世界中の音楽ファンにハイレゾで音楽を。ニール・ヤングの新たな挑戦

ニール・ヤングが発案した高音質音楽サービス「Pono Music」。世界中の音楽ファンにハイレゾで音楽を届けるというニール・ヤングのアイデアは、ジャック・ホワイトをはじめとする多くのアーティストから称賛を得て、多額の資金を集めました。

しかし、定額制の音楽ストリーミングサービス「Spotify」などの台頭により、過去の遺物となってしまったPono Musicは、昨年、Ponoプレーヤーとダウンロードサービス事業を停止。その試みは、失敗に終わりました。

Pono Music失敗の要因

ニール・ヤングはPono Music失敗の要因について、定額制の音楽ストリーミングサービスの台頭によるものではないとしています。その一つとして、メジャーレーベルとの契約について言及し、レーベルがハイレゾ音源に通常の2、3倍の料金を請求したためだと主張しています。

同じ曲に3倍もの料金を払いたい人がいるでしょうか?すべての音楽は同じ金額であるべきだと考えます。ファイルの転送にはお金はかかりません。さらに現在のストリーミングでは(不正なファイル共有の懸念も)問題ありません。ストリームできるなら、だれがコピーしたいと思うでしょうか?レコード会社がハイレゾ音源に通常の3倍もの料金を請求したことで、ハイレゾ音楽は潰されました。とても愚かなことです。

Ponoが提供するハイレゾのフルアルバムの価格は20ドル~28ドルでしたが、iTunesなどではその半分の価格で販売されていました。

ニール・ヤングの新たな挑戦

現在ニール・ヤングは、ハイレゾ・ストリーミング・プラットフォーム「XStream」の確立に力を注いでいます。XStreamは近頃開設されたウェブサイト「Neil Young Archives」上で利用でき、現在は無料で利用可能です。また、6ヶ月以上の継続利用を希望するファン向けに、いくつかの有料プランを用意する予定もあるとしています。

定額制の音楽ストリーミングサービスの台頭という最悪なタイミングにより、苦杯をなめる形となったPono Music。しかし、定額制の音楽ストリーミングサービスが浸透したことで、より良い音質で音楽を楽しみたいというニーズが増えていくかもしれません。

音楽の聴き方が多様化する現代。世界中の音楽ファンにハイレゾで音楽を届けるというニール・ヤングの挑戦は続きます。

引用元:Digital Music News