ミュージシャンやDJが音楽活動をするうえで、自らの音源や情報を多くのリスナーに届けたいという想いは、いつの時代も変わらないものですが、リスナーとのコミュニケーション手段はテクノロジーの進化とともに変わりゆくものです。
インターネットが世界中で浸透し始めた2003年、SNSとして爆発的な人気を得たMySpaceの登場により、アーティストが世界中のリスナーと直接コミュニケーションできるようになった時代が幕を開け、それから10年以上。現在は、アーティストとリスナーとをより効率的にマッチングさせる様々な音楽サービスが存在します。
今回は、そんな中から海外で話題の押さえておきたい4つの音楽SNSをご紹介します。
※世界への配信サービスということで、いずれも英語サイトとなります。
SoundCloud
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SoundCloudは、DJやバンド、個人にいたるまでのあらゆるユーザーがお互いにフォローし合い、オーディオファイルを配信・共有できる、2007年にベルリン拠点でスタートした月間ユーザー数2億人を誇る人気サービス。
オーディオファイルの波形をUIデザインにしたことで視覚的に音を認識でき、再生秒数に対してコメントできるため、より詳細で臨場感のあるやり取りが楽しめます。
楽曲はもとよりライブ音源からリズムやループ、フィールドレコーディング音源などあらゆるオーディオファイルを合計120分間分は無料で簡単にアップロード、すぐにコミュニティに配信でき、音楽の制作環境やリスナーとのコミュニケーションが十分に考慮されていることがアーティストに支持される理由なのでしょう。
FacebookやTwitter 、Instagramなどのサービス連携や外部へのAPIの提供にも力を入れており、強力なレコメンド機能も備えているため、自分の音楽趣向にあった掘り出し物音源に巡りあったり、同じ音楽テイストを持ったリスナーが集まるコミュニティを見つけ出したりと、音楽好きが集まりやすい仕組みも魅力のようです。
Bandcamp
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多くのDJやインディーバンドにとって、インターネット上で音源やグッズを販売することはそう簡単ではありません。
そんなアーティストの悩みを目の当たりにしたイーサン・ダイアモンドが、アーティストがファンに簡単に直販できるサービスとして、SoundCloudと同じ2007年にアメリカで立ち上げたのがBandcampです。
どんなアーティストでもすぐに自分のページを開設でき、高音質のデジタル音源をアップロードすれば、無料ストリーミング配信はもちろん、すぐにダウンロード販売を行うことができます。販売価格はアーティスト自身が決定でき、ダウンロード販売だけではなく、CDやLPレコード、Tシャツなどグッズ販売のプラットフォームとしても活用できるという何とも嬉しいサービスなのです。価格決定に関しては、その作品の価値を購入者に委ねる投げ銭的な設定も選べるなど、リスナーによるアーティストサポートの敷居を低くしていることも興味深いところです。
アーティストとリスナーの双方にとって重要なDIY精神をしっかり汲み取ることで、音楽への一体感を創り出すサービスBandcamp。気軽に楽曲をリリースできるのは大きな魅力ですね。
Mixcloud
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ロンドンに拠点を置くMixcloudは、長時間音源のアップロードに対応した「DJ ミックス」特化型ソーシャルサービス。世界中のDJやクリエイター、ポッドキャスターからの人気が根強く、誰でも気軽に世界中のDJミックスを楽しめるため、現在では月間ユーザー数は1000万人を超えています。
オーディオファイルの長さ、ファイルサイズや曲数に制限がなく、タイムスタンプ機能でプレイ中の楽曲名とアーティスト名を表示できたり、曲間にトークを挿入できたりと、DJからの様々なニーズに対応しています。
TwitterのRTやTumblrのreblogのように、ミックスを「Repost」する機能が追加され、よりシンプルに仲間とのミックス共有を楽しめる仕組みや、タイムスタンプ登録したアーティストと楽曲が検索機能に反映されるなど、DJ ミックスを音楽のキュレーションコンテンツとして位置づけている点も多くのユーザーに受け入れられる要因なのかもしれません。
ReverbNation
ReverbNationは、総合的なアーティスト支援プラットフォームとして2006年に立ち上げられたサービスです。
楽曲やライブ情報を発信することができ、メルマガ配信やソーシャル連携など多くの機能が充実し人気を集めています。
プレミアムアカウントでは、Amazonやitunesなどデジタルディストリビューションへの音楽配信代行も対応。
Youtubeの動画埋め込みも許可されているため、楽曲と映像、ライブスケジュールなどあらゆる情報を配信できるポートフォリオコンテンツとして重宝されているようです。
このように世界への音源配信は、驚くほど簡単になりました。もちろん配信すれば期待通りに聴いてもらえるとは限りませんが、まずは音楽活動のポートフォリオとしてこれらのサービスを使って、いつでも世界中のリスナーがあなたの音楽や情報にリーチできる環境を作ることができます。
もしかしたら世界の裏側であなたの音楽を欲している思いがけないファンが待っているかもしれません。