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GEAR

ソフトウェアとコントローラが一体となった直感的なサンプラー・ドラムマシン『Machine 2』レビュー

サンプラー搭載のソフトウェア・シーケンサーとマルチカラーに光るパッドが印象的なコントローラが一体となったNative Instruments「MASCHINE」。MASCHINEはソフトウェアに搭載されたほぼ全ての機能をコントローラから操作でき、ハードウェアと同様にストレス無く直感的な音楽制作が行えるため、多くのクリエーターの指示を集めています。

業界標準のソフトウェア「KOMPLETE」や「TRAKTOR」を開発したNative Instrumentsのハブ的存在のMASCHINEについてご紹介します。

幅広いジャンルに対応したドラム・サンプル

MASCHINEには音源として6.2GBのサンプル・ライブラリが付属されています。18000以上のサンプルにはあらゆるジャンルに対応した約7000のワンショット・サンプル、388のマルチ・サンプル・インストゥルメント、400以上のスライス・ループが含まれています。

またドラムを中心としたワンショット・サンプルが16個のパッドに割り当てられた326個のフル・ドラム・キットの中には、世界中で活躍するトップ・アーティストが作成したドラム・キットが含まれており、これらをロードするだけですぐにドラム・パターンの制作が可能です。

お好みのサンプルを集めたオリジナル・キットやドラム・キットをロードしてスネアだけを他のサンプルに差し替えたりと、お好みのドラム・キットの作成が行えます。

MASCHINEに付属された各サンプルはタグ付けされており、例えばサーチ・フィールドで「SNARE」と入力すると、SNAREとカテゴライズされたサンプルのみが即座に表示されます。Browser内でサンプルのサウンドをプレビューできるところも、サンプルの検索をよりスムーズにしてくれるポイントです。

MASCHINEのストラクチャ

MASCHINEはSOUND、GROUP、MASTERの3つの階層で構成されています。
SOUNDはMASCHINEのストラクチャの最小構成単位で、16個のパッドの1つを指します。このSOUNDの集合体をGROUPと呼び、16個のパッドを1つのGROUPとしてGROUP A-Hまでの8つのGROUPがあり、この8つのGROUPの集合体をMASTERと呼びます。
それぞれのSOUNDにはサウンド・スロットが搭載されており、サンプラーとしてサンプルをロードしたり、ソフトシンセとエフェクトをプラグインすることができます。

3つの階層に分かれていることで各階層ごとにパラメータの設定が行えるので、SOUNDではドラムを構成するキック、スネア、ハットごとのエディットができ、ドラムを構成するGROUPでは1-16個のパッドにアサインされた全てのサウンドに対し一括してエディットを行うことができます。
よってMASCHINEではGROUP Aをドラムに、GROUP Bをベースに、GROUP Cをリード・シンセにと言うようにインストゥルメントごとにグループ分けすることで、効率的に楽曲の制作が行えます。

KOMPLETEとの併用でさらに強力に

MASCHINEにはサンプルをロードするサンプラー・モードと共に、ソフトシンセやエフェクトをプラグインできるので、同梱されている「KOMPLETE ELEMENT」やVST・AU対応のソフトシンセとエフェクトをプラグインしてMASCHINEプロジェクト上で使用できます。

またMASCHINEにはポップスからクラブ・ミュージックまで幅広いジャンルで使用されているソフトシンセの「MASSIVE」も同梱されています。


MASCHINEに付属されているサンプルはドラムに特化しており、インストゥルメントのサウンドはそれほど多くないのですが、MASSIVEを使用することで現代風のベースやリードなどのサウンドを得ることができます。

MASCHINEで「KOMPLETE」シリーズと「KOMPLETE ELEMENT」に含まれるソフトシンセやエフェクトをプラグインすると、各ソフトウェアのパラメータが自動的にMASCHINEコントローラの8個のノブにアサインされるので、面倒な設定いらずでコントロールが可能になります。マニュアルの設定にも対応しているのでオリジナルのマッピングも作成できます。

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各パラメータがノブにアサインされることで、オートライト機能を使用してオートメーションを書き込むことが可能となります。例えば、MASSIVEのリード・シンセの「LFO・RATE」がアサインされたノブを「AUTO WRITE」ボタンを押しながらコントロールすることで、Dubstepで聞かれるような動きのあるリードシンセ・サウンドをシーケンス・データに書き込むことができます。


KOMPLETEシリーズに含まれる各ソフトのサウンドはMASCHINEのBrowser上にタイプ別に表示されます。例えばBrowserの「SUBTYPE」でBassを選択するとKOMPLETEシリーズに含まれる全てのサウンドからベースとタグ付けされたサウンドが一括で表示されます。
KOMPLETEにはたくさんのサウンドが搭載されているのですが、使いたいサウンドのみを的確に探し出せるのは便利ですね。

リアルタイムとステップの2つのモードに対応したシーケンサー

MASCHINEでのシーケンスの作成はソフトウェア下部の「PATTERN」セクションで行います。各グループごとに16個のパターンを1つのバンクとして4つのバンクが設けられているので、合計で64個のシーケンス・パターンを作成できます。1パターンは最大で256小節まで入力可能です。

シーケンス・パターンの録音には、AKAI「MPCシリーズ」のように16個のドラム・パッドを叩いて録音を行うリアルタイム・レコーディング・モードとRoland「TR-808」のようにステップ・シーケンサーを使用したステップ・レコーディング・モードの2つの方法に対応しています。

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クオンタイズの修正やシーケンス・パターンのコピー・ペーストなどのシーケンスの作成をスピーディーにしてくれる機能もコントローラからコントロールできるので非常に便利です。

楽曲にノリを加えてくれる「SWING」機能は、SOUND、GROUP、MASTERの3つのカテゴリーごとに設定できるのも特徴の1つです。より自由度の高いスウィング設定で独自のグルーヴを表現することができます。

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楽曲の構成とライブに対応したシーン・セクション

MASCHINEでは作成したパターンをソフトウェア上部の「SCENE」セクションにアサインして楽曲を作成します。GROUP A-Hで作成したパターンの集合体が1つのシーンとなり、このシーンを順番に並べて楽曲を組み立てます。
各インストゥルメントごとに作成したフレーズをシーケンサーに貼付けて楽曲を構成すると言う感覚があてはまり、これはTRAKTORシリーズに搭載されている「Remix Deck」に近い考え方です。

MASCHINEではSCENE 1から順番にシーンを並べて楽曲を作成する他に、リアルタイムでシーンを切り替えることも可能です。シーンの切り替えはコントローラからも行えるので、ライブ時には特に有効な機能となります。

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多様なルーティングに対応したエフェクト

MASCHINEにはコンプレッサーやEQなどのマスター系エフェクトやディレイやリバーブ、LoHiなどのクリエイティブなエフェクトの合計23個のエフェクトが搭載されています。このMASCHINE純正のエフェクトと共にプラグイン・エフェクトの使用も可能です。

エフェクトはSOUND、GROUP、MASTERの3つのカテゴリーごとに使用できるので、SOUNDでスネアにLoHiエフェクトをかけ、ドラムを構成するGROUPにディレイをかけ、MASTERにコンプレッサーをかけると言うような設定も可能です。
エフェクトのパラメータもオートライト機能に対応しているので、例えばフィルターのカットオフのコントロール情報をシーケンス上に書き込むことで簡単に別パターンの作製が可能となります。

サンプルの録音からエディットまで簡単操作のサンプラー

MASCHINEにはサンプラーが搭載されており、オーディオ・インターフェイスを経由した外部音源の録音(エクスターナル・モード)とオーディオ・インターフェイスを経由しない内部音源の録音(インターナル・モード)に対応しています。

例えばドラムのパターンにディレイをかけ、インターナル・モードでリサンプリングして新たなサンプルを作成します。あらかじめ小節を設定してサンプリングを行えるのでループ・サンプルの作成も簡単です。

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サンプリングしたサンプルは「SLICE」メニューで自動でスライスできます。下の画像は2小節のドラム・サンプルを32個にスライスした状態です。

「EDIT」メニューでマニュアルでスタートとエンド・ポイントを設定することも可能ですが、スライス・メニューを使用することでとても素早くスライスでき、ドラム・ループ・サンプルからキック、スネア、ハットなどを簡単に抜き出すことができます。

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サンプルをスライスして、上の画像の黄色の枠で囲まれた「APPLY」をクリックすると32個にスライスされたドラム・ループは2小節のシーケンス・パターンとしてパターンに追加されます。

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また「EDIT」メニューにはタイム・ストレッチ・モードが搭載されており、シーケンサーとサンプルのBPMが違う場合でも、ある程度の範囲であれば違和感無くサンプルの長さを調整できます。

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MASCHINEはサンプルのBPMを自動で検出してくれるので、検出されたBPMに対して新たに設定したいBPMを設定するだけで簡単にタイム・ストレッチされます。タイム・ストレッチはサンプル・ベースで楽曲を作成する場合にはとても重要な機能です。

MASCHINEの可能性

MASCHINEの活用方法は多岐にわたります。単体で楽曲制作を行うことはもちろんですが、DJソフトウェアの「TRAKTOR」と簡単にシンクさせることができるので、ライブ時にMASCHINEとTRAKTORをシンクさせたDJライブも可能となります。

出典:YouTube

またMASCHINEで作成したパターンをサンプルとしてオーディオ・ファイルに書き出すことも可能です。
SOUND、GROUP、MASTERの3つのカテゴリーごとの書き出しに対応しているので、例えばキック、スネア、ハットなどの個別のサンプルの作成から、2ミックスのオーディオ・ファイルの作成までを行えます。これによりTRAKTORに搭載される「Remix Deck」用にオリジナルのサンプルを作成することもできますね。

専用コントローラによる操作性はMASCHINEのシンプルな機能をより簡単にしてくれるため、これから打ち込みベースで音楽制作を始めたいと言う方にもオススメの1台です。

メーカーサイトで詳細をチェック

 

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