2016年に、オーストリアに拠点を置くRebeat Innovation社により特許申請され、注目を集めた「HD Vinyl」が、いよいよ実用化される見込みです。米メディアPitchforkは、Rebeat Innovation社がHD vinylの技術に対して、480万ドル(約5億円)の投資を受けたと伝えています。
Rebeat Innovation社CEOのGunter Loiblは、この投資により、2019年にHD Vinylで製造されたLPが、店頭に並ぶ可能性があると語っています。
HD Vinylは、レーザー加工と3Dトポグラフィック・マッピング(地形図)の技術が用いられており、現在のレコードに比べて収録時間や周波数レンジが30%向上するだけでなく、製造に掛かる時間を60%も短縮することができます。
同社はこの技術のために、約600,000ドルの大型レーザーシステムを発注しており、7月までに導入予定とのこと。Gunter LoiblはPitchforkに対して、このシステムの稼働により、夏の終わりまでにいくつかのプレス工場にテストスタンパーを送付したいと語っています。
Rebeat Innovation社は、10月にデトロイトで開催されるMaking Vinyl 2018のカンファレンスで、テストスタンパーを正式に発表することを目標としており、その後8ヶ月間の調整を行い、2019年夏頃に最初のHD vinylが店頭に並ぶ予定です。
はたしてHD Vinylは、1960年代以降、全く変わっていないといわれる、レコードの製造工程に革命を起こせるのか?今後の動向が注目されます。
出典:Pitchfork 画像出典:HD Vinyl