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CULTURE

ポップミュージックの最重要年は「1964年」。遺伝子情報から分析する音楽史における科学的研究

時代とともに変わり続けるポップミュージックは、どのように進化してきたのでしょうか?ロンドンの科学者チームが、人間の音楽に関する遺伝子情報を元にした独自のデータ分析から、アメリカのポップミュージックにおける歴史的な転換期についてまとめた論文が、科学系のブログメディア「Physics arXiv Blog」に投稿され注目されています。

科学者チームは、1960年から2010年までに発売された17,000以上のヒットソングから、楽曲の音色やハーモニクスを分析して異なる8つのグループに分類しました。さらに独自のアルゴリズムを用いて音楽を細かく区分して、各グループが時代と共にどのように変化してきたかを分析しました。その結果「1964年」「1983年」「1991年」は、ポップミュージックの歴史にとって大きな転換期であったことが分かったようです。

pops-origin-3出典:Foter

1964年といえば、1960年代に世界的な社会現象となったイギリスのバンド「ビートルズ」を思い浮かべてしまいますが、海外メディアの「Smithsonian.com」で紹介されている科学者チームのコメントでは、音楽評論家により熱く議論された問題、イギリスのバンドがアメリカの音楽シーンに与えた影響について述べられています。

音楽評論家の間では、ビートルズやローリングストーンズのようなイギリスのバンドが、60年代初頭のアメリカの音楽シーンに与えた影響について熱く議論されました。そして1964年のアメリカにおける音楽スタイルの変化は、イギリスの音楽の影響によるものではないと結論づけられています。

データからビートルズが1964年にアメリカで人気を得る以前から音楽スタイルの変化は見られますが、イギリスのバンドがアメリカの音楽スタイルの変化において重要な役割を担ったことは確かです。

pops-origin-3出典:Foter

この研究で科学者チームが用いた人間の音楽に関する遺伝子情報を元にした分析方法は、他の研究者たちにも活用されていて、この手法から歴史的な作曲家たちの健康状態と音楽トレンドの関係性についての研究も進められているそうです。今年の始めに、ある医療研究者と音楽研究者のグループがベートーヴェンの音楽を分析した結果、ベートーヴェンが心臓に不整脈を患っていたという学説を発表しました。人間の心拍数は音楽のテンポやリズムに影響を与えると言われています。もしもベートーヴェンが、心拍数が安定しない不整脈を患っていたとすれば、そのことが彼の独特なリズムに影響を与えていたかもしれないとのこと。

pops-origin-2出典:Foter

時代を映す鏡として幅広い人々に訴えかけるポップミュージックは、様々な文化や価値観の融合を繰り返しながら現代の形へと進化してきました。「1964年」「1983年」「1991年」の時代背景を思い浮かべながら当時の音楽を聴いてみると、また新たな発見や魅力が芽生えるかもしれません。

トップ画像出典:Foter
引用元:Smithsonian.com

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