良い音で音楽を楽しむためのスピーカー設置ガイド

知っているようで意外と知らないスピーカーの設置方法。ここでは、スピーカーから最良のサウンドを引き出すための設置方法を紹介します。

全帯域が均一に再生される場所を探す

スピーカーをどこに配置するかは、スピーカー自体の性能の次に大切な要素です。スピーカーを壁の近くに設置すると、低音が強調された詰まった感じのサウンドになります。より解像度の高いサウンドで音楽を楽しむためには、スピーカーを壁から離して、部屋の角に設置してください。低音があまり出ないスピーカーの場合にはこの性質を上手く使うこともできますが、低音が十分に出るスピーカーや、ダンスミュージックなどの低音が強めの楽曲を聴く場合には、低音が過剰に鳴らないように気をつけましょう。

speaker-placement-4

スピーカーの最適な配置場所を見つけるためには、スピーカーを壁から徐々に離していき、低音、中域、高音のバランスが均一になる場所を探してください。この際に、様々なタイプの音源を使うことをオススメします。具体的には、スピーカーを壁から10cmづつ離していき、ベースの鳴り方が落ち着く位置で微調整を行ってください。ベースを強調したい気持ちもわかりますが、モコモコとした解像度の低いベースラインでは意味がありません。

スピーカーの向きと高さを調整する

配置場所の次に大切なのが、スピーカーの向きと高さです。スピーカーは自分の耳の位置に来るように設置してください。スピーカーを自分の耳の方に向けて、スピーカーの角度を微調整をしていきます。スピーカーが正確に自分の方を向いていると明瞭なサウンドになります。一般的には2つのスピーカーが向いている方向に仮想線を引き、それが自分の頭の前か後ろの位置で交差するように設置します。

speaker-placement-1

サウンドが硬すぎる場合には、スピーカーを壁に近づけたり、仮想線が自分の目の前で交差しないように設置してください。それでも上手くいかない場合は、カーペットを敷いたり、ソファを配置するのも良いかもしれません。

音楽をスイートスポットで楽しむ

「音像」とはステレオの音声が作り出す現象で、歌い手や楽器の演奏者が、自分の目の前にいるかのような体験を作り出します。これは音楽において不可欠なものではありませんが、特別な体験を与えてくれることは間違いありません。スピーカーの、いわゆるスイートスポットと呼ばれる位置に座り、目を閉じると、あたかも自分の目の前でシンガーが歌っているような、特別な三次元空間が完成します。

speaker-placement-2

基本的にスイートスポットは、スピーカーの正面で、ちょうど2つのスピーカーの間に存在します。もしも音像が整っていない場合は、スピーカーの角度を調整してください。スピーカーにグリルが付いている場合は、外したほうがクリアーなサウンドを得られます。

不必要な振動を抑える

レコードプレイヤーは小さな振動も拾ってしまうので、ターンテーブルを安定させて、余計な振動を拾わないように設置する必要があります。例えばスピーカーをレコードプレイヤーの近くに設置してしまうと、スピーカーの振動がレコードプレイヤーに影響を与えて、正常に動作しなくなってしまいます。そのため、ターンテーブルはスピーカーから離して設置してください。

求める音に合わせたアクセサリーを選ぶ

スピーカーとスタンド、もしくは床との間に、何を置けば良いのかという論争が長い間行われてきました。昔は棘状の金属を置くのが良いと考えられていましたが、最近ではあまり良くないということがわかってきました。

スピーカーと設置面を完全に遮断することが重要で、そのためにはゴムやスポンジのような振動を吸収する素材を使うのが良いようです。Townshend Audio社が販売しているような特殊なスタンドを使うのもありです。この効果は、スピーカーが大きくなるほど顕著に現れます。

speaker-placement-3

スピーカースタンドには様々なサイズや種類があり、金属製や木製のものが一般的ですが、素材によってサウンドも異なります。重いスタンドほど硬い音がするといわれています。引き締まったサウンドを求めるの場合は、重い金属製のスタンドを使用すると良いでしょう。また、スピーカーとスタンドの間に何を使用するかによってサウンドへの影響も異なります。例えば、スポンジやそれに類似する素材を使うと、スタンドの持つキャラクターの影響は小さくなります。

最も手軽に効果が求められる方法

スピーカーをソファーから離したり、本棚から出したりと、もっと良い場所に設置することで、サウンドは驚くほど良くなります。それがサウンドを改善する、最も手軽な方法です。

引用元:The Vinyl Factory
トップ画像出典:Foter
画像出典:The Vinyl Factory