このコラムを担当するKoyasです。普段はレーベル運営してライブやDJをやりつつ、昨年からAbleton認定トレーナーとしてLive関連の講師やら機材系の雑誌のライターなどもやっています。よろしくお願いいたします。
今年はArp OdysseyやProphet-6, KORG SQ-1など、アナログシンセを中心に熱い新製品が登場しています。ビンテージシンセ相場は高騰し、欧米ではレコード盤の生産が年々倍に増え、ハードウェア回帰の流れを感じます。
ただ、その前はソフトシンセの時代が来るなんて言われていた気もしたような…。歴史を振り返ることでその先に未来が見える。今回はソフトシンセの歴史をざっくり振り返ってみましょう。
ソフトシンセ時代の幕開け
一般ユーザーにソフトシンセが普及したのは、Roland TB-303とTR-808をエミュレートしたPropellerheads RB-338が登場して、SteinbergがVSTiの規格を策定した1999年。最初のVSTiはCubase付属のNeonで、今聞くと郷愁をそそるサウンドですが、当時の僕は「Macが楽器になる!」とワクワクしたものでした。翌年にはビンテージシンセProphet-5をエミュレートしたNative Instruments Pro-Fiveが登場してソフトシンセ時代の幕開けとなります。
ジャンルに影響を与えたソフトシンセ
ソフトシンセは高機能・大容量化が進んで音質が向上し、RB-338の親分=Reasonも登場します。2005年に登場したNIのMassiveはDubstepのベースサウンドを生み出しました。YouTubeに音作りのチュートリアル動画がアップされるようにもなりました。
出典:Native Instruments
専用コントローラの登場
ソフトシンセに変化が起きたのは2009年。NIからソフトウェア音源を専用コントローラで演奏するMaschineが登場しました。PCの画面を見なくて済むフィジカルな操作感が好評で、Arturia, AKAI Professional, Abletonなど他社も続きます。この頃iPadも登場しました。
出典:YouTube
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進化の果て〜そしてアナログへ
こう見ていくとソフトシンセはかなり進化しているのですが、構造はより複雑でプリセットの数も膨大になり、情報過多なPCの存在がストレスに感じることもあります。PCに頼ること無くサウンドのオリジナリティーや生々しさ・フィジカルな操作感を求めるのなら、アナログシンセに行き着くのも納得です。
これからのトレンドはこうしたハードウェアとPCをいかに上手く組み合わせるかということかもしれませんね。というわけでまた次回もよろしくお願いいたします。