまでにたくさんのDJ機材を使用されてきたと思いますが、DJ機材を選ぶ際のポイントは何ですか?

僕は、行った現場にある機材の事情に影響されない自分の理想の環境でDJをしたいと思っています。たとえば海外では、当初聞いていた機材とは違う機材がセッティングされていることもよくあるんですが、そんな時でも対応できるようにしておきたいんです。なので、どんな物でもDJミキサーさえあればなんとかDJができるという、なるべく環境に左右されない機材選びをしています。

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それでは、DENON DJ/DS1とSerato/SL2の聴き比べていきます。今回は、より原音に忠実なモニタリングのためにmarimoRECORDSさんのスタジオをお借りして行いました。セッティングは、Serato DJをインストールした2台のMacを用意して、1台をDS1に、もう1台をSL2につなぎます。それぞれのアウトはPioneerのDJミキサーDJM-900 nexusに入力して、クロスフェーダーでDS1とSL2のサウンドが切り替わる仕組みです。

現代の音楽に最適なサウンドでクラブでも多彩な表現が可能

ーーDS1とSL2を使ってSerato DJをプレイした場合の音質的な違いはいかがでしたか?

DS1の方が高音の抜けが良く、音の分離感にも優れたオーディオ的な質感で、デジタルのサウンドをそのまま素直に出している印象です。レンジが広くて、今っぽいサウンドですね。
SL2は音が粗くて低域が強い印象ですが、それは高音の領域がきちんと出てないからそう感じるのかも?ですね。デジタル音源だけではなくレコードも混ぜてプレイするDJには良さそうです。

ーークラブでのプレイではサウンドのパワーも気になるところかと思いますが、その点はいかがですか?

出力はSL2の方が少しだけ大きくてパワーがあるように感じましたが、ソフトやDJミキサーのゲインで調整できる範囲なので気にするレベルではないですね。むしろ、レンジが広いDS1の方が、大きな会場で迫力のあるサウンドを作りやすいと思います。出ていない周波数帯域を出すのは難しいけど、出ている周波数はDJミキサーのEQで削ればいいので、DS1の方がクラブでも優位でしょうね。

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ーー音質を向上させるためにオーディオとUSBケーブルを高価なものに変えてみるのも良さそうですね。

たとえば、DS1のデジタル的なサウンドの堅い部分を削るために、よく現場などで使われているオヤイデなどのケーブルのラインナップの中でグレードの低いオーディオケーブルを使うことで、アナログ感を出すのもいいかもしれません。USBケーブルはいい物に越したことはないですが、オーディオケーブルは、あえて、高音質なケーブルを使わないという選択も、ありじゃないかなと思います。

DJだけでなく音楽制作にも

ーーDS1とSL2にターンテーブルをつないで、レコードでも聴き比べを行いましたが、それぞれの音質はいかがでしたか?

レコードはレコードらしい音。デジタルはデジタルらしい音。DS1は脚色されずに、どちらの個性もしっかりと再現されますね。SL2は、やはり粗い印象です。DJ用の音源としてレコードからパソコンへレコーディングすることがありますが、脚色の少ないDS1なら原曲に近い質感でレコーディングできますね。

ーーオーディオ・インターフェイスとしても優秀と言うことですね。

そうですね。そのままの音が出るので、音楽制作用のオーディオ・インターフェイスとしても使えますね。これからトラックを作ってみたいという人には、レンジが広いDS1はいいんじゃないですかね。
サイズも小ちゃくて持ち運びもラクそうだし、DJブースでの設置にも困らないですね。フルメタル・ボディでしっかり作られているから、耐久性も高そう。コンパクトなオーディオ・インターフェイスだと素人っぽく見えることもあるけど、デザインがプロオーディオっぽいから、舐められることもなさそうですね(笑)。

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ーーDS-1はバスパワーで動作しますが、その点は気になりましたか?

アダプターを使わずにUSBケーブルでパソコンから電源が供給されるバスパワーは、電力不足により動作が安定しないなどの問題が考えられますが、実際に使ってみて、動作は安定していて、まったく気にならなかったですね。もしも、気になるようなら、アダプター付きのセルフパワータイプのUSBハブを間に挿んで使うといいと思います。

ーーDS1はどんなDJにオススメできそうですか?

2チャンネルのDVSでプレイするDJなら誰にでもオススメできますね。今っぽいハイファイなサウンドなので、ハウスやテクノ、そして今大流行のEDMのDJにも結構いい感じで使ってもらえると思います。勿論今時のヒップホップDJにも。SL2は発売されてから時間も経過していて設計も古い。DS1はデジタル音源との相性も良く、新しい機材の優位性をしっかりと持ち合わせていると感じました。

ーーコウさんありがとうございました。最後に、今回の聴き比べに同席いただいたmarimoRECORDSの江夏さんにも、DS1とSL2の印象を聞いてみました。

Raneといえば、DJミキサーの名機といわれるUrei 1620をモデリングした2016の印象が強いんですが、SL2は良い意味でクラブサウンドの黎明期を支えたあのサウンドの流れを汲んでいるなという印象でした。DS1は、CDが登場してからのデジタルの正当な進化を感じる、原音に忠実なオーディオ的なサウンドだなと感じました。それぞれを聴き比べて、どっちが良いとか悪いとかではなく、製品自体にDJ文化が存在していて、それぞれの会社が持っている哲学みたいなものを強く感じましたね。

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プロも認めるクオリティで充実のDJ環境を

聴き比べにより、DENON DJ DS1とSerato SL2の音質特性は、DS1はレンジが広い現代的なデジタルサウンド、SL2は低域が強めの粗いサウンドということが分かりました。現在、主流の音楽メディアはオーディオファイルですが、PCDJが使用する音源も同様です。現代のデジタル環境に最適化されたDS1なら、パソコンに取り込んだトラックをそのままの音質でDJできます。レンジが広いDS1は、調整できる周波数の範囲が広いので、DJミキサーのEQを使って柔軟に音質を調整できます。ミックスを主体とするDJにとってEQは欠かせない機能で、DJの善し悪しを決める重要な要素です。フラットなDS1の方が好みのサウンドを作りやすく、気持よくDJできます。

今回の結果から、DS1はコストパフォーマンスに優れており、初心者から上級者まで安心して使用できることが分かりました。ターンテーブルとDJミキサーを使うDVSなら直感的にDJができて、DJやってる感も増します。あの、レコードに針を落とす感覚をデジタル環境で味わうならDS1がオススメです。

KO KIMURAプロフィール

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2015年でプロDJ歴30年を数えるトップDJ。DJ機材メーカーへの協力など、業界全般のスキルアップにも尽力している。また1998年からレーベルFUTIC RECORDINGS TOKYOを主宰。才能ある日本人アーティストの作品を発表しつつ、Kazuaki NoguchiとのユニットMODEWARP名義での作品もリリース。
KO KIMURA OFFICIAL WEBSITE:http://www.kokimura.com

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