Herbert、Doctor Rockit、Radioboyなど様々な名義を使い分ける、イギリスの電子音楽作曲家、DJのマシュー・ハーバート。
マシュー・ハーバートの作品は、ミュジーク・コンクレートに大きな影響を受けていて、アルバム”Around the House”では洗濯機やトースター、歯ブラシなどの日常の音をサンプリングして、独自のディープハウスを展開したり、政治色の強い”Radioboy”では、グローバリズムに抗議して、マクドナルドやGAPの商品を破壊した音をサンプリングし、即興的にビートを構築するといった、かなり特殊な手法で制作されています。
このスタイルは、ライブにも取り入れられており、ライブにおいても日常の音をサンプリングして、このサンプリングした音を即興で加工してライブを行っています。
こちらのドイツのボンで行われたJazzフェスティバルのライブでも、Matthew Herbert Big Bandは、雑誌や新聞を破く音などを使って、ある種コミカルなライブを披露しています。
出典:YouTube
ビッグバンドとデジタル機器を使用した不思議な世界観のライブですが、サンプラーなどを駆使して生楽器との融合を図ると言う、とても斬新でエンターテイメント性にも富んでいます。
デジタル機器を即興で操うと言うのは非常に難しいことですが、このくらいブッとんだアイデアと卓越したスキルがあれば、それも越えられると言う、デジタル機器の新たな魅力を提示してくれる素晴らしいライブですね。
トップ画像出典:ELECTRONIC BEATS