沈黙は金なりということわざがありますが、これが当てはまらないケースも存在します。ここでは、ミックス後のオーディオファイルをマスタリングに出す前に、やっておくべき5つのことを紹介します。
1.ミックスをクリーンアップ
トラックを作ると同時にルームも作られます。トラックを増やす前にきちんとミックスをクリーンアップしましょう。
- エディットポイントをチェックする:ミキシング時に編集した全ての箇所をチェックしましょう。エディットポイントを注意深く聴いてください。フェードが滑らかで、いきなり音切れしたり、ドロップアウトしていないか確認しましょう。スムーズなフェードは良いフェードです。
- トラックをソロで聴いてみる:各トラックを個別に聴いてみましょう。正しくフェードイン/フェードアウトされているかチェックしてください。これらは一旦エクスポートすると修正不可能な部分です。手遅れになる前に必ず確認しましょう。
- 不要な音を処理する:ポップノイズやクリック音など、ミックスに紛れ込んだ不要な音は取り除きましょう。音の異物を処理する最後のチャンスです。トラックをソロモードでチェックして、取り残しが無いようにしてください。マスタリングすると、こういったノイズが強調されてしまうので気をつけましょう。
2. ヘッドルームの確保
ミキシング作業中はヘッドルームを常に気にしていると思いますが、ここでもチェックが必要です。マスタリングツールを使う上で、最も重要なキーポイントと言っても過言ではありません。
トラックの最も音が大きな所から0dbまで、大体6db程度のスペースを空けておく必要があります。マスターバスにはリミッターをかけないようにしましょう。ディザリングと同じく、マスタリングはそのあたりのことをうまく処理してくれます。
3. トラックの始まりを確認
トラックの最初に聴こえるべき音は、無音(サイレンス)です。マスタリング作業にはスペースが必要です。トラックの最初に1小節空きを作っておきましょう。このスペースがあることで、後々イントロやフェードインに手を加えることも可能になります。
4. トラックの終わりを確認
トラックの最後に聴くべき音も無音(サイレンス)です。ここにも1小節分空きを作ります。フェードアウトの後にきちんと空きを作っておくことで、リバーブやディレイは完全にフェードアウトします。
ディレイやリバーブを加えた音は予想より長く続くため、どのようにテイルオフするか確認しておきましょう。トラックの一番最後にディレイがカットされて終わるなんていうのは最悪なパターンです。
ポイント: リバーブとディレイのテイルがいつ終わるのか、ヘッドフォンを使って確かめましょう
曲の最後に無音の時間があると、リスナーも余韻を楽しむことができますよ。
5. トラックを聴いて最終確認
ヘッドフォンで曲を最初から最後まで聴いてみましょう。1回だけとは言わずに、2回は聴いてみてください。これが全てを確認する最後のチャンスです。
一度目は上記でお伝えしたテクニカルな部分(ノイズ、フェード、エディットポイント、リバーブ、ディレイテイルなど)に特に注意して聴きます。
ポイント: DAWで使用するリバーブとディレイのほとんどは、設定した長さですぐにテイルオフしないことを覚えておいてください
これでクリーニングは終わりです。もう一度楽曲を聴いてみましょう。但しここでは客観的に、ミキサーとしてではなく純粋に音楽を楽しむ一個人として聴いてみてください。トラックはイメージ通りの仕上がりになっていますか?全て狙った通りに聴こえていますか?
答えがイエスなら、仕上げは完了です。
いざマスターへ
これであなたのトラックは完璧に磨き上げられ、マスタリング前の準備が整いました。マスタリングの工程へ進んでください。ウェブ上で手軽にマスタリングを行えるLANDRもご利用ください!
引用元:Landr
ライター:Scott Parsons