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デジタルの柔軟性を兼ね備えたアナログシンセ・モンスター『MatrixBrute』でサウンドメイキング!

世界的なシンセサイザー研究家のイヴ・ユッソン氏のアイデアから生まれたMiniBruteやMiniBrute SE、そしてMicroBruteなど、コンパクトなアナログシンセを発表してきたArturiaから、モンスター級のアナログ・シンセサイザーMatrixBruteがリリースされました。

Bruteシリーズで得られた技術の集大成といっても過言ではないMatrixBruteは、Musikmesse 2016と2017でMIPA(Musikmesse International Press Award)シンセサイザー部門の大賞を2年連続で受賞しています。ここでは、注目のアナログシンセMatrixBruteの実力を見ていきたいと思います。

デジタルの柔軟性を兼ね備えたアナログシンセ

Bruteオシレータを3基搭載したMatrixBruteは、100%アナログ・オーディオパスによる重厚なサウンドと、デジタルの利便性を柔軟に両立させており、今の時代にフィットしたアナログ・シンセサイザーと言えます。

メニュー階層が無く全ての操作子を指先ひとつでコントロール可能なMatrixBruteですが、何と言っても目を引くのが256個ものボタンを装備したマトリクスです。MatrixBruteの象徴とも言えるマトリクスでは、複雑なモジュレーション設定やステップシーケンスの作成、プリセットの呼び出しが行えます。

またアナログシンセで最も厄介なのがチューニング問題。アナログシンセは、電源を入れてから回路がある一定の温度に温まるまでチューニングが安定しなかったり、その後も温度によってチューニングが不安定になってしまいます。しかしMatrixBruteにはオートチューニング機能が装備されているので、安定したチューニングで演奏が可能です。

作成したパッチや様々な設定はデジタル制御でメモリーが可能となっており、ArturiaホームページからMIDI Control Centerをダウンロードすれば、PCからでも設定の管理を行うことができます。

アナログならではのパワフルなサウンド

まずはプリセットサウンドをいくつか呼び出して、気になるサウンドをチェックしていきましょう。次の動画では、ピッチベンドやモジュレーションホイール、Steiner-ParkerフィルターやMaster Cutoffノブをコントロールしながら演奏しています。

MatrixBruteには、Steiner-Parkerフィルターラダーフィルターの2種類のフィルターが装備されています。Steiner-Parkerフィルターは、1970年代の貴重なシンセサイザー「Synthacon Synthesizer」の回路図を参考に、Synthaconの開発に深く関わったナイル・スタイナーからアドバイスをもらいながら完成させたフィルターだそうです。もう一つのラダーフィルターは、MOOGタイプのフィルターです。

また、2つのフィルターの真ん中に装備されたMaster Cutoffノブを使えば両方のフィルターを同時に操作することができます。ライブ演奏などではMaster Cutoffノブを使いフィルターを大胆に変化させ、緻密な音作りをする際には、それぞれのフィルターのコントロールと共にDriveつまみで歪みを足したり、Arturia独特の効果を生み出すBrute Factorでローエンドの荒々しさを足していくと良いでしょう。

オーディオモジュレーションで複雑なサウンドを作る

MatrixBruteにはオーディオ・モジュレーションという、オシレータ同士やフィルターを組み合わせて音を変化させるセクションがあります。各オシレータの音を確認しながらさわってみましょう。

さすがのアナログサウンド!ノコギリ波、矩形波、三角波それぞれのオシレータそのものの音の良さは特筆すべき点ですね。音質でも定評のあったMiniBruteやMicroBruteから受け継がれているサウンドで、適度なざらつき感もあり生楽器とのアンサンブルにおいても埋もれないサウンドです。

変調の具合もよく、モジュラーシンセでは各モジュールの組み合わせや順番で、こういった変調を行いますが、つまみだけでここまで多彩な組み合わせができるシンセサイザーはなかなか無いので、面白い音の揺らし方の可能性を感じます。

モノフォニックだけではなくコードにも対応

MatrixBruteはオシレータ自体の音が太く、複雑なモジュレーションを演出できるので単音での演奏に威力を発揮しますが、Paraphonic、Duo Splitというボイス・モードも選択可能です。Paraphonicはポリフォニックとは若干異なり、3つのVCOそれぞれを出力し最大3音までの和音を出すことができます。

Duo Splitはキーボードを上下2つの音域に分割し、それぞれで異なる音色を演奏できるモードです。それではParaphonicとDuo Splitを使用して、演奏してみましょう。

Paraphonicは、コード的なアプローチが必要なシンセ・ストリングスやパッド系、オルガン系の音色で和音を出すときに重宝しますね。

前衛的なサウンドメイキングが可能なモジュレーション

MatrixBruteの象徴とも言える256個のマトリクス・ボタンでは、縦軸のモジュレーションソース(何を送るか)と横軸のデスティネーション(どこに送るか)をアサインして、モジュレーション・ルーティングを行うことができます。

マトリクス

デジタルシンセでは階層をたどりながら設定したり、モジュラーシンセでは配線してルーティングをする操作を、これらのボタンを押してMod Amountつまみで送る量を調整するだけで可能にしています。どこに何をルーティングしているのかを視覚的に確認しやすいのもマトリクスならではの特徴です。

デジタルシンセの液晶画面では何度も階層を切り替えないと確認できなかったり、モジュラーシンセだと配線が乱雑になりわかりづらくなってしまうのですが、MatrixBruteのスマートなデザインは操作性と視認性に優れています。

シーケンスも作成できるマトリクス

そして、マトリクスのモードをSEQに切り替えることで、マトリクスボタンでシーケンスを作成することができます。縦軸に並んでいるMOD、Slide、Accent、Stepを入力可能なシーケンスは、最長64ステップまでのパターンを組むことができます。

ステップ・レコーディングやリアルタイム・レコーディングにも対応しており、作成したシーケンスデータは各音色と共に保存することも可能です。

階層をたどることなくシーケンス全体を視認することができるので、アイデアをすぐに反映させることができます。

またMatrixBruteにはディレイ、コーラス、フランジャー、リバーブのアナログ・エフェクトも装備されています。アナログ・ディレイは、ディレイタイムを変化させるとタイムの変化と共に音色も変調し独特の効果を生み出すのですが、このアナログ・ディレイ独特の効果も忠実に反映されています。

まずはとにかく触ってみよう

今回はMatrixBruteの使い方をいくつか紹介しましたが、何も考えずにまずはとにかく触ってみるのも一つの手だと思います。最近の流行りであるモジュラーシンセに匹敵する、感覚的につまみやマトリクスボタンを操作することで得られる音色変化は多彩です。

最後に頭ではあまり考えずに、MatrixBruteを感覚的に操作してみたのでご覧ください。

各機能を把握して、それに準ずる音色変化を狙い操作することで求めているサウンドを構築するのも一つの方法ですが、例えばTB-303がそうであるように予想に反して出てくる音にかっこよさがある場合も多々有ります。

特にこれまでソフトシンセのみで音作りをしていた人、デジタル・シンセサイザーしか演奏したことがない人などには、アナログ・シンセサイザーの音の太さ、直感的な操作性からくる刺激は強烈だと思います。MatrixBruteで深いシンセサイザーの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

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