40年前の資料と当時の技術だけで製作された伝説のシンセサイザー『Mini Oramics』

1960年代、BBC初の電子音楽ワークショップのディレクターであり、電子音楽のパイオニアDaphne Oramは独創的なシンセサイザー「Oramics Machine」を開発しました。線や点などのビジュアルからサウンドを生成するOramics Machineはとても大きく、70年代にはミニバージョンの「Mini Oramics」が考案されていましたが、実際にプロトタイプが製作されることはありませんでした。

このミニバージョンのMini Oramicsを、大学の博士課程に通う学生Tom Richardsが、当時の資料を元に再現。40年の時を超えて初めてサウンドを発しました。

出典:Vimeo

Tom Richardsが製作したプロトタイプは、オリジナルの設計者Daphne Oramが構想していた1973年当時に存在したテクノロジーだけを使って再現しています。先鋭すぎるアイデアというのは時に実現されないまま忘れ去られてしまうことも多く、今回のようにもう一度陽の目が当たることは非常に稀です。時代を超えた二人のエンジニアの熱意に感動します。

引用元:Synthtopia