コンパクトなボディにパワフルなアナログサウンドを搭載したモノフォニック・シンセサイザーとして、数々のアワードを受賞したArturia社のMiniBrute、MicroBrute。この人気シリーズにアナログ・ドラムマシン「DrumBrute」が新登場。ここでは、DrumBruteを使ってクラブミュージックのドラムを作成し、その魅力に迫ってみたいと思います。
DrumBrute:ファースト・インプレッション
木製サイドパネルを使用した高級感漂うボディに、ドラムの作成に特化した機能がシンプルに配置されたDrumBrute。ドラムのサウンドを作り出すインストゥルメント・コントロール部は12個のパートに分かれており、各パートごとに独立したサウンドシェイプ・パラメータが搭載されています。いくつかのパートでは2種類のインストゥルメントが共有されており、DrumBrute一台だけで17種類のアナログ・ドラム/パーカッションのサウンドを作成することができます。
リアパネルには、全ドラム・パートをまとめて出力可能なミックス・アウト(×1)と、特定のドラムパートのみを出力可能なインディビジュアル・アウト(×12)を装備しており、特定のパートのみに外部エフェクトを加えたい時などに便利です。
また、USB端子、MIDI In/Out端子、クロックIn/Out端子、DINシンク端子を装備しており、ほぼあらゆる外部機器とのシンクが可能となっています。
直感に任せてビートメイキング
DrumBruteには4つのバンクが装備されています。1つのバンクに16のパターンが用意されており、合計で64パターンを使用することができます。
パターンを作成する場合は、ステップモードかアクセントモードを使用します。ステップモードでは、ステップを入力したいパートのドラムパッドを選択して、ステップボタンでステップのオン/オフを切り替えます。
アクセントモードでのステップの入力方法はステップモードと同じですが、アクセントモードを使用した場合、ステップモードに比べて高いベロシティでステップを入力することができます。従って、ステップモードとアクセントモードを併用することで、簡単に抑揚のあるビートを作ることができます。
それでは簡単な4つ打ちのビートを作ってみたいと思います。DrumBruteには、ステップレコーディングとリアルタイムレコーディングの2つのレコーディングモードが搭載されているので、この2つのモードを組み合わせてビートを作ります。
ステップレコーディングでビートの軸を作成して、リアルタイムレコーディングで感覚的にビートの味付けとなるサウンドを加えていくことができるので、スムーズにビートの作成が行えます。
豊富なパラメータを駆使してサウンドメイキング
DrumBruteの各パートには、DecayやPitch、Lavelなどの調整を行うインストゥルメント・コントロールが装備されています。各パートごとに装備されているパラメータは異なりますが、ビートを最も印象付けるキックやスネアには、インパクトやスナップトーンなどのパラメータが装備されており、より詳細な音作りを行うことができます。
ここでは、各パートのインストゥルメント・コントロールを調整して、先ほど作成したドラムのサウンドをブラッシュアップしてみたいと思います。
各パートごとに独立したパラメータが装備されているので、とても調整しやすく、細かなニュアンスも表現できます。また、すべてのパラメータノブを一括して視認できるので、視覚情報的にもとてもわかりやすいですね。
クリエイティブ機能でビートが激変
DrumBruteには、構築したビートを自動的に崩してくれるクリエイティブな機能が搭載されています。
ここでは、ビートにシャッフルの要素を加えるスウィング、ノートデータとダイナミクスに自然な変化を加えるランダムネス、任意の範囲でループ再生するルーパー、各パートごとに異なる拍子を指定することができるポリリズム、全体的なサウンドをコントロールするフィルターを使用して、ビートに変化を加えてみたいと思います。
ルーパーとランダムネスは、リアルタイムで効果的に変化を加えることができるので、簡単なビートを作成するだけで、たくさんのビートパターンを作り出すことができます。これらの機能はフィルターと共に、ライブパフォーマンスの際にもとても重宝しそうです。
またポリリズムも、ビートを再構築できる機能として、ビートパターンのアイデアを得ることができます。考えながら各パートの小節を調整するよりも、適当に小節数を設定していくことで、思いがけないビートに出会えます。
まとめ
各パートが独立したドラムマシンDrumBruteは、パターンの作成からサウンドのエディットまで、一連の流れをスムーズに行うことができ、あっという間にビートができてしまう印象です。
また作成したビートは、インディビジュアルアウトから各パートごとに出力可能なので、例えば、DAWでスネアやハットなどの個別のサウンドごとにエフェクトを加えて、さらに追い込んだサウンドメイキングを行うこともできます。
ハードウェアならでは操作性と豊富なパラメータを装備したDrumBruteなら、ストレスなく革新的なビートを生み出すことができ、ドラムのクオリティを向上させたいクリエーターや、もっとスムーズに作業を行いたいクリエーターには特にオススメです。
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