圧倒的に変わりつつある野外音楽生活

アウトドアカルチャーがしっかり定着してきた背景。

春になると毎年アウトドアの話題をよく目にする。
やはり、人間とはいえ所詮動物であるから、寒い時期は動きは緩慢になり、春になり活動を始めるというのは、ごく自然な姿である。

山ガールなどという言葉が流行した事もあったが、もはやアウトドアは一過性のブームではなく、カルチャーとして定着しつつある。
また、アウトドア人口によって形成される市場も堅調である。現在でもキャンプ、野外フェス、ピクニック、登山者、等を含めると5000億円近い市場規模になるとのデータもある。

デジタルカルチャーが進行する分、対極にあるアナログカルチャーが輝きだす。

スマートフォンの普及などにより、少なくとも日本国内だけを取ってみても、国民総ネットワーク時代となっている現状はいうまでもないであろう。
それに伴って、「スマホ疲れ」「SNS疲れ」という言葉がささやかれる側面も出てきており、デジタルカルチャーが進行すればするほど、対極にあるアナログカルチャーが注目されるという現象が近年顕著である。

先日soundropeでも、アナログDJについての記事が大変な反響を呼んだ。
デジタル化が進めば進むほど、アナログ的なカルチャーが価値を帯びてくるという現象がここにも見て取れる。

圧倒的に変わりつつある野外音楽生活

気持ち良い大自然の中で、たくさんの緑に包まれてハイキングをしたり、登山で自らの限界に挑戦したり、潮の満ち引きの音を聞きながら海辺を愛犬と散歩したり、みんなで集まって星空のもとキャンプ・・・などなど、アウトドアと言っても楽しみ方は様々である。

しかし、音楽が大好きでしょうがないsoundrope読者にとっては、野外フェスがブームになっているという事もあり、野外で音楽を楽しむという事に関心がある方も少なくないであろう。
アウトドアカルチャーが盛り上がればそれだけ一定数音楽ファンも確実に存在する。ライブハウスやコンサート会場だけでなく、夏には山や海、または都市型の野外フェスは増える一方である。

増加する野外音楽人口に対応する様々な動きが

 

野外フェス説明ページ OTAIRECORD
出典:OTAIRECORD

俺の野外フェス~1万円台から始める野外イベント~をチェック

DJ機材ショップ、OTAIRECORDでは近年野外フェスの音響設備の販売が好調で、春前あたりから、問い合わせが激増している。それを受けて特設コーナーも併設されており、特に友人同士のキャンプやバーベキューなど小規模から始める「プチ・野外フェス」に対応したコーナー「俺の野外フェス」が開設されている。

またOTAIRECORDとinMusic Japanが音響を担当し行っている野外フェス「CICADAS END」が上記である。
inMusicは現在PAブランドALTO professionalを抱えており、このフェスもALTO professionalの音響システムを使用し行われている。

昔はPA機材というと、プロフェッショナルな聖域であり、素人がうかつに手を出せないというジャンルではあったが、最近では、良くも悪くもではあるが、PA機材に不慣れな音楽好きでもかなり使いやすく、安価になってきている。こういった背景は「野外で音楽を楽しみたい」という層が増加していることに起因する。

個人向けPAセミナーも開催されている

OTAIRECORD DJ UNIVERSITY presents PAセミナー
出典:OTAIRECORD DJ UNIVERSITY

この様に個人向けPAセミナーも開催されるようになってきた。
写真は東京恵比寿のtimeout cafeにてOTAIRECORD DJ UNIVERSITY主催のPAセミナーの模様であるが、同セミナーのチケットの売れ行きは、通常の3倍くらいのスピードで、あっという間にSOLDOUTすることとなった。
この点からも、個人向け、少人数向けのフェスや音響の需要が高まっていることがわかる。

 さらに使いやすくさらに進化していく音環境

BLOCK PARTY LIVE

ION Block Party Liveをチェック

上記の写真をご覧いただきたい。見たまんま、ではあるがスピーカーに照明がついている。これはION社の照明付スピーカー「Block Party Live」という製品である。
IONから照明付スピーカーが発表された当時は、実にアメリカ的な発想で嘲笑気味になっている音楽マニアも多かった。

しかし、フタを開けてみると大ヒットした。現在では、一つのジャンルとして認められていくのでは、という憶測すら出ているほどである。
IONではスピーカープラス照明、というスタンスで、様々なモデルをリリースしておりその中でも上記の写真にあるBlock Party Liveである。

下記の動画に解説があるが、バッテリー内蔵で、コンセントがなくても、いつでもどこでも楽しめるというのは大変便利である。
またボタン一つで照明が光り、リズミカルにあたり一面を照らしてくれどこでもパーティができるという製品である。

スピーカーだけじゃない。DJ機材もバッテリーで。コンセントから完全に解放されたスタイルでDJをすることも可能に

まずは上記の動画をご覧いただきたい。
前述のスピーカーと共に、iPhoneやiPadを接続することができるVESTAXのSPIN2スマホ用のモバイルバッテリーを使用すれば完全にコンセントなしでのDJ PARTYを行う事も可能である。

野外で音楽イベントを行う場合、電源の確保が高い障壁になっていて、長い電源ケーブルを用意して何とか電気をコンセントから確保したり、とんでもなく重量がある発電機を購入、もしくはレンタルし、何とかイベントを開催しているというのが実情である。

しかし、Block Party Liveは、音だけだったら約70時間以上のバッテリーを備えており、一般的に電力を食うとされている照明をつけても約6時間も持続することができ、また出力もピーク50Wはあるので、野外でも20〜30人くらいの観客であればそれなりに成立してしまうくらいの音量を出すことが可能である。

ますます楽しみな野外音楽カルチャーに期待を

今回ご紹介した流れの中にあって、野外音楽カルチャーはビッグパーティ、スモールパーティにかかわらずどんどん発展していく可能性を大いに持っている。

いつでもどこでも音楽を楽しみたいというのは、ほとんどすべての音楽ファンの願望であるが、この流れで行くと、機材メーカーもこのカルチャーにさらに注目していくと予想される。これからも野外音楽カテゴリーは音楽業界の一つの市場として形成されていくと思われる。

soundrope読者の皆さんも2015年の春・夏は、ぜひ野外で気持ちよく音楽を楽しんでみてほしい。

※野外で音楽を楽しむときは、自然や人に迷惑をかけない範囲でマナーを守って楽しみましょう。