世界で初めてホログラムを用いた交響曲とダンスの総合芸術「Symphony To A Lost Generation」の神秘的な世界

作曲家Adam Donenは、第一次世界大戦をテーマにした交響曲と、ホログラム、ダンスを組み合わせた総合芸術「Symphony To A Lost Generation」を創造します。この作品には総勢250人の役者やダンサーが出演し、演奏はウィーン合唱団とリトアニア国立交響楽団、さらにホログラムを用いた映像で、今までにない芸術が繰り広げられます。

ホログラムと交響曲を結びつけるという非常に難しいチャレンジを成し遂げたAdam Donenは、オーケストラを独学で学んでおり、もともとはポップ・ロックのミュージシャンという面白い経歴の持ち主です。大学では文学を学んでおり、このような彼の多様な経験が、作品の根底にあります。

出典:YouTube

Adam DonenはThe Guardianのインタビューにおいて、ヘーゲルやジジェクといった哲学者や、トマス・スターンズ・エリオットやベルトルト・ブレヒトといった劇作家、さらにアンセルム・キーファー、ジョージ・ベースリッツといった画家からの影響を述べています。そのリファレンス・リストは膨大なもので、様々なコンテクストを練り上げ、第一次世界大戦の悲劇を描きました。

この作品の芸術性の高さは、クラシック、ダンス、ホログラム、哲学、文学といった複合的な要素をまとめ上げた部分に由来します。一つのジャンルを極めることはとても難しいことですが、彼のように異なる要素を組み合わせて作品を作り上げるには、更なる才能が必要です。

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ホログラムの舞台芸術における可能性は凄まじく、投影対象となるスクリーンなどが必要ないために、どんなポジションへも映像を映し出すことができることから、プロジェクション・マッピングよりもさらに自由度の高い演出が可能です。

映写機とスクリーンがエンターテインメントの世界を変えたように、ホログラムが新しいエンターテインメントを想像する瞬間に、私たちは立ち会っているのかもしれません。今後も音楽とホログラムを融合させたアートが驚きを与えてくれることに期待したいですね。

引用元/画像出典:The Guardian