世界中で日々開催されるクラブイベント。ここ最近のフェスブームにより、普段クラブに足を運ばない人でも、クラブミュージックのイベントは、何となくイメージできるかと思います。フェスなどの大きなイベントが注目されるのは当然ですが、そのジャンルやスタイルにより、大小様々なイベントが存在します。普段あまりフォーカスされることのない小規模サイズのイベントですが、その中には唯一無二の内容でオーディエンスを魅了するイベントも存在します。ここではリアルなクラブカルチャーを紹介するために、東京を拠点に開催されているクラブイベント「東京ドリームランド」の主催者の岡村瑛治さんに、その特徴的な内容と、主催者としてのモチベーションなどについて聞いてみました。
まずは、東京ドリームランドのこれまでの活動をまとめたイメージビデオをご覧ください。
出典:YouTube
オリジナルだけでライブが繰り広げられるコアなイベント
ーー東京ドリームランドって、イベントの名前としてはだいぶ変わっていますが、どんな意味が込められているんですか?
地元、横浜戸塚区に10年以上前にあった遊園地「横浜ドリームランド」から拝借しているんですが、インパクトのある名前に負けないくらいのエンターテインメント性あふれる内容で、音楽に対して縛りのない自由なイベントにしていきたいという思いから、そのように名付けました。
ーー東京ドリームランドは、どんなイベントなのですか?
「夢の共演。音の祭典。」をコンセプトに、「パフォーマンス+音楽」というのを軸にしています。見てて楽しいパフォーマンスだったり、組み合わせによって雰囲気の変わるアーティストだったり、スタイルの違うアーティスト達を混ぜることによって生まれる相乗効果。それに音を楽しむという音楽の基本を大事に、ジャンルなんか気にせず、新しい発見をして、笑顔になってもらえるようなイベントを心掛けています。
ーー「パフォーマンス+音楽」を大切にされているとのことですが、どのような内容で行われているんですか?
基本的には、打込み系のクラブミュージックのライブのみで構成されています。9/26(土)に開催する「東京ドリームランド二周年」では、4つのブースを使用して、出演者全員ハードウェアなどの機材を持ち込み、全てオリジナルの音源のみで、アーティストそれぞれの世界観を全面に押し出した内容を企画しています。
出演者のみんなには『感動させてくれ』と言ってます(笑)。
ーーこれまでに、どのような活動を行われてきたのですか?
これまでは、出演者全員機材持ち込みでライブだけのイベントを渋谷LOUNGE NEOで開催してきました。今年の2月にはclubasiaで、18時から翌朝6時までの12時間ぶっ通しの屋内フェス「東京ドリームフェスティバル」も開催しました。その他には、THA BLUE HARB Records主催イベントや、DRY&HEAVY主催イベントのフロアサポートなども行ってきました。
オーガナイザーに必要なのは好奇心と人間力
ーーどうして東京ドリームランドをスタートさせようと思ったのですか?
一昔前に比べたらDJを始めるのが本当に簡単になり、PCやネットの普及で、DJのトラックに対する思いや、ブースを前にした時の意識が変わっているのではないかと、常に考えていました。DJ=ファッションなんじゃないかと。。そう考え出したらきりがなくて、それなら自分で思うイメージを形にして、本気で音楽をやってる人が輝ける場所を作りたかったというのがきっかけです。
昨年末まで渋谷のclubasiaで働いていたので、僕個人は本当にたくさんのイベントに携わらせて頂きました。そのおかげで、たくさんの人や音楽に出会えました。その時出会ったのが、今もイベントを一緒にやっているaoub / TESTAV / TPSOUNDの3人なんです。
ーーイベントをオーガナイズされていて、印象に残ったシーンを教えてください。
考えていたアーティストの組み合わせ、流れがばっちりハマった時ですね。それと、来てくれた人が出演者のパフォーマンスに釘付けになって微動だにしない時。これは最高にやってやった感があります(笑)。あとはやっぱり、来てくれた人に「最高!!」「良かった!!」って言ってもらえるのは本当に嬉しいですね。
ーーイベントのオーガナイズって、どんな仕事があるんですか?
アーティストやクラブのブッキングや、イベントの企画や運営と言いたいところですが、正直雑務がメインです。イベントを企画して、アーティストとクラブをブッキングしてからがオーガナイザーとしての仕事がスタートする感じで、当日のリハーサル時間やタイムテーブルの調整や、アーティストやお客さんのケア、機材などの確認、クラブとの連携に関係者への連絡、もちろん趣味ではないのでお金の計算、集客に対する告知など、やること多すぎです(笑)。
ーーイベントをオーガナイズするのに大切なことってなんですか?
好奇心と人間力だと思います。何をしたらおもしろいか?どうしたら楽しいか?これらを日々想像してシュミレーションしています。そして、そのイメージを人に伝える国語力と熱意。自分の想像を正確に相手に伝えられることも、とても大切な要素だと思います。
オールスターチームを組んでお客さんと遊べるのが魅力
ーーイベントを開催するためには、企画が重要だと思いますが、毎回のイベントの企画は、どのようにして考えられているのですか?
まずは、自分の考えを人に話すことから始まります。いつも決まってaoubに聞いてもらってますが、そのように相談できる仲間はとても大切ですね。そこから、予算を基に、出演者の組み合わせなんかを紙に書き殴ってます。
ーーイベントをオーガナイズされていて、テンションが上がる時ってどんな時ですか?
イベントを企画してる時が最高潮です。いろんな人と「こんなことしたい、あんなことしたい」みたいな、夢物語を語りつつ(笑)。企画が決まって、フライヤーとして形になった時なんかも、そうですね。もちろん、イベント当日はテンション上がっていますが、イベント中はやることや考えることが多すぎて、イベントの規模が大きくなるほど、その内容は記憶に残らないという。。(笑)
ーーイベントをオーガナイズする魅力ってなんですか?
自分にとっては妄想を実現するのに、最も手っ取り早いというところが魅力です。自分だけのオールスターチームを作って、それを目当てに来てくれた人達と遊べる。選手ではなくて、監督になれる所がいいですね。スポーツでいうと、オリンピックの代表メンバーを選んでる感じですね(笑)。
ーー今後東京ドリームランドは、どのような活動を予定されていますか?
まずは今月9/26(土)に開催する「東京ドリームランド」2周年ですね!今回ゲストは呼ばず、この2年間で関わってくれた人達を集めたイベントになってます!この2年間の成長を披露するために開催するので、個人的にはとても楽しみです!
あとは、来年3月に「東京ドリームフェスティバル2016」を開催する予定です。このイベントはclubasia /vuenos /GLAD /LOUNGE NEO の4店舗での開催を予定していて、前回よりも格段に規模感が大きくなるので、今から気合い入れて動いてます。今後も形はどうあれ、多くのイベントに携わって、そのなかで自分という存在を出していきたいと思っています。
クラブイベント=DJというのが一般的なイメージだと思いますが、「東京ドリームランド」では、出演アーティスト全てが、機材を持ち込みオリジナルのトラックだけでライブパフォーマンスが行われます。バンドカルチャーでは当り前のことですが、国内のクラブシーンにおいて、ライブパフォーマンスのみで構成されるイベントはかなり珍しい存在です。
海外では、DJがトラックを作るのは普通ですが、日本ではまだまだその人口は少ないのが現状です。今後、国内でもトラックメーカーが増えて、東京ドリームランドのようなライブ主体のイベントがより多く開催されて、日本のクラブシーンが大きく進化していくことを強く望みます。いわゆるクラブイベントとは一線を画す東京ドリームランドで、その場でしか生まれないクラブミュージックを体験してみてはいかがでしょうか。
東京ドリームランド
日時:2015年9月26日(土) 23:00 start
場所:Lounge NEO http://loungeneo.com/venue/
料金:DOOR ¥2,000(ドリンク別) WF ¥1,000(ドリンク別)