エレクトロニック・ミュージックの制作に最適なAIRAシリーズのハブ的存在「MX-1」。MX-1は、シンセ、DAWなどの音源を入力してDJ感覚でライブ・パフォーマンスできる新感覚のミキサーです。豊富な入力系統はAIRA LINKと呼ばれるUSBケーブルでの接続も可能で、最新のアップデートにより対応機種も増えました。ここでは、新たにAIRA LINKに対応した話題のアナログ/デジタル クロスオーバーシンセ「JD-Xi」とMX-1のコンビネーションで、どんなパフォーマンスができるようになるのかを紹介したいと思います。
多彩な入力でライブ機材をスリムに
ライブ用の機材のチョイスって迷いますよね?機能性と実用性を重視して、なるべく荷物を少なくしたいと考えますが、理想どおりのライブセットはなかなか見つからないものです。ライブのスタイルによって求められる要素は異なりますが、多入力のMX-1は、数台のハードウェア・シンセとパソコンを組み合わせてライブするスタイルに良さそうです。
MX-1のリアを見てみると、6つのアナログ・インプットが搭載されていて、これならステレオで3台までのシンセやドラムマシンを入力できます。USBポートも搭載されているので、パソコンと接続してDAWなどのオーディオ・インターフェイスとしても使えます。
これとは別に4つのUSBポートが搭載されていますが、これがAIRAシリーズとUSBケーブル1本だけでオーディオとMIDIをやり取りできるAIRA LINKという機能に対応したポートになります。通常、3本のケーブルが必要なところを1本にできるのは、荷物も減って忘れ物対策にもなりそうです。
AIRA LINKを搭載したMX-1は、ハード・シンセとDAW、TR-8、TB-3、SYSTEM-1などのAIRAシリーズ、そして新たにAIRA LINKに対応したJD-XA、JD-Xi、FA-06、FA-08など人気の高いRolandシンセを組み合わせて使うと最強のセットアップになるという訳ですね。
しかもMX-1には、フィルター、ディレイなどのエフェクターが搭載されているので、入力したサウンドにエフェクトを加えることができます。これで、別途エフェクターを持っていく必要もありません。
聴きたいチャンネルは、セレクト・ボタンで選択してプレビューできるので、エフェクター内蔵のDJミキサーでライブ・パフォーマンスするような感覚です。
それでは、新たにAIRA LINKに対応したJD-XiとMX-1を使って、実際にどんなパフォーマンスができるのか見ていきましょう。パフォーマンスには、次のJD-Xiのデモパターンを使用します。
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ボタンを押すだけで幅広い変化を生み出せるBEAT FX
MX-1には、ステップ入力でエフェクトの効果をコントロールできる、フィルター、サイドチェイン、スライサーの3つのBEAT FXが搭載されています。MX-1に入力したJD-Xiのサウンドにスライサーをかけると、サウンドがスライスされて再生されます。
ステップを入力するだけでスライスするタイミングを変えられて、元のトラックとは異なるグルーヴを持ったトラックが表現できます。
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はずさないMASTER FXでクリエイティビティをプラス
MX-1には、さらにもう1系統のエフェクターMASTER FXとして、ディレイ、フィルター、スキャッター、フランジャー、ビットクラッシュ、ロールの6つのエフェクトが搭載されています。MX-1に入力したJD-Xiのサウンドにディレイを加えると、トラックの緊張感が増し、テープエコーのようにダブミックスすることもできます。
AIRA LINKならMX-1とJD-Xiが同期してくれるので、ディレイのフィードバックも完璧にシンクします。ウェットな質感もいい感じで、ライブでも重宝しそうな使い易いディレイです。
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次にAIRAを代表するエフェクトのスキャッターを使ってみます。スキャッターをオンにしてセンターのノブを回すだけで、トラックをリミックスさせることができます。
この手のエフェクトはトラックとシンクしないとかっこいい効果を得られないのですが、AIRA LINKで同期しているので違和感なくトラックを変化させられます。
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いかがですか?MX-1に搭載されているエフェクトは簡単な操作で新たなサウンドを生み出すことができるので、パフォーマンスにも積極的に使えます。しかも、設定したエフェクトやミキサーのパラメータはシーンメモリーに保存できるので、いつでもどこでもこだわりの設定をロードしてライブできます。USBケーブル1本だけで大丈夫なAIRA LINKも現場が考えられていて、ライブでのセッティングをスムーズにしてくれます。
ここで紹介したJD-Xiの他にも、JD-XA、FA-06、FA-08、JUPITER-80、JUPITER-50、JUNO-GがAIRA LINKに対応したので、AIRAシリーズとの組み合わせで、ライブセットの効率化を図るのもいいかもしれません。
画像出典:Roland