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『100% CD HATA視点の音楽史 Vol.6』CD HATAの使ってきたDAW史

soundropeをご覧の皆様こんにちは!Dachamboのシンセサイザー担当CD HATAです。Dachamboでのバンド活動と平行してDJ活動やトラック制作もしています。つい先日12/16にAngel Defenseというサイケデリックなテクノもリリースしました。よかったら聴いてみて下さいね!

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音源は、次のサービスで購入できます。

iTunes Music Store
Beatport
Amazon MP3
Google Play
Juno Download

トラックを製作する際にはDAWを使っています。そこで今回はワタクシCD HATAが使ってきたDAWの歴史に関して紐解いていこうと思います。

さて、DAWを使うにはパソコンが必要です。初めてCD HATAが手にしたパソコンから話をスタートしていきましょう。CD HATAが手にした初めてのパソコンは、90年代後半、あの一世を風靡した初代iMacボンダイブルーです。

懐かしい半透明のボディーデザイン、当時なんでもかんでも半透明のものが発売されていましたね。周辺機器はもちろん、パソコンに関係ないものでも半透明のデザインが出回っていました。そんなトレンディーなiMacを知り合いから譲ってもらい、現在までMacintoshを使っています。

今から考えると、これを譲ってもらうことがなかったら、MacintoshではなくWindowsからパソコンに入った可能性もあり、そうなると使ってきたDAWも違う物だっただろうし、音作りに関しても現在のスタイルとはまた違ったものになっていたかもしれません。これを譲ってくれた知人は、CD HATAの人生において多大な影響を与えたと考えていいでしょう。ある意味感謝です!

当時はまだDAW(デジタル オーディオ ワークステーション)という言葉は無く、DTM(デスクトップミュージック)という言い方で、シーケンスソフトでMIDIデータを扱い、外部音源を鳴らして曲を作る方法が主流でしたが、この時期徐々にパソコン上でオーディオデータも扱えるようになってきた時代です。単体のハードディスクMTRも各メーカーからこぞって発売されていた時代ですね。

パソコンで音楽を作る上で、MIDIインターフェースやオーディオインターフェースが不可欠ですが、初代iMacの登場後、USB接続のものが少しづつ増えてきたように思います。そして、CD HATAが初めてさわったシーケンスソフトは、米国 Mark of the Unicorn社のDigital Performerです。

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1985年に発売されたMIDIシーケンスソフトのPerformerから、1992年にオーディオ録音・編集・ミックス機能を備え、Digital Performerとして生まれ変わったものです。昔、カラオケの打ち込み製作業界では、Performerを使っている人が多かった気がします。

Macintosh用では、PerformerとVisionが2大シーケンスソフトと言われていたり、LogicやCubaseも含め4大シーケンスソフトと呼ばれていた時代がありましたね。実は個人的な見解ですが、今でもDigital Performerの音が一番好きなんです。力強いバキっとした音、ちょっとクセのあるハイ上がり、バウンスした時にその性質が顕著に現れます。

通常の考え方だと、バウンスをすると音が変わるというのは、原音に忠実でないということで好ましく思わない方もいらっしゃると思いますが、その変化が自分好みである為、今でも使っています。自分の音作りのクセというか、ちょっとモサっとさせてしまいがちなんですが、それを上手い具合に補正してくれるというか、そこらへんはホント好みの問題ですね。

さて、初代iMacのスペック(PowerPC G3/233MHz、標準実装メモリ32Mバイト、HDD容量4GBと今のスマホの方がはるかにハイスペック)では、まだシーケンスソフト上で複数のオーディオトラックや多くのプラグイン、ソフトシンセを扱うのは処理速度的に厳しい時代でした。

それでも例えば、歌などの生楽器だけをオーディオ録音をして、その他のパートはMIDIで外部音源を鳴らすなどの使い方ができました。まだまだMIDIが主要な役割をしている時代です。MacOSがⅩになりCoreMIDIで管理するようになる前は、各シーケンスソフトに対応したMIDIドライバーをインストールして使わなければならなかったのですが、そのドライバーがなかなかくせ者で、他のアプリケーションとの不具合を起こす原因になることが多々あったり…

その都度、使うアプリケーションによって、使わない機能拡張は外して起動させたりしてました。爆弾マークも今となっては懐かしいですね(笑)

CD HATA的にも、まだこの時代は生楽器のループネタなどはサンプラーで鳴らしていたのですが、取り込む音をサンプラーのディスプレイに出ている数値だけでエディトするよりも、PCの画面を使ってエディットすることで、効率よく作業ができるようになったのは大きかったですね。

波形編集するだけの場合は、シーケンスソフトを立ち上げオーディオデータを編集するよりも、波形編集ソフトを使った方が、作業の手順が少なく効率良くできたので、bias社のpeakを使っていました。

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出典:KVR

シンプルで手際よく作業ができるので、ちょっとしたオーディオ編集の際に役立っていました。Digital PerformerはネイティブでVSTプラグインに対応していなかったのですが、bias peakはあるバージョンからVSTプラグインが使えたので、VSTプラグインを使いたい時には活躍していましたし、完成した2mixに対してマスタリングのようなこともこのソフトでやっていました。

数年前にこの会社が無くなってしまった時にはちょっと悲しかったです…

その後、Pro Toolsがスタジオで標準的に使われるようになったことにより、家での作業との互換性も迫られ、Pro Tools LEを導入することになります。

当時のPro Tools LEは、当時のDigidesign社製オーディオインターフェースでないと起動できなかったのですが、Focusriteのマイクプリが採用されていた初代Mboxが発売された時にコレは!と思い購入しました。

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スッキリした音で録音できて印象が良かったな!Pro Toolsも今では、無償版 Pro Tools | First なども登場して面白くなってきていますね。

そして、あることきっかけに、CD HATAがLogic Studioテクニカルマスターという300ページにわたるマニュアル本を執筆することになるのです。

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Appleが、LogicをリリースしていたEmagic社を買収し、Logic Pro7から8にバージョンアップするにあたって仕様ががらっと変わりました。その昔、Logicは他のシーケンスソフトに比べ、いろいろなやり方ができる分複雑な部分もあり、若干ややこしいソフトという評判がありました。

しかし、Logic Pro8からAppleの血が入ってなのか、今までのLogicの性質は残しつつもApple的なわかりやすさも反映され、垢抜けたイメージになった印象があります。

なんでも、Appleが行っていたLogicの講習で、インストラクターの方がCD HATAの書いた本を推薦してくれていたようで、そのことを全く知らず講習を受けていた知人が、本を買ってみたらHATAの名前がのっててビックリしたという連絡があったことがありました。嬉しい話ですね。(笑)

CD HATA的な視点なのですが、LogicとCubaseは似た哲学があり、Digital PerformerとPro Toolsにも同様に共通の哲学を感じています。

ドイツの会社とアメリカの会社の差でしょうか?

CubaseはVSTの規格を発表するなど共同体的な発想で、みんなでどうにかしよう的な考え方で、Digital PerformerやPro Toolsは、ソフトから周辺機器まで一つの会社内で完結させた製品を使って欲しいという考え方なのでしょうか?

どちらが良いということではないのですが、Logic Pro8はドイツのEmagic社からアメリカのAppleに買収されたことで、その両方の良さが反映されているような気がしました。

そしてまた時代は流れパソコンの性能も驚く程進化しました。

iMacも現在のiMacと初代iMacではこんなに違うんです。→ http://www.apple.com/jp/imac/then-and-now/

過去、パソコンで音楽制作をするのは、DTM(デスクトップミュージック)という言われ方をしていたように、デスクトップのパソコンで作業するのが主流で、ライブをする時にはパソコン本体とキーボードやディスプレイという大荷物を持ち込んでいる人もいました。

現在ではノートパソコンのスペックも上がり、ノートパソコンでライブをするアーティストも本当に増えてきました。かくいうワタクシもその一人ですが、ライブで使う場合、大前提として音が止まらないこと、そして、何より直感的に操作ができることが重要になります。

そう、Ableton Liveの登場です。

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Ableton Liveは、これまでのシーケンスソフトとは違った切り口で、特にループを主体とした音楽に関しては新しい制作のありかたを提示したソフトだと思います。Liveという名前が表すように、ライブステージで最も使われているソフトと言っていいでしょう。

ベルリンのAbleton社が認定しているトレーナーが日本で6人います。ご存知だとは思いますが、soundropeに執筆しているKOYAS氏もその一人です。

彼らが主体となっている「Ableton Meetup Tokyo」というコミュニティーがあり、先日、Red Bull Studios Tokyo Hallにて「Ableton Meetup Tokyo Special Session」というイベントが行われました。

この日、CD HATAはraster-notonのKyokaさんとYosi Horikawaさんと共に”Artist Session”形式でトークセッションをしました。お二人と何を考え何に影響を受けながら音楽制作をしているのかという自分的にも為になる話ができました。

そして、次回12/22(火) 三軒茶屋 Space Orbitで行われる『Ableton Meetup Tokyo Vol.3』では、CD HATAなりの Ableton Liveの使い方に関してプレゼンテーションをします。

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この時に現在のCD HATAなりのAbleton Liveの使い方をお話しますね。良かったらのぞきに来てみて下さい。ざっくばらんにみんなでワイワイやりながら情報交換をできるような場だと思います。

テクノロジーの発達により音楽製作環境も様変わりしています。これからどんな発展をしていくのでしょうか?DAWに関しては、設定や操作の簡単さやプリセットの充実など、よりビギナーの人にも使いやすいようになってきていると感じます。

今後もコンピューターの処理速度は上がっていき(音楽は時間芸術なので処理速度は非常に大きな要素です)、今までできなかったこともできるようになるでしょう。

人工知能の分野も発展しています。DAW側が今まで作ってきた曲を解析し「こんな感じの曲はどうですか?」と提案してきたり、過去の名プレイヤーの演奏を分析したものがプリセットとして入っていて、制作している曲にあわせたフレーズをはめてきたりする日もそう遠くはない気がします。

でもやっぱりそれらは道具に過ぎないので、それを使ってどう面白いものが作れるかだと思います。使う側のアイデアで、今までになかった新しい音楽の形態が生まれてくると思うとワクワクしますね。

これからの未来も楽しみです!!!

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