DAWソフトウェアのReason 9.5がリリースされ、ついにVSTプラグインに対応!これで、Native InstrumentsやWavesなどのVST対応プラグインが使えるようになりました。
Reasonをご存知の方なら驚きのVSTプラグインへの対応。ここではReason 9.5の内蔵音源とVSTプラグインを使用して簡単なトラックを作成し、進化したReasonのポテンシャルをチェックしてみたいと思います。
手軽さに柔軟性をプラス
Reasonは、CubaseやLiveなどの一般的なDAWとは異なり、ハードウェア機器のようにシンセやサンプラー、そしてエフェクトをラックに組み込んで使うところが最大の特徴です。
Reason 9.5には、9つのインストゥルメントと25個のエフェクトが内蔵されており、さらにPropellerheadショップで販売されているインストゥルメントやエフェクトなどのRack Extensionを追加していくことも可能です。
これに加えてお好みのVSTプラグインも使えるようになったReason 9.5。これまでは、他社製品を使わずにReasonだけでトラック制作を完結できるという手軽さで人気でしたが、これで本格派DAWの仲間入りを果たしました。
TR-808風なリズムマシンを使ってビートメイク
それではビートメイキングから始めていきましょう。Reason 9.5には16個のパッドを使ってMPCのようにビートを作れるKong、名器TR-808のようなドラムマシンRedrum、そしてクリエイティブなビートも作れるループ・プレイヤーのDr. Octo Rexが装備されています。早速VSTプラグインを使いたいところではありますが、内蔵されているドラム系の音源も素敵なので、まずはReason 9.5内蔵のドラムマシンRedrumを使って、ビートを作ります。
さらにReason 9.5には、各ドラム音源で使用可能なジャンル別のプリセットキットが装備されています。ここではRedrum用のプリセットキット”Electronic Kit 4″を使って、ビートメイキングしてみたいと思います。
さすがはTR-808系のドラムマシン。ステップボタンを使ってスムーズにビートを作成できます。またRedrumはサンプラーなので、お好みのサンプルをロードして使うことも可能。本家TR-808の操作性はそのままに、多彩なビートメイキングが可能です。
VSTプラグインとお手軽プレイヤーでメロディー制作
次にメロディーパートを作ります。いよいよVSTプラグインの登場です。ここではNative InstrumentsのFM8のプリセット”Blue Poles”を使って、シンセパッドのパターンを作ります。シンセの演奏には、Reason 9.5内蔵のプレイヤーデバイスScales & Chordsを使用します。Scales & Chordsを使うと、常にキーに合った演奏でアウトスケールせず、指一本でコードを演奏することもできます。
動画では、MIDIでFM8を録音した後にノートを編集。さらにFM8の内部エフェクターChorus/DelayのModulation RateをMIDIコントローラにアサインしてオートメーションを記録し、サウンドに揺らぎの効果を加えています。
動画でも使用していますが、Reason 9.5にはオンスクリーンピアノキーが装備されています。オンスクリーンピアノキーを使うと、PCのキーボードで音階の演奏が可能になります。音階がどのPCキーボードにアサインされているか視覚的にわかりやすく、とても使いやすいので、外出先での制作やライブパフォーマンス時に、MIDIキーボードを持ち運ぶ必要もなさそうです。
アルペジエーターでノリのあるベースを作る
最後にベースのパートを作ります。ここではReason 9.5に装備されているSubTractorのプリセット”Reason Bass”を使います。ベースの演奏には、Reason 9.5内蔵のアルペジエーターDual Arpeggioを使用します。Dual Arpeggioには、2基の独立したアルペジエイターが装備されており、一般的なアルペジエイターに比べてクリエイティブなパターンを作成できます。
動画では、Dual Arpeggioを作動させるためにMIDIを録音してノートを編集。Dual Arpeggioのプリセットパターンを変更して新たなパターンを作成して、ベースを演奏しています。
Dual ArpeggioとSubTractorを組み合わせることで、Rolandの名機TB-303のようにベースを作成できました。Reason 9.5にはSubTractorの他に、セミモジュラーシンセのThor、ウェーブテーブルシンセサイザーのMalströmが装備されており、Dual Arpeggioと組み合わせて、多彩なパターンを生み出せそうです。
VST対応だから好みのエフェクトが使える
それでは作成したトラックにエフェクトを加えて、簡単なパフォーマンスをしてみたいと思います。ここでは、Sugar BytesのマルチエフェクターTurnadoを使って遊んでみましょう。
動画では、ビート、ベース、メロディーの各トラックの音をセンドでTurnadoに送っています。Reason 9.5のミキサーは、卓ミキサーをそのままソフトにしたような感じで、とても使いやすく多彩なオーディオ・ルーティングも可能です。
今回はVSTがテーマなのでSugar BytesのTurnadoを使用しましたが、もちろんReason 9.5にも多彩なエフェクトが装備されています。リバーブやディレイなどの空間系、サウンドを破壊する歪み系、音の作り込みに最適なフィルターやLFOなどのクリエイティブ系、そしてマスタリングには欠かせないコンプやEQなどのマスター系などなど。楽しみは尽きませんね。
クリエイターの気持ちを理解したDAW
今回初めてReasonを使用しましたが、クリエイターの気持ちをよく理解したソフトウェアだなと感じました。ミキサー、ラック、シーケンサーと縦に並ぶUIはとてもわかりやすいですし、欲しいところに各メニューが配置されていたりと、細かな気遣いがなされています。
また、ラックに挿入した音源やエフェクトなどはリアパネルを表示させることができ、ハードウェア機材のように機材同士を結線することも可能です。どのDAWにも無い、このおもしろ機能は、音のルーティングがとても簡単で、ハードウェア機材の勉強にも最適です。
まだまだ紹介しきれない機能が満載ですが、PCで手軽に音楽を作りたいという方には、特にオススメ!Reason 9.5には、30日間無償で利用可能なデモ版が用意されているので、是非チェックしてみてください。
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- Reason 9.5を使用するには、Reason 9が必要です。
- Reason 9を購入し、オンライン認証を行うと、ソフトウェア内で無償アップデートが可能となります。
- すでにReason 9を使用されている方は、Reason 9.5の無償アップデートの対象となります。