サウンドにリアルタイムでエフェクトを加えて、トラックを進化させる独特の音楽手法ダブ。レゲエを起源とするダブは、テクノやダブステップの楽曲や、多くのジャンルでのダブ・リミックス・バージョンのリリースにより、以外と身近に存在しています。
そんなダブを代表するエンジニアのAdrian Sherwoodと、ミニマルな要素を取り入れたダブステップで人気のPinchによる、ダブ・セッション・ビデオを紹介。
ニューヨークの音楽スクールDubspotにより制作されたビデオでは、それぞれのライブで使用する機材を用いたダブセットについて解説されています。
2人のダブマスターによるセッションは、12分35秒からスタートします。
出典:YouTube
Adrian Sherwoodの使用機材は、ダブミックスの核とも言えるアナログミキサーにMAIDAS/VENIS 240、空間的なサウンド効果を作り出すリバーブにEventide/Space、テープエコーの銘機として人気のRE-201のモデリング・バージョンのRoland/RE-20を使用しています。
ミキサーとエフェクトによる効果的なダブ処理に加えて、デジタル・パーカッションのRoland/SPD-Sに取り込んだサンプルを発音させています。
一方のPinchはパソコンを使用した現代的なセットで、シーケンサーにはAbleton/Liveを使用し、コントローラのAKAI/APC40でAbleton/Live内のエフェクトやミキサーをコントロールしています。
Adrian Sherwoodの影響なのか、Roland/SPD-Sの後継機種のSPD-SXを使用して、サンプルを加えています。
同様のパフォーマンスを行うにも関わらず、ハードウェアとパソコンでは、ここまでライブセットの規模感に違いがでます。現場でのライブを考えるとパソコンを使用した方が移動とスペース的にメリットがありますが、ハードウェアの場合はサウンド・クオリティの優位性はもちろんですが、ハードウェアをコントロールするその姿が格好いいですね。
ダブ処理を行うために、プレイするトラックは、サウンドの隙間が保たれたシンプルな構成となっており、スネアやボーカルにエフェクトをかけてトラックにエフェクトの残響音を加えて、ライブ感溢れる独特なダブ・ワールドを創り出します。
世の中には、ダブ処理による多くの心地よい音楽が存在します。ぜひあなたの脳を刺激するダブを見つけて、制作に取り入れてみてはいかがでしょうか?きっと新たな可能性が引き出されるはずです!