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Taurus Scott インタビュー Vol.2

インタビューVol.1では、1stソロ・アルバム「TAURUS SCOTT」のテーマや制作方法について語ってくれたトーラス。Vol.2では、DJ/プロデューサーだけではなくエンジニアとしての視点についても迫ってみた。

エンジニアのバックグランドによって自分の音を探せる

あなたはエンジニアでもありますが、アルバムのマスタリングも自身で行ったのですか?

僕はやってないよ。全部ダディ・ケヴ(*LOW END THEORY主催者)がやってるんだ。そりゃ彼が1番だからだよ!ベストだからね(笑)!僕のHELLFYREレーベルとかケヴのALPHA PUPレーベルは家族みたいで、やっぱその中でナンバーワンはダディ・ケヴだね!文句なし!

トラック制作においてインスパイアされる要素は何ですか?

僕はLOW END THEORY自体がインスパイアされる要素だと思う。毎週水曜日に行ってるもんだから、LOW END THEORYに出てるアーティストにいつも刺激を受けているね。いますぐにでもLAに戻ってトラック・メイキングしたいもん(笑)!

エンジニアとしての知識は楽曲制作においてサウンド・デザインや音の定位などあらゆる点で優位に働くかと思いますが、やはりその点は活かされていますか?

もちろんだね。エンジニアリングをすることによって自分の「音」を探せるんだ。僕もいろんなアーティストとか音楽をやっている人たちを見てきてるけど、ほとんどがエンジニアのバックグランドを持っていないんだよね。僕はエンジニアの学校に通ったからね。そりゃ、活かさないと意味がないよね(笑)。

ソフトウェアの普及により、だれでもミックス・マスタリングが行える状況ですが、ミックス・マスタリングはより専門的な知識を必要とするために、どのように行ってよいのか悩んでいるクリエイターは多いと思います。HipHop、Dubstepなどのビートやベースを主体とする音楽におけるミックスのヒントを教えて頂けますか? 

ミキシングに関しては猛練習することだね。エンジニアリングの本を読んだり、あとは音楽学校でそれについて勉強をして知識を身につけること(笑)!だれでも安いソフトウェアを購入して音楽は作れるけど、やっぱりエンジニアのバックグランドがあるかないかで差は出るし、音質とか音の定位ってそれによって変わってくるからね。

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TRAKTORとMASCHINEの同期はサウンドとエフェクトの組み合わせが自由

パフォーマンスではTRAKTOR KONTROL S4とMASCHINEを巧みに使用していますね。

ライブでは、両方使っているんだ。

KONTROL S4とMASCHINEでどのようにTRAKTORをコントロールしているのですか?

S4は主にミキサーとトラックにキューポイントを打つために使っているよ。MASCHINEではTRAKTORのキュー・ポイントをコントロールするんだ。僕の場合、MASCHINEがメイン・コントローラだね。

ライブではどのようなトラックを使っているのですか?

ライブでは、自分の曲かMy homies(*友達)の曲とかをプレイするのが好きだね。

パフォーマンスではTRAKTORのエフェクトを多用していますが、TRAKTORエフェクトはお気に入りですか?

そうだね。特にBeatmasher2が好きだね。

あなたの楽曲にはBeatmasher2は最適なエフェクトですね。Beatmasher2を駆使して、現代のダブ・ミックス的なプレイ・スタイルと言うことですね?

Beatmasher2を使うと不思議とみんなが釘づけになるんだ。お客さんの反応がいいよね。

その他にTRAKTORのお気に入りのポイントをいくつか教えてください。

僕の場合、コントローラーにMIDIをマッピングしていて、パッドにいろんな音をアサインしているから、それとエフェクトのいろんな組み合わせができるんだ。そこがいいよね。エフェクト以外でTRAKTORの何が好きかと言ったら、CDJとリンク(*連携)するのが簡単って言うところかな。時々ギアを変えたくなるんだけど、そう言ったときにすごく簡単だよね。だって、ただUSBをさすだけだもん(笑)。

パッドにサウンドをアサインしていると言うのは、MASCHINEソフトウェアにアサインしたサウンドと言うことですか?

そうだね。トラックを制作するときに、いろんなサンプルをブラウズするんだけど、いいサンプルが見つかったらすぐにアサインするんだ。16個全てのパッドが埋まるまでね。

TRAKTORMASCHINEは、それぞれを同期させているのですか?

SYNC(同期)させて使うのは好きだね。特にエフェクト。なんと言ってもパフォーマンスしてるときは、色んなことが同時に起こってるからSYNCの機能は助かっているね。でも、曲にもよるかな。曲によってSYNCさせたら「これはなんか変なサウンドだ」ってケースもあるから、そういう時はビートで合わせるよ。

DJプレイはどのように行っているのですか?

特に決まったルーティンとかはないんだけど、かけたい曲全てを一つのプレイリストに入れて、その場でどの曲がどういう風にフィットするかってとこかな。インプロバイゼーション(アドリブ)してパフォーマンスするのが好きなんだ。

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その場のバイブやフィーリングをパフォーマンスに活かしている

音楽制作とDJそれぞれで心がけていることは何ですか?

制作で一番心がけているのは、ドラムを完璧にすること!それに加えて、EQもちゃんとシチュエーションに合わせて使うこと。やっぱり僕はドラムがしっかりしてないと、トラック制作が全く進まないんだ。

 DJの場合は、オーディエンスの表情から心までを読む(その場の空気を読む)というのが大切で、僕がかけている曲にちゃんとのってくれているかどうか確認することを心がけているよ。会場の皆のバイブやフィーリングを受け、僕はそのバイブやフィーリングそのものをパフォーマンスに活かしているんだ。

アメリカにおいてLOW END THEORYで聴かれるような音楽の盛り上がりはいかがですか?

アメリカはとにかくエネルギッシュ!!そして何より、オーディエンスの愛情がこもっている!!本当に今までパフォーマンスしてきた中で、LOW END THEORYのオーディエンスとその盛り上がりは過去一番と言っても言い過ぎじゃないね。僕はあの場の雰囲気が好きだよ。本当にエネルギッシュで楽しそうに踊っているのは見ていて心地いいよね。

あなたは、エンジニア、クリエーター、DJとして日々多くのアーティストと接していると思いますが、アメリカのクリエーター、DJの使用機材や制作環境の流行を教えてください。

僕の周りにはAbleton/LiveとLogicを使っている人が多いね。彼らにとってはそれが一番みたいだね。たぶん沢山の人がAbleton/Liveを使う理由って、やっぱりオールインワンだからだと思う。あと、自分のビートをプログラム上に作成して、演奏できるから便利っていうところかな。

でも最近アメリカではMASCHINEの人気が出てきているのは間違いない!

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この日は、パーティが始まる前にLOW END THEORYの主催者ダディ・ケヴとトーラス・スコットをゲストに迎え、ラップトップ・パフォーマンス・セミナーが開催された。 セミナーでは、両者がラップトップを使用したパフォーマンスを披露し、自身のスタイルについて説明。

その後行われたセミナー参加者との質疑応答では、制作やパフォーマンスについての技術的な質問や、LOW END THEORYの成り立ち、表現者としての姿勢についてなど、幅広い質問が交わされた。

全ての質問に対して真摯に回答するダディ・ケヴとトーラス・スコットの姿勢には、音楽とLOW END THEORYをサポートしてくれる人々への愛情を強く感じた。

アーティストの技術的な部分から精神的な部分までを体感できる場はそう多くはないが、このセミナーでは表現者に対する多くの刺激が存在している。

次回開催時には、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。

TAURUS SCOTT
独学でドラムとピアノを、音大でエンジニアの技術を学び、DEF JAM副社長マイケル“シャー・マネー”クレアヴォワに見出され、若くしてGユニット・レーベルのプロデューサー&エンジニアになる。その後ロサンゼルスに拠点を移して、Low End TheoryをはじめダブステップやエレクトロニカのイベントにもDJとして出演。ユニークなサウンドを作り出す新たな才能として注目されているプロデューサー/DJ/エンジニア。

Photo : HIDEO SEIKI
Interpretation & Translation : Saki Asami (Native Instruments Japan)

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