音楽との関わり合い方は人それぞれですが、自主的に聴く場合はもちろん、そうでない場合でもテレビを見たり、街を歩いたりするだけでも音楽は自然に流れていて、思っている以上に音楽は日常と密接に関わっていたりします。
テクノロジーの進化と共にユーザーが手にする音楽の形態は移り変わり、これまでにレコード、カセットテープ、CD、MD、そして現代のデジタル・ファイルと、音楽の記録メディアは時代を象徴するものの一つとも言えます。
デジタル・ファイルにより、音楽は形のないものになった訳ですが、おもしろいもので形がなくなると今度は形あるものへの欲求が高まり、これが世界的な規模でのレコードの生産量の増加につながっています。
このような流れから、ここ数年はレコードの価値が見直されていますが、実際のところ世界ではどのくらいの製造工場があって、どのくらいのレコードショップが存在するのかと言う実態を把握することはなかなか難しいものです。
このような興味をすっきりさせてくれる、とっても分かり易いマップが海外メディアのTHE VINYL FACTORYで紹介されています。
レコードプレス工場マップ
まずはレコードを製造するプレス工場の分布マップです。やはり欧米が圧倒的に多く、アジア規模で見ると日本の東洋化成だけと言う状況なのが分かります。
以前に東洋化成のカッティング・エンジニアの西谷さんに取材を行った際に、アジア圏からのオーダーが多いと言うお話伺いましたが、これを見ると納得です。
このマップは拡大縮小が可能で、レコードをクリックするとプレス工場のロゴが表示されます。
インディペンデント・レーベルマップ
メジャーレーベルからの過去の名盤のリプレスが現在のレコードの製造量の増加を支えている一番の要因ではありますが、音楽の記録メディアが移り変わる中でも変わらずにレコードカルチャーを支え続けてきたのはインディレーベルです。
メジャーレーベルに比べてコアな音楽が多いインディレーベルの数はその国の音楽カルチャーの成熟度を表すと言っても過言ではありません。
そのインディレーベルの国ごとの数を表したマップがこちらです。
このマップから、いい音楽をリリースする国にインディレーベルが多いのがよく分かります。その中でもアメリカが圧倒的に多く、他の国に比べて桁が違います。
レコードストア・マップ
このマップは各国のレコードストアの総数を表しています。レコードストアの数はプレス工場やインディレーベルの数に比例しています。
日本の総数が31になっているのですが、これはさすがに少なすぎるかと。実際の総数は把握できていませんが、もっと多くのレコードストアが存在しています。
全てのマップ
上記3つのマップを一つにまとめたものがこちらです。
マップ右上の「Visible layer」で、3つの要素の表示と非表示を切り替えることができます。
どのマップも世界的なレコードと音楽の現状を把握することができるとても秀逸なマップですね。
レコードの知識をさらに深めたい方は、東洋化成のカッティング・エンジニアの西谷さんのインタビューもどうぞ!
トップ画像出典:Amar Ediriwira