コンパクトなボディにドラムパッドなどを搭載した、サンプラー/シーケンサーの「XW-PD1」。ダンスミュージックに最適化されたXW-PD1が可能にするパフォーマンス性は、世界中の実力派アーティストが集うプロジェクト「Master of TRACKFORMER」の記事で紹介したオフィシャル動画からも理解できます。ここでは、注目のXW-PD1でジューク・トラックの制作からパフォーマンスまでを行い、そのポテンシャルに迫ってみたいと思います。
DJ感覚のシンプルな操作性はハードウェアならでは
XW-PD1は、シーケンサー・サンプラー・エフェクター・スピーカーが搭載されたオールインワン・タイプのトラック・メイキング・ガジェットで、これ一台でダンスミュージックの制作からパフォーマンスまでを行うことができます。
XW-PD1には、ドラムやベース、シンセサイザーなどのサンプルが搭載されており、これらのサンプルを16個のドラムパッドにロードして、すぐにトラックを制作できます。さらに人気のダンスミュージックのために作られたシーケンス・パターンも搭載されているので、サンプルとシーケンスを組み合わせて、トラックを作ったり、パフォーマンスを行ったりすることもできます。
すぐに使えるドラム・キットでビート作りも手間いらず
それでは早速ドラムを制作してみます。XW-PD1には、キックやスネアなどのドラムのサンプルがまとまったドラム・キットが用意されています。このドラムキットを使用すると16個のパッドにビートのパーツがロードされるので、すぐにビートを作ることができます。ここでは、このドラム・キットを使用して、ジュークのビートを作ってみたいと思います。
動画では、キック、スネア、ハットの順に入力しています。キックとスネアは、パッドを叩いてリアルタイム・レコーディングで入力し、クローズ・ハットはリング・ディスプレイを使ってステップ・レコーディングで入力しています。また、ロールとして使用しているスネアのパッドでは、「PAD ACTION」モードを使用しており、これにより緻密な打ち込みが可能になります。
あっという間にビーツができあがりましたね。ドラムパッドで演奏した場合、ビートがずれてしまうことがありますが、XW-PD1は自動でクオンタイズしてくれるので、パッドの演奏に慣れていなくても、安心して使えます。
ドラムパッドで演奏できるシンセ・キットも豊富
XW-PD1には、ドラムのサンプル以外に、ベースやシンセサイザーなどのサンプルも用意されています。これらのサンプルはドラムパッドにロードして、音階で演奏することができます。ここでは、ベースとリードのサンプルを使用して、それぞれのパートを作成してみたいと思います。
XW-PD1のドラムパッドは、4つのバンクに分かれています。先ほどのドラムはBank 1にロードしたので、ベースはBank 2に、リードはBank 3にロードして、それぞれのトラックを作成します。
各バンクごとのボリュームの調整も簡単にできるので、リアルタイムで入力したサウンドとトラック全体のバランスをすぐに整えることができて便利です。
パフォーマンス性に優れたエフェクトでトラックが激変
それでは、ここまで制作したトラックを使って、パフォーマンスをしてみましょう。XW-PD1には豊富なエフェクターが搭載されています。さらに外部の音源を入力して、外部音源のサウンドを可変させることもできます。XW-PD1には「MIX FADER」が搭載されており、DJミキサーのようにXW-PD1内部のサウンドと、外部音源のサウンドをミックスしたり、切り替えたりすることができます。
ここでは、作成したトラックにエフェクトを加えてサウンドを変化させたり、XW-PD1に入力したiPhoneアプリのサウンドをミックスさせて、サウンドをスライスさせたりしてパフォーマンスしてみます。
XW-PD1のエフェクトは、専用アプリ「TRACKFORMER STUDIO」を使用して、お好みのエフェクトをドラムパッドにアサインできます。動画では、Bank 4をエフェクト用のバンクとして使用し、ビートとリードのサウンドに個別にエフェクトを加えています。
「TRACKFORMER STUDIO」を使うことで、自分好みのエフェクト・セットを構築できるので、より表現力の高いパフォーマンスを実現できます。
シンプルな機能とサンプラーならではの拡張性でずっと遊べる
XW-PD1は、とにかく機能がシンプルで、迷わずに制作やパフォーマンスをすることができるので、初心者でも安心して使えるプロダクトです。シンプルな機能を補完するエフェクトは種類も多く、専用アプリ「TRACKFORMER STUDIO」で詳細な設定もできるので、高いパフォーマンス性を誇ります。
XW-PD1はサンプラーなので、オリジナルのサンプルをインポートして自分好みのサウンドでトラックを作ることも可能です。また「Master of TRACKFORMER」のウェブサイトでは、アーティストの制作したサンプルや、シーケンスデータが用意されており、これらを使用することで、より本格的なダンスミュージックの制作も可能です。
手軽なトラックメイキング・ガジェットXW-PD1で、ダンスミュージックの制作とパフォーマンスを楽しんでみてはいかがでしょうか。