iPadのようなマルチタッチ・プレイが可能になった「MPC Touch」でトラックを制作しながら、その使用方法と魅力を紹介する連載の第3回。前回はビートの作成方法を紹介しましたが、今回は作成したビートにハーモニーやメロディを加えていきます。
ハーモニーやメロディ制作のためのツールとして、多彩なサウンドを搭載したソフト・シンセサイザー、鍵盤を演奏できなくてもクールなコード進行を打ち込めるパッド・パフォーマンス・モード、サンプルに音階を付けて演奏できる16 Level / Tune機能の活用方法を紹介します。
パフォーマンス・モードでハーモニーの演奏も簡単
MPC Touchには様々なソフト・シンセが搭載されています。ここでは、多彩なシンセ・サウンドが搭載された「Hybrid 3」を使ってみます。MPC Touchには、誰でもクールなハーモニーを作り出すことができるパッド・パフォーマンス・モードが搭載されています。
動画では、パッド・パフォーマンス・モードでHybrid 3のサウンドを入力し、シンセの特徴的な機能のフィルターのカットオフとレゾナンスをコントロールして、音色をコントロールしています。
パッド・パフォーマンス・モードは、鍵盤を演奏できなくてもスケールやコードを入力できるので、簡単にかっこいいハーモニーを作ることができました。MPCには豊富なソフト・シンセが搭載されています。まずは搭載されているソフト・シンセから自分のイメージに合うサウンドを見つけて、自分だけのサウンドを作り出してみましょう。
MIDIキーボードでより表現力豊かなベースに
MPC TouchにはKeygroupというメロディックなサンプルを扱うのに最適な機能が用意されています。ここでは、KeygroupにロードしたベースのサンプルをMIDIキーボードを使って入力してみます。MIDIキーボードを使用するために、こちらの動画で設定方法をチェックしてください。
それではMIDIキーボードを使って、ベースを録音していきます。動画ではベースの録音後に、サンプルのフィルターとエンベロープのアタックをコントロールして、サウンドを変化させています。
フィルターとアタックをコントロールするだけで、簡単にサウンドを変化させることができるので、シンセの知識が少ない方も、是非お試しください。
すぐにメロディックな演奏に入れる16 Level/Tune機能
MPCの伝統的な機能16 Level / Tuneを活用すると、1つのサンプルを音階を付けて演奏することができます。この機能は、最近のトラップでよく聴かれるようなヴォイス・サンプルを音階で演奏する場合に最適です。
先程紹介したKeygroupに似ていますが、16 Level / TuneはDrumプログラムのどんなサンプルでもメロディにでき、とても簡単に扱えるのがポイントです。また、強引にメロディにすることで起きる音色変化、一般的には子リス・ヴォイスと言われる効果を得られることも重要なポイントですね。
16 Level / Tuneを使うと、サンプルをロードして、すぐにメロディを作ることができますね。また、ボイス・サンプルが不思議な質感になっているのも確認できたでしょうか?自分の声をサンプリングして使うという手法も面白いかもしれませんね。
MPC Touchがビートの制作に強いのはもちろん、メロディックな要素の制作にも長けていることがお分かりいただけたかと思います。MPCだけで、完成度の高いトラックを作ることができますね。
次回は、MPCの代表的な機能とも言えるサンプリングについて紹介します。そして、トラック制作の最終的な工程として、ソング機能でシーケンスを組み合わせてトラックを完成させ、このトラックとエフェクトを駆使してパフォーマンスをしてみたいと思います。ご期待ください!
[amazonjs asin=”B016BDUW0M” locale=”JP” title=”AKAI professional アカイ MPC TOUCH MIDIパッドコントローラー オーディオインターフェイス AP-CON-037″]