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TECHNOLOGY

360°の音と映像の世界を楽しめるバーチャル・リアリティシステム『Oculus Rift』が音楽に与える5つの可能性

CGと音響効果を組み合わせて、仮想現実を作り出すヘッドマウント・ディスプレイOculus Rift。2016年の初めに利用開始が予定されているOculus Riftは、主にゲーム機での利用が考えられているようですが、「新しいコミュニケーション・プラットホーム」としての将来性に注目したFacebookの創業者マーク・ザッカーバーグは、昨年、製造メーカーのOculus VRを20億ドルで買収しました。大きな可能性を秘めたOculus Riftは、ビジュアルだけでなく音楽との接し方も変えてくれる存在のようです。ここでは、海外メディアFact Magazineの記事を基に、Oculus Riftが音楽においてどのような可能性を秘めているかについて紹介したいと思います。

出典:YouTube

ジェスチャー・コントロールによる音楽制作

Oculus Riftには、ジェスチャーでコントロールできるモーション・コントローラOculus Touchが用意されています。これまでは、任天堂のWiiリモコンなどをハッキングしモーション・コントローラとして使用されていましたが、Oculus Touchは、Wiiリモコンよりもはるかに多くのことができるようです。Oculus Riftには、ジェスチャーでAbleton LiveをコントロールできるシステムのPensatoが存在しているので、これらのシステムを使うことで、モーション・コントロールだけで音楽を制作することも可能になります。こちらの動画では、Pensatoを開発したBryon Mallettが、Oculus Rift、Ableton Live、独自に開発したという手袋型のコントローラを使ったパフォーマンスを見ることができます。

出典:YouTube

サラウンド環境でのライブパフォーマンス

これまでのライブ・パフォーマンスでは、そのほとんどがステレオで、オーディエンスはサウンドのほとんどを1方向からのみ聴いている状態でした。しかし新たなサウンドシステムの4DSOUNDや、オープンソースのEnvelopの登場により、ライブパフォーマンスでも3次元のサウンドを作り出すことができるようになり、Mark FellやGraeme Trusloveのようなサラウンドを駆使した音楽制作を行うアーティストも存在しています。

Oculus Riftのヘッドセットのヘッドフォンは、サラウンドに対応しているので、4DSOUNDやEnvelopなどのサラウンドのサウンドシステムと組み合わせることで、立体的な映像とサウンドでライブパフォーマンスを楽しむことができます。もしかしたら、クラブの入口で、Oculus Riftが手渡されるというイベントも珍しくなくなるかもしれませんね。こちらの動画では、4DSOUNDを使用したオーディオ・ビジュアルの世界を見ることができます。

出典:Vimeo

いつでもどこでも世界中のアーティストとコラボ

先日発表されたPro Toolsのクラウド・コラボレーションのように、世界中どこにいても他のミュージシャンやエンジニアと同じスタジオで作業するのと同じような環境を得られる時代が到来します。DAW上の作業であればパソコンの画面を眺めながらでも問題はなさそうですが、たとえばバンドのように楽器の演奏が必要な場合、パソコンの画面を眺めながらというのも物足りなさを感じるかもしれません。

しかし、目の前に仮想現実世界が広がるOculus Riftでは、自由に動いて演奏できるので、よりリアルな環境でコラボすることができそうです。マーク・ザッカーバーグが「新しいコミュニケーション・プラットホーム」としての将来性に注目してOculus VRを買収したことを考えると、Facebookを利用したコラボというのも現実味があるかもしれません。

VRを駆使した最先端のミュージックビデオ

Squarepusherの「Stor Eiglass」、Björkの「Stonemilker」など、革新的なアーティストは、すでにVRを用いたミュージックビデオ(以下、MV)を制作して公開しています。360°の世界で楽しむことのできるVRを使用したMVは、まだまだ発展途上で、Björk自身も「おそらく私たちはまだ、VRのための最高のツールを持ち合わせていない。」と語っています。

出典:YouTube

これまでは一方向のみの映像でよかったものが、人間の視界と同じ360°の映像が必要になってしまうVRでは、制作コストなどの問題はあるようですが、この革新的な技術は今後多くのアーティストがMVに使用する可能性があります。このような作品を楽しめためにはOculus Riftは必要不可欠です。実際に今年の5月に開催されたSquarepusherの来日公演の会場では、Oculus RiftなどのVRツールが用意された特設ブースが設けられ、オーディエンスに「Stor Eiglass」の全方位ヴァーチャルリアリティの世界を体験してもらうという試みも行われていました。

ここで紹介しているSquarepusherとBjörkのMVでは、動画の左に表示されているカーソルをクリックしてアングルを変えられますが、Oculus VRを使用することで、人間の視野と同様の世界が広がることになります。

出典:YouTube

動画コンテンツが充実する音楽配信サービス

Apple Musicや、Google Play Musicなど、日本でもサービスが開始された定額制の音楽配信サービス。これらのサービスでは、オーディオと共にMVも楽しむことができますが、たとえばApple Musicでは将来的に、これらをよりシームレスに楽しめるように、MVをアーティスト・カタログに統合することも検討されているようです。日本でのサービスは開始されていませんが、SpotifyではMVもプレイリストにインポートできる仕様が検討されています。また、高音質が売りのTidalでは、ユーザーに独占的なライブとその舞台裏の映像の配信も予定されています。

このように、各サービスでは、今まで以上に動画を楽しめるサービスを充実させることで、新たなユーザーの取り込みが図られています。このような流れを考えると、Oculus Riftと定額制の音楽配信サービスで、アーティスト目線でライブパフォーマンスを楽しむという時代が来るかもしれませんね。

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メーカサイトでOculus Riftをチェック

いかがでしたでしょうか?Oculus Riftを音楽的に使うことで、かなり未来的な音楽環境を得ることができるようですね。Björkも語っている通り、VRはまだまだ進化の途中にあります。しかし今後の技術的な進化とVRを駆使した斬新なアイデアの登場により、大きな進化を遂げるはずです。表現に新たな形を加えてくれるVRと、そのポテンシャルをフルに発揮するOculus Riftの今後の動向に注目が集まります。

引用元:Fact Magazine
画像出典:Oculus VR

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