若くして他界したミュージシャンにまつわる都市伝説とジャンルごとのリアルな寿命の調査結果

なんとなく短命なイメージが強いミュージシャン。素晴らしい才能を持ち合わせた有名ミュージシャンだからこそ、亡くなった時のインパクトは強く、ファンの失望感は計り知れません。それでは実際にミュージシャンの寿命はどのくらいなのでしょうか?

シドニー大学の Dianna.T.Kenny は、ミュージシャンとミュージシャンではない人の寿命の比較、著名なアーティストが27歳で死を迎えると言われる都市伝説「27 Club」の調査結果、そして性別・ジャンル別で分けたミュージシャンの寿命について検証しています。

musicians-life-expectancy-1出典:The Conversation

ジャンルごとの平均寿命を表した上部のグラフから、ミュージシャンは一般人に比べて性別による寿命の長さに違いが無いことが分かります。ワールドミュージックにおいては、男性に比べて圧倒的に女性の方が寿命が長く、ブルース、ジャズ、カントリーに至っては、一般人よりも長生きの傾向にあるようです。

一般的に暴力的で反社会的なイメージを持たれる、パンク、メタル、ヒップホップの寿命は短く、ある種ジャンルのイメージ通りの結果を表しているようにも見えます。しかし、それらのジャンル自体が新しい音楽で高齢なアーティストが少ないことが平均寿命を引き下げている大きな要因です。

musicians-life-expectancy-2出典:The Conversation

表の死因の日本語訳

  • Accidental → 事故死
  • Suicide → 自殺
  • Homicide → 殺人事件
  • Heart Related → 寿命
  • Cancer → 癌

ジャンルごとの死因を見てみると、ヒップホップの半数以上が殺人事件によるもので、パンクとメタルでは事故や自殺が多いようです。また、ブルース、ジャズ、カントリーなどの長い歴史を持つジャンルでは、寿命により亡くなる割合が多いことが分かります。ドラッグやお酒の多量摂取によるものは事故死として扱われているので、ロック、パンク、メタルの事故死にはそれらが多数含まれていることが推測されます。

この調査結果からミュージシャンの死因は、一般的なジャンルのイメージに近い結果と言えなくもないですが。。歴史の浅いジャンルでは高齢者のミュージシャンが少ないため寿命以外の死因が多い状況ではありますが、これらの悲劇を本来回避できたかもしれないと考えると悔やまれてなりません。今後、このような死因が少なくなることを祈るばかりです。

記事参照:Dangerous Minds
トップ画像出典:Foter