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GEAR

超コンパクトで注目のシンセ『πλ²(ピーエルスクエアド)』の実力はいかに?

4.5cm四方の超コンパクトなボディにオシレータやフィルターを搭載した話題のシンセサイザーπλ²(ピーエルスクエアド)。

最近ではKORGのVolcaシリーズやlittleBitsのSynth Kitsなどコンパクトなシンセサイザーが浸透しており、これらのシンセサイザーはガジェットとして多方面に取り上げられることで、一般的にも注目が高まっています。

出典:youtube.com

πλ²もそのサイズ感とプライスからガジェット・シンセとして高い注目を集めており、その仕様について気になる方も多いと思います。今回はそんなπλ²の魅力をお伝えしていきます。

πλ²の使用方法

IMG_8477_s出典:Dirigent

πλ²のサイズは45(W)x 27(H)x 45(D)mmで、重さは30gと、コンパクトさを追求したシンセサイザーなので、サウンドをトリガーする鍵盤や、サウンドの編集を行うパラメータ・ノブなどは一切搭載されておらず単体では作動しません。

πλ²のコントロールには、外部MIDIキーボードやコントローラをMIDIケーブルで接続する必要があります。

IMG_8471_s出典:Dirigent

MIDIキーボードを接続するだけですぐにサウンドを発音することはできますが、シンセサイザーの醍醐味のエディット・コントロールにはそれなりの知識を要します。

πλ²のエディット・コントロールは、πλ²のパラメータと接続したコントローラのノブやボタンのMIDIノート・ナンバーを一致させることで可能となります。

コントロール可能なMIDIメッセージについては、付属のマニュアルや国内正規代理店のDirigentのウェブ・ページで紹介されているので、そちらを元に設定を行ってください。
MIDIノート・ナンバーを理解することで、さらにπλ²を楽しむことができます。

ほとんどのMIDIコントローラでは、オリジナルの設定情報をユーザー・プリセットとして保存できるので、一度πλ²用のプリセットを作成することで毎回設定する手間も省けます。πλ²と言うよりは、MIDIコントローラの使用方法をきちんと把握することが大切ですね。

πλ²のストラクチャ

πλ²は2つのオシレータ、4つのウェーブ・フォーム、32個のプリセット・サウンド、32個のユーザー・プリセットを内包しています。

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搭載されている機能は、音色の調整を行うロー・パス、バンド・パス、ハイ・パスの3つのデジタル・フィルターと、ロー・パスのためのアナログ・フィルター、パルス幅を変調するパルス・ワイズ・モジュレーション、MIDIクロック・シンクに対応したロー・フリーケンシー・オシレータです。

同時発音数は2ボイスのポリフォニックとなっており、出力には1つのRCA端子が搭載され、サウンドはモノラルで出力されます。

上の図ではπλ²の内部構造を簡単にまとめ、信号の経路を表しています。

オシレータ

シンセサイザーの心臓部とも言えるオシレータにはOSC 1とOSC 2の2つのオシレータが搭載されています。

波形タイプを選択するWaveformでは、4つの波形から選択を行えます。WaveformパラメータはOSC 1とOSC 2で共通で、1つのWaveformパラメータで2つのオシレータの波形を選択します。

波形の幅をコントロールするPWM(パルス・ワイズ・モジュレーション)は、PWM 1とPWM 2の2つのPWMが搭載されており、PWM 1はOSC 1をPWM 2はOSC 2のPWMをコントロールします。また、PWM 1&2と言うパラメータも搭載されており、このパラメータではPWM 1とPWM 2を同時にコントロールできます。

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一般的なシンセサイザーのWaveformとPWMは各オシレータに対して個別の設定を行いますが、πλ²ではWaveformとPWMはOSC 1とOSC 2に対して共通のパラメータが搭載されているので、より簡単に音色作りを行うことができます。

また、一般的なシンセサイザーのエンベロープはフィルターの後に配置されることが多いのですが、πλ²ではオシレータの直後にエンベロープが挿入されています。これもπλ²の特徴の1つですね。

フィルター

シンセサイザーの音色作りにおいて最も影響を与えるフィルターには、ロー・パス、バンド・パス、ハイ・パスの3つのデジタル・フィルターと、ロー・パスのためのアナログ・フィルターが搭載されています。

ロー・パス・フィルターでベースを、バンド・パス・フィルターでリードのサウンドを作成してみましたが、πλ²のフィルターはいい意味で派手さがなく扱いやすいフィルターだなと感じました。

pl2-3シンセ・ベースにおいては、フィルター・カットオフを低い周波数帯に設定するほどサウンドがぼやけてしまい、もう少し深いベースが欲しいのに出せないと言うことがありますが、πλ²のフィルターは低い周波数帯でもしっかり調整できるので、幅広いタイプのシンセ・ベースの作成が可能です。

これは、デジタル・フィルターの後に搭載されているロー・パス・タイプのアナログ・フィルターが非常にいい仕事をしているからです。デジタル・フィルターで調整したサウンドにアナログ・フィルターを通すことで、アナログ特有の厚みのある落ち着いたサウンドに仕上げてくれます。

さらにアナログ・フィルターはサウンドの定位を立体的にコントロールできるので、サウンドの最終的な調整には最適です。アナログ・フィルターはカットオフ・パラメータのみをコントロールするだけなので、非常に簡単に効率よくサウンドを調整できます。

LFO

pl-4サウンドに動きを加えるLFO(ロー・フリーケンシー・オシレータ)は、PWM、ピッチ、フィルター、アンプに対して使用できます。LFOはモジュレーション・ホイールのパラメータで一括してコントロールします。

LFOを加える場合は、PWM、ピッチ、フィルター、アンプそれぞれのオン・オフを切り替えて、モジュレーション・ホイール・パラメータをコントロールします。

たとえば、フィルターにLFOを加えてコントロールを行う場合は、LFOモジュレーションのFilterのみをオンにして、モジュレーション・ホイール・パラメータをコントロールします。

LFOはモジュレーション・ホイールのパラメータで一括してコントロールできるので、たとえばPWMとPitchとFilterを同時にコントロールすることも可能です。

πλ²のLFOは細かい設定には向いていませんが、複数のモジュールに対して一括してコントロール可能なので、ライブ時のアクセント付けには最適です。

まとめ

ここまではπλ²の構造を中心に説明を行ってきましたが、やはり一番気になるのはサウンド・クオリティですね。

色々と試してみた結果、πλ²のサウンド・クオリティは十分に満足いくものだと感じました。例えるならば、NovationのBass Stationのサウンドに近い感じです。πλ²のプライス(¥12,000前後)を考えるとコストパフォーマンスは非常に高いです。

現在ではパソコンでの音楽制作が主流ですが、特にベースのサウンドはソフト・シンセではなかなか物足りなさを感じてしまいます。このように感じて新たにベース用のソフト・シンセを購入するのであれば、πλ²をベース用のシンセとして導入する方が賢い選択ではないかと思います。

シンセサイザーあるあるとして、プリセットから複数のパラメータを調整してオリジナルのサウンドを作ってみたものの、結局はプリセットのサウンドの方が良かったということがありますが、πλ²はシンセサイザーでの音色作りにおいて中心的な機能を果たすパラメータには、複数のパラメータを一括してコントロールできるパラメータが搭載されているので、簡単に音色作りを楽しめます。

よってシンセサイザーの使用に不慣れな方や、もっと手軽にシンセサイザーの編集を行いたいと言う方には特にオススメです!とにかくコンパクトなので、ライブ時のお供にも最適ですね。

このようなクオリティの高いガジェット・シンセが、現代のパソコン・ベースの音楽制作環境に一石を投じる存在になるかもしれません。

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