ペイントされた地下鉄が街中に。70年代ニューヨークの初期グラフィティ・シーンを収めたリアルな動画

ヒップホップの4大要素といわれる、ラップ、DJ、ブレイクダンス、グラフィティ。なかでも、迷惑行為にあたるグラフィティについては露出が少なく、レコードジャケットや写真集で目にするのがほとんどで、そのシーンに触れる機会は多くありません。そんな、1970年代のニューヨークのグラフィティ・シーンに迫ったBBCのドキュメンタリーが「Watching My Name Go By」話題を集めています。

グラフィティシーンを題材にした書籍といえば「Subway Art」が有名ですが、その10年も前にデザイナーのMervyn KurlanskyとフォトグラファーのJon Naarによるニューヨークの初期グラフィティ・シーンをテーマにした出版物「Watching My Name Go By」があります。このWatching My Name Go Byの出版から2年後に制作された同タイトルの動画では、ニューヨークで盛り上がり始めたグラフィティ・シーンがリアルに描かれています。

出典:YouTube

今では見られない、グラフィティだらけの地下鉄が走り抜ける映像は、かなり新鮮ですね(笑)。車内もタギングまみれ。。まだ初期の頃なので、取り締まりも強化されず、そこら中にグラフィティが溢れていることが分かります。

当時はただのいたずら書きと思われていたグラフィティもシーンを代表するアーティストが誕生し、現在ではアートとして認識されるまでになりました。もしかしたら、犯罪すれすれの特殊な環境で生まれたグラフィティこそ、ヒップホップが誕生した時のリアルな雰囲気を保ち続けるカルチャーなのかもしれませんね。今後もリアルなストリート・カルチャーの要素を持った、よりクリエイティブな作品が楽しみです。