普段ダンスミュージックやってるけど、ちょっと別の角度からダンスを覗いてみようかな【100% CD HATA視点の音楽史 Vol.10】

soundropeをご覧の皆さん、こんにちは!Dachamboのシンセサイザー担当CD HATAです。このコーナーは「100% CD HATA視点の音楽史」ということで音楽機材や音楽文化に関して、歴史ストーリー仕立てに紐解いていくというコンセプトで書いています。

前回は「テクノの歴史」という壮大なテーマに踏み込んでみたのですが、一回では語り尽くせる話題ではなく続編も考えています。しかしその前に今回は「ダンスミュージックの歴史」という、さらにメチャクチャ壮大テーマで、でもちょっと違った視点で紐解いていこうと思います。

例によって100%CD HATA視点ってことで、偏った妄想の脳内垂れ流し状態でよろしくです!

ダンスも音楽も起源と発展は一緒かも

普段、クラブでDJをしてお客さまを踊らせていたり、野外パーティーやフェスでお客さまを踊らせたりしているわけですが、ダンスとは何でしょう?音楽と同様に、すごい昔、人類が生まれ、ちょっとした時から踊るというのはあったんでしょうね。

人間の本能として身体的動作欲求の快楽が、宗教的儀式、祭りなどで体系化されていくっていのが起源なのかな。昔の壁画にも踊ってるシーンはいっぱいあるみたいだしね。

By: GanMed64

音楽の起源も、最初は小鳥のさえずりだったり自然界に存在する綺麗な音を、人間が再現して「これとこれの組み合わせカッコ良くね!」という感じでメロディーやハーモニー、リズムなどを体系的にまとめていったという説もあります。

ご飯食べてる時とか準備してる時や遊んでいる時に、ヤンヤヤンヤ楽しくてやってたのを「おまえ上手いから今度の集まりの時にやってみろや!」ってな感じで、祭りや儀式的な催し物の時に、人前で披露するという形に発展していったのかなぁ。

アフリカでは、声が届かない距離の村と村の伝達手段として太鼓のリズムでやりとりをしていたといいます。「こんなことがあったぜー!」っていうリズムパターンを叩くと「そうなんだー!」ってリズムパターンが返ってくる感じでしょうか。と同時に当然、収穫祭や、葬儀などでも太鼓叩いて踊っていたようです。

たぶん、音楽が生まれていくのと同時に踊るというのはセットになって進化していったんだと思います。だってリズミックな音が流れたら体が自然に動いちゃうのは本能的なものだもんね!

出典:YouTube

ダンスにせよ音楽にせよ、ざっくり、自分達の為にやってるものと、観客に魅せたり聴かせる為のものとにわけられるのかな。重なる部分はもちろんあるけど、前者はクラブでいうとダンスフロアのお客さん(DJがパーティーの司祭で、フロアのお客さんがその信者みたいな喩えをする人いるなぁ)とか、さっきの伝達手段としての太鼓もそうかな、音楽でいうと前者はカラオケとか?

あっでも、たとえ前者のスタンスでやってたとしても「おーこいつスゲー!」ってなっていくと、それはもうザッツ・エンターテイメントになり、後者に移行していくわけですね。

日本のダンスもいろいろあるよ

んーあんまり概念的な話ばっかりになっちゃうと退屈しちゃうんで、具体的な話にいこうかな。ここはやっぱり黄金の国ジパングなんで、日本昔話的な展開でいうと、さっきの前者的なものはやっぱり盆踊り!阿波踊りも盆踊りの一種でしょ「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ、踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損々…」って凄い素敵なフレーズ

岐阜郡上八幡地方の郡上踊りは4日間朝まで寝ないで踊るらしいです。ワタクシもDJでロングセットやったり、24時間以上のパーティーやったりもするけど、これもハンパないなぁw

By: Ryan McBride

沖縄の盆踊りにあたるのは、やっぱりエイサーかな。DachamboのライブやCD HATAのDJでも出演している沖縄の残波JAMでも座喜味エイサーの人たちが出演していました。

出典:YouTube

沖縄の踊りといえば、カチャーシーも

出典:YouTube

カチャーシーという言葉はインドネシア語の語源で「まぜる」とか「かき回す」とかの意味だそうです。チャンプルーも同じような意味だけど、チャンプルーはまざったものがまだ原形をとどめて混合されている状態、それに対してカチャーシーは原形をとどめてなく化合されている状態っていう違いがあるみたいです。頭の上で手を左右に振るさまが、かき回したり、まぜたりしてるように見えるために、この呼び名がついたそうです。

見てて思ったんだけど、一緒の振り付けでみんなで踊るって、日本独特の集団行動的な文化なのかなぁ?こういうのが発展していってパラパラとかになっていくのか?という解釈があっているのかはわかりませんが、他の国でも一緒の振り付けで踊るものは、いろいろあるようです。

ジプシーの起源と言われている、インドのラジャスタン地方に古くから伝わる踊り、ラジャスタンダンスもその一つ

出典:YouTube

そっか!考えてみたら、マイムマイムとかのいわゆるフォークダンスもみんなで踊るダンスだ!っていうよりも、世界各地の土着の踊りの総称がフォークダンスなわけだから、盆踊りもフォークダンスの日本版って解釈もアリだね。たぶん!?

歌舞伎の起源はインドにあるという説も

さっきの後者のほう、日本のザッツ・エンターテイメントなダンスといえばやはり日本舞踊かな。雅楽、舞楽、神楽、田楽、猿楽、能や狂言、歌舞伎などなどいろいろあるようですがイメージ的に基本ゆったりな感じ。

そういえば自分も奉納演奏だったりお寺の本堂や能楽堂でも演奏したことあるんだけど、独特な音場だったなぁ。鼓太鼓とかをポンっと鳴らした時に綺麗に響くようになってるのかなぁ。かなりダヴィーな感じがしました。

ちょっとこれは解析というより勘違いな要素が強いと思うんだけど、昔の殿様とか特権階級の人達がこういう音楽とか舞を楽しむ時に、当時の高級な和菓子を食べながらだとしたら、和菓子って甘いじゃん、今でこそ現代人は何世代かに渡って糖分を摂取してきて免疫がついてきてると思うんだけど、昔ってせいぜい甘いものって果物ぐらいしかなくて、甘いものに免疫がない人がいきなり和菓子みたいに甘いもの食べたら、そうとうな感じだと思うんですよ!(いわゆるひとつのシュガーハイ)

そんな状態で不思議なリバーヴ感の中でゆったりな音楽を聴きながらって相当…そう考えると歌舞伎のメイクもジャパニーズ・サイケデリックに感じてくるのは気のせいですか?はい、気のせいですね…

By: GanMed64

そんな歌舞伎ですが、なんでも起源はインドにあるという説もあるようです。インド4大舞踊のひとつカタカリというものなんですが、確かに歌舞伎っぽい。カブいてるねぇ~!!!

出典:YouTube

世界のトランス状態

音楽にせよダンスにせよ、入り込んでしまう状態、いわゆるトランス状態の時に生まれてくる何か凄いものがあって、それを求めて演っている部分もあるのです。

エジプトのZar(Zaarともいい、ザーと読みます)というものがありまして、これは頭を振り続けてトランス状態に入るのです。リズムがゆっくりとスタートして、段々速く、最後はまるで何かにとり憑かれたように速くなります。頭を揺らし、首を回したり、最後はほぼ失神状態で崩れ落ちます。

出典:YouTube

ヘビーメタルのヘッドバンキングも感覚的には同じ!?イスラム圏はお酒とか禁止だから、こうやって直接脳みそブンブンやって酔っ払っちゃう感覚を楽しんでたのかなぁ?エジプトにはスーフィーダンス(タンヌーラ)という、ひたすらくるくるまわるダンスもあります。

出典:YouTube

これはまさにトランス状態でしょう!このスーフィーダンス(タンヌーラ)をフューチャーしたイベントをやったことがあるんだけど、この時は即興で音を奏でながら、大きなスカートにその場でライブペイントをし、それを纏ってくるくるまわる。

それを上から撮った映像をマッピングしていく(描いたものが回転することでまた別の見え方をする)という企画でやりました。最終的にはなぜかお客さんが突然踊りはじめてこんな状態に

出典:YouTube

またこんなオモシロ企画をやってみたいなと思いつつ、最近はベリーダンサーのNATACHAさんと御一緒させて頂きイベントにも出演しています。エイサーの箇所で出てきた残波JAMにも出演したり。実は今回のコレ書くにあたってもいろいろアイデアもらいました。NATACHAさんありがとう&感謝!!!

5/28(土)は、神宮前bonoboでNATACHAさん主催のパーティー。シタールのライブやチルアウトスペースもある、アラブ・パンクなエキゾチカ千夜一夜

Photo_1

6/5(日)は丹沢湖の野外イベントにも出演します。ここではNATACHAさんとEVAさんのユニットOIRANと一緒に和物テイストのショーケースをやります。

Photo_2

6/25(土)~ 26(日)は南房総・白浜フラワーパーク「ZIPANG 2016」CD HATA & NATACHAとして出演。ZIPANGというだけあって日本人アーティストオンリー、そしてこの出演者のメンツは凄いなぁ~

Photo_4

TOTEM TRAXXから5/23にリリースされる「CHITTODEN MUSIC – Pray for Kyushu」には、NATACHAさんに踊ってもらう用につくった「Dance of the Holy Land」が収録されます。

unnamed

といった感じで、普段はダンスミュージックをやっていますが、今回はダンスというものをちょっと別の角度から覗いてみることで、また新たな感覚をゲットできたかと思います。

いつにもなく変化球で攻めてみましたが、またまた次回もよろしくです!!!