トラック制作においてみなさんが重視する機能は何でしょうか?音楽機器では、音源やエフェクトについて語られることが多いように感じますが、それらを制御するシーケンサーはとても重要な存在で、シーケンサーのクオリティがトラックやパフォーマンスの精度を決めるといっても過言ではありません。
そんなシーケンサーに注目の製品が登場です。Arturiaからリリースされた「BeatStep Pro」は、MIDI、USB、CV/GATE、DINシンクを搭載したあらゆる楽器を接続でき、それらを直感的かつ柔軟にコントロールできるシーケンサーとして、高い注目を集めています。
ここでは、BeatStep Proを制作機器のハブとして、DAWのAbleton Live、KORGのアナログ・ベースシンセ「volca bass」と、デジタルFMシンセ「volca fm」を組み合わせてトラックを制作し、パフォーマンスしてみたいと思います。
簡単なビートから緻密なビートを生み出せるランダム機能
まずはBeatStep ProとPCをUSBで接続。Ableton Liveの「Drum Rack」を音源としてビーツを制作していきます。DAWを使用する場合は、DAWのシーケンサーでトラックを制作するのが普通ですが、ここではBeatStep Proのシーケンサーで制作するので、Ableton Liveは音源になります。
BeatStep Proには、SEQUENCER 1、SEQUENCER 2、DRUMの3つのシーケンサーが搭載されています。動画ではドラム用のシーケンサー「DRUM」を使用して、リアルタイム・レコーディングとステップ・レコーディングでビートを入力。その後にLOOPER、ランダムネスとプロバビリティ機能で、作成したビートをちょっと過激に変化させてみました。
このようにビートを制作して、すぐにパフォーマンスすることができるので、BeatStep Proは、ライブのツールとしても最適ですね。ランダムネスとプロバビリティ機能を上手く使いこなせれば、簡単なビート・パターンからテクニカルなビートも簡単に作れそうです。
簡易的なパターンからグルーヴ感溢れるベースに
ビートに続いて、BeatStep Proとvolca bassをMIDIで接続して、ベースのシーケンスを制作します。BeatStep Proでは、シンセやベースなどの音階で演奏するインストゥルメント用のシーケンサーとして、SEQUENCER 1とSEQUENCER 2を使用します。
SEQUENCER 1とSEQUENCER 2では、ドラムパッドを鍵盤のように演奏してレコーディングできるキーボードモードと、ステップ・レコーディングの2つのレコーディング方法があります。それぞれのシーケンサーでレコーディングした演奏情報は、本体上部の16個のノブで各ステップごとにピッチ、ヴェロシティ、ゲートを可変することができます。また、8つのスケール・モードが搭載されているので、演奏に自信がない方でも、メロディを外すことなく演奏することができます。
動画では、「SEQUENCE 1」にステップレコーディングでベースをレコーディング。スケールモードの「Minor」を選択して、各ステップごとにピッチを変更し、さらにゲートをコントロールして、各ステップごとにリリースを変更しています。
このように、簡易的に入力したシーケンスから、グルーヴ感あふれるベースを作り出すことができます。SEQUENCER 1とSEQUENCER 2では、感覚的にシーケンスを可変させることができるので、偶発的なトラック制作を楽しむことができます。
複数の楽器を使ったパフォーマンスの直感性が凄い
ビートとベースだけでは物足りないので、volca fmの豊潤なサウンドを加えて、少しだけ楽曲性を高めてみたいと思います。CV端子を搭載したvolca fmなら、BeatStep ProとCV接続することもできますが、volca fmのポテンシャルを引き出すために、MIDIスルーボックスを使用して、BeatStep Pro、volca fm、volca bassをMIDI接続で連携させます。
動画では、「SEQUENCE 2」にキーボードモードでvolca fmのサウンドをレコーディング。制作したトラックをLOOPER、ランダムネスとプロバビリティ機能を駆使して可変させ、簡単なパフォーマンスを行っています。
BeatStep Proには、16のプロジェクトが含まれており、各プロジェクトには、SEQUENCER 1、SEQUENCER 2、DRUMの3つのシーケンサーごとに16のパターンを保存することができます。動画では、少ないシーケンス・パターンのみでパフォーマンスを行っていますが、複数のパターンを組み合わせてトラックを製作したり、より作り込んだパフォーマンスを行うこともできます。
ハードウェア回帰の流れに対応した現代的なシーケンサー
BeatStep Proには、ビートやメロディをランダムに演奏できたり、LOOPERで狙ったポイントへロールを加えたりと、簡単で効果的なパフォーマンス機能が搭載されており、迷いのない直感的なパフォーマンスを可能にしてくれます。複数の楽器を使うのであれば、このくらいの機能で十分だなと感じました。
また、パフォーマンスツールとしてだけでなく、簡単にビートやメロディのパターンを制作することができるので、トラックのアイディア・スケッチにも良さそうです。
MIDI、USB、CV/GATE、DINシンクの豊富な接続に対応したBeatStep Proは、DAW以降の「ハードウェア回帰」の流れに対応したシーケンサーで、複数の楽器のハブとしてそれらをシームレスにコントロールすることができます。アナログからデジタルまでのたくさんの楽器を用いたパフォーマンスのセットアップをもっとシンプルにしたいミュージシャンや、ライブに直感性を求めるミュージシャンには特にオススメの一台です。
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画像出典:Arturia