数年前に、Mad Zachがサウンドパックを持ち込んで以来、DJ Techtools内でじわじわとサウンドパックの流行が広がっています。サウンドパックは、電源プラグを差し込んで16個のボタンを押すだけでクールな音楽をプレイできる、とても楽しいDJ/プロデューサー・ツールです。ここではサウンドパックについて掘り下げ、製造元や購入方法について紹介します。
サウンドパックとは?
出典:YouTube
サンプルパック、プロダクション・テンプレート、サウンドパック。何が違うのでしょうか?
サンプルパック:特定ジャンルのサンプルやループ、ワンショットを集めたもので、ロイヤリティーフリーの素材です。サンプルパックはサンプラーにロードする必要があり、固有の音楽性はありません。
プロダクション・テンプレート:曲を作るのに必要なツールが入ったファイルで、多くの場合Ableton Project Fileフォーマットです。何から始めればいいのか分からないプロデューサーには、トラックを作るガイドの役割を果たしてくれます。テンプレートはスタジオで使うのにはぴったりですが、ライブ・パフォーマンス向けではありません。
サウンドパック:サンプルパックとプロダクション・テンプレートの両方の要素を併せ持っていますが、サウンドパックはトラックがビルトインされている点が異なります。4×4のグリッドには様々なサウンドがアサインされていて、ライブパフォーマンスでプレイできるようにデザインされています。プロダクション・テンプレートとの類似点は、エフェクトやチョーク設定、その他プログラミングがすでにセットアップされているところです。サウンドパックは4×4グリッドで構成されているので、 Midi Fighter 3D、 MaschineやAkai MPD Controllerなど、16個のドラムパッドが搭載されているコントローラで、すぐに使えます。
サウンドパックは難しいことを考えずに、座りながら音楽をプレイできるので気楽に楽しむことができます。トラックはほぼ出来上がっているのでDJと同様のアクセシビリティを持ちながら、使い方の可能性は無限のためプロダクションのようなフレキシビリティも持ち合わせています。しっかりと設定されたサウンドパックがあれば、色々なサンプルやテクスチャーを可変させて何時間でも楽しめます。
サウンドパックが特別な理由
チョークグループは音が重なるのを防ぎます。
サウンドパックは、単純なツールを使って誰でも学びながら遊べる、トラックのDNAのようなものです。Ableton Live用の楽譜だと思ってください。一度サウンドパックの遊び方を覚えたら、既定フォーマットで好きな曲をダウンロードして、それをベースに自分の好きなように遊ぶことができます。
サウンドパックは、ミニマルなのにパワフルです。16個のサウンドだけなので、プロデューサーはよく考えて吟味し、無駄を削らなくてはいけません。その仕様が良い方向に作用して、シンプルでわかりやすい作品に仕上がります。
同じレイアウトや構造もサウンドパックにおいて非常に重要な要素です。レイアウトが同じだと、プロデューサーも使い勝手がわかっているので、すぐに作業に入ることができ、練習にもぴったりです。パターンやリズムの中身だけを、違うサウンドパックに移しかえてもすぐに使えます。またサウンドパックをモジュール化してリミックスすることもできます。幾つかのサウンドパックを構築したら、スワップして違うドラムやライザーをボタン/パッドにロードすることも可能です。
サウンドパックはライブ向けに作られているので、DJやプロデューサーはオーディエンスに体験型のパフォーマンスを披露することができます。ライブでこんなこともできるのだとアピールする良い方法でもあります。オーディエンスがコントローラを楽器のように弾いているのを見れば、DJがただツマミをひねってボタンを押してるだけではないと理解するでしょう。
サウンドパックを使うには?
いくつか無料のサウンドパックをDJTT Mapsで用意しています。
他のプロデューサーが作ったサウンドパックをダウンロードするも良し、自分で作るも良しです。(作り方はMad Zach’s Ultimate Soundpack Tutorialをご覧ください)サウンドパックは、サンプルパックに比べるとまだ新しいものなので入手できる場所は少ないのですが、徐々に増えつつあります。
メンバーに無料で毎週配信されているDJTT newsletterでは、Mad Zach、ill.Gates、Apoth Musicなど人気クリエイターのサウンドパックが入手できます。待ちきれない場合は、Mad Zach Soundpack Volumesやill.Gates Performance Soundpacksで購入可能です。
Mad Zachとill.Gatesのサウンドパックに加え、オンラインにはたくさんのサウンドパック・コミュニティやグループがあります。Soundpack 4 SoundpackのFacebookページや、DJTT forumにもサウンドパック・クリエイターが集まっています。またDJTT Mapsポータルもおすすめのソースです。(コントローラのドロップダウンメニューから「サウンドパック」を選択して参照してください)
幾つかのサウンドパックをダウンロードしたら、早速プレイしてみましょう。サウンドパックの動画を見ると「絶対できない。フィンガードラムは無理。」と思うかもしれません。フィンガードラムの習得には時間がかかりますが、学ぶための動画などはたくさんあります。大事なのはシンプルなパターンで始めることで、そのうち身体が覚えて自然と指が動くようになるでしょう。Mad Zachによるフィンガードラムのレッスン動画をご紹介します。
出典:YouTube
ユニークなセットにしよう:自分でビルドしてみましょう
セットをユニークにしたいプロデューサーやパフォーマーは、自分でサウンドパックを作ってみましょう。サウンドパックのエキスパートでDJTTの友達であるill.Gatesが、自身のサウンドパックの作り方についてDJTTオフィスで講習会を開いてくれました。異なるレイアウトや彼のサウンドパック哲学についても語ってくれた動画をご覧ください。
出典:YouTube
サウンドパック・ムーブメントに乗ろう
今回サウンドパックを使って驚くようなことをやってのけるパフォーマーのMad Zach、ill.Gates、Shawn WasabiとApoth Musicを紹介しました。彼らは、DJとライブパフォーマンスはスキルが必要なアートであり、ただ他人の音楽を流すだけではないと証明してくれています。是非あなたもサウンドパックを使ってクリエイティブレベルを上げてみませんか。
https://www.youtube.com/watch?v=videoseries?list=PLZh7uvZ8vXHvUroOI2Bly62wMFa0IJk_j
出典:YouTube
記事ソース:DJ Techtools