• このエントリーをはてなブックマークに追加
FEATURE PR

ソフトウェアのバージョンアップで「一皮むけた」サンプラー、Pioneer DJ TORAIZ SP-16 v1.2の進化をチェック

Pioneer DJのプロフェッショナルサンプラー=TORAIZ SP-16が、ファームウェア1.2にバージョンアップしました。既に試された方もいると思われますが新機能はどれも即戦力となる強力なものばかり。まずはバージョン1.2での主な変更点をみてみましょう。

・SP-16から外部音源を演奏できるようにしたMIDI機能の拡充
・サンプリングした音源を自在に刻めるサンプルのスライス機能を強化
・エフェクターの追加と機能強化
・各パラメーターをモジュレーションして音作りの幅を広げるLFOの搭載
・作成したパターンやアレンジメントをWAVファイルに書き出すレンダリング機能

こうしてみると文字だけではピンとこないかもしれませんので、この記事ではわかりやすいように動画も交えて紹介していきます。

今回はSP-16と外部音源のKorg Volca Keysを組み合わせ、SP-16がシーケンサーとなりVolca Keysを演奏し、Volca Keysの音をSP-16にサンプリングして音作りをしていきたいと思います。こういった組み合わせの場合、SP-16とVolca Keysのオーディオアウトをそれぞれミキサーに接続して使用することが多いと思いますが、下の図のようなシンプルなセットアップでもこの2台を連携させることが出来ます。

1. まずはビートメイク

最初にビートとベースだけのベーシックなトラックを作ります。後の章でこのトラックの上にVolca Keysを加えていきます。

SP-16でのビートメイクの方法は前回の特集で行っていますので、操作や機能についての詳しい説明はそちらをご覧下さい。

今回のドラムパッドの割り当てはこのようになっています。今回はなるべくシンプルにしたので、パッドの下半分も全部のパッドを使っている訳ではありません。

2. MIDIトラックを使ってシンセを演奏

それではSP-16のMIDI機能を試してみましょう。この動画では左上にあるトラック13からVolca KeysにMIDIを送り、単音のシーケンスを演奏しています。SP-16のオーディオ・インに直接接続したVolca Keysの音声を聞くには、SP-16でモニターするトラック(ここでは隣にある14)のTrack Typeを”THRU”にします。

この動画ではSP-16でコードを打ち込んでいます。打ち込んだ後に1音だけ音階やコードの構成を変えたい場合は、該当するステップボタンを押して、ツマミでNOTE 1-4の値を変更します。SP-16のシーケンサーの使用感はハードウェアらしい伝統的なステップシーケンサーに近い構造ですが、コードの作成・編集はDAWとは違った操作体系で、楽典とかが気にならない楽器らしい楽しさがあります。DAW環境だと、どうしてもピアノロールを視覚で追いかけがちですが、SP-16は耳に頼って音に集中しながら打ち込みができます。

3.演奏したシンセをサンプリングしてを自在にチョップ

ここからの動画は、Volca Keysの演奏をサンプリングして細かくスライスし、新たなフレーズに再構築する方法を紹介しています。

まずはVolca Keysをサンプリングしてスライスしましょう。

この動画ではスライスしたサンプルを並べ替えて再構築しています。こうしたサンプルの再構築は、90年代後期にブレイクビーツが流行った時に始まりましたが、それから20年ほど経った今でもドラムループやフレーズサンプリングにつかえる定番のサンプル加工方法です。

4. LFOとエフェクトでパターンを加工

バージョン1.2では、サンプラーで音の加工をする機能も強化されています。新規追加されたエフェクトはLo-Fi/Distortion/Compressorの3種類で、従来から搭載されているエフェクトも機能強化されています。この動画では、汚し系エフェクトの定番=Lo-Fiを使ったサンプルの加工方法を紹介しています。

次に紹介するのは、サンプラーやエフェクトなど様々なパラメーターを周期的に変化させるLFOです。これはある一定の周期でパラメーターの値を変化させる機能で、わかりやすいところでいうとシンセの音をビブラートさせる時に使われています。

この動画では、そのLFOを使ったサウンドメイキングの一例を紹介しています。このLFOは変調させる波形を7種類搭載し、SP-16のほぼ全てのパラメーターをモジュレートさせることができます。この動画では最後にサンプルのスタートポイントを変化させていますが、こうした予想も出来ないような音作りも可能です。

5. トラックのファイルを書き出す

こうして一通りトラックが出来てきたら、アレンジャーでソングを組んだり各パターンをリサンプリングしてさらに加工したり、DAWで読み込んだりしたくなることでしょう。そんな時に作成したフレーズやループをWAVファイルに書き出せるとワークフローがスムーズになります。

この動画では、レンダリングする前段階としてトラックのマスターにコンプをかけています。これもバージョン1.2の新機能です。

この動画では、仕上げとして実際にアレンジメントで組んだトラックをレンダリングしています。SP-16はレンダリングする範囲をパターン/トラック/アウトプット毎などに細かく設定できるので、作成したトラックやパターンをDAWに持っていって、続きの作業や加工・編集をしたりする…といった様々なケースで使える機能です。

また、ディレイやリバーブなど残響音で長さが変わるような場合は、そのエコー成分をどのように書き出すのかも3種類から設定できます。このように、レンダリング機能は単なるオーディオファイルの書き出しだけではなく、様々なケースで使いやすいように作られているのがわかると思います。

画像出典:取扱説明書 Version.1.2 追補

まとめ

さて、ここまで動画を交えながら今回のバージョンアップで強化された機能を一通り紹介してきました。筆者の感想を簡単にまとめるとこのような感じです。

  • MIDI機能の拡充はスタジオでもライブでも即戦力になり、SP-16の可能性を予想以上に広げてくれる
  • サンプルをスライスする機能が改善されて、サンプラー部分の性能も向上
  • 新規追加されたエフェクトもさることながらLFOの柔軟性が高く機能も強力で、音作りの実験や飛び道具にも使える
  • オーディオレンダリングは意外と多機能なのでDAWとの連携やライブの仕込みなど様々な場面で使えそう

このv1.2はSP-16がハードウェア・サンプラーとして一皮むけた成長を感じさせるバージョンアップとなりました。こうして発売後も機材を成長させられるのがソフトウェアの面白いところ。これは次のバージョンアップも楽しみですね。

メーカーサイトで詳細をチェック

この記事をSNSでシェア!