『100% CD HATA視点の音楽史 Vol.3』ツインドラムの巻

soundropeをご覧の皆様こんにちは!Dachamboシンセサイザー担当CD HATAです。Dachamboというツインドラムのバンドをやっているのですが、今回はツインドラムに関して、CD HATA視点で紐解いていこうと思います。

通常 バンドにドラムは一人ですよね。10代の時バンドのメンバーを集める際は、ドラム人口が一番少なく、良いドラマーをバンドに入れるのが一苦労でした。そんな中、一つのバンドにドラムを2人配置するという、なんとも贅沢なバンドもいるのです。Dachamboにも、BUKKABILLYとYAOという2人のドラマーがいます。Dachambo以外でも、世界のスーパーギタリストKENJI JAMMERさんと、KENJI JAMMER feat.Dachambo Rhythm Sectionsというセッションユニットもやっていました。

出典:YouTube

さっそく、その2人に「ツインドラムとは」ということで語ってもらいました。

BUKKABILLY(以下、B):「基本的なベーシックなグルーヴは俺が出してます。隙間をきちんとつくってYAOが遊べるスペースをつくることを意識してます。」

YAO(以下、Y):「一人じゃできないことができるからいいよね。パーカッシブなアプローチを意識し、パーカッションとドラムの中間を狙ってます。違う人間なんで、それぞれもってるグルーヴは違うわけで、それを組み合わせるってことは面白いものが生まれるよね。ドラムセットの起源って、1920年ごろアメリカで生まれたのかな、元々一人でリズムパートをやるってことで生まれたものなんだけど、それを2人でやるってことは有意義だと思うよ。」

HATA(以下、H):「王道のツインドラムって、Grateful Dead、The Allman Brothers Band、LYNYRD SKYNYRDとか、アメリカのバンドで多い気がするんだけど、なんでだと思う?」

Y:「国内で大きなトレーラーを使って移動できるからじゃない?」

H:「DachamboもDachamboバスがあるから荷物は沢山詰めるね。」

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B:「アメリカ人は発想が大きいっていうのもあるんじゃない。」

Y:「日本みたいに家が小さいと無理だけど、自宅の大きな家でドラム叩ける環境があって、ガレージとかでドラムセットが2つ置ければ、2人で一緒に叩いてみようよって話にもなるんじゃないかな。」

B:「音の空間意識が大きいっていうのもあるんじゃないかな。彼らはシンプルなプレイでも音像を大きく持ってる気がする。」

Dachamboはフェス番長と言われている程、野外イベントに出演することが多いのですが、特に野外だと、室内の反射がある音響に比べて、音が大きく広がっていくので、ドラムが2人いることによって迫力が表現できるという面もあると思います。そんなDachmaboは、9/22(火・祝)に横浜THUMBSUPでワンマンライブをやります。ライブも2回、2SETやりますので、お楽しみに!

絶賛CDリリースツアー中のDachamboですが、先日は愛知~広島~九州Sunset Liveとまわってきました。Sunset Liveでも御一緒で、さらにその後の福岡市内で行われたDJ FUMIによる「みーふー」というモンスターパーティーでもCD HATAで御一緒した「RaBiRaBi」という、2人の打楽器と声の独創楽団がいます。

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通常のドラムセットとは、また一風かわったセットを組んでいる2人にもお話を聞いてみましたので紹介します。

NANA(以下、N):「元々、二人ともドラマーなんですよ。ただドラムセットが無い場所でもライブをやる機会が増えてきて、自分のセットを持たなきゃならなくなった時に、最初にキック1個を手に入れて、その次にカホンを手に入れて、カホンは素手で叩く楽器なんですが、気づいたらシンバルも素手で叩いてて、スティックを持たないスタイルになってましたね。」

Piko(以下、P):「元々、ラビラビはアズミとナナの2人のバンドで、自分はゲストとして参加してたんですが、吸収合併されて(ちなみにこのインタビューは九州でやってますw)、今はメンバーとして活動してます。」

HATA(以下、H):「いわゆるツインドラムって形態とは違った打楽器2人の構成だと思うんだけど、意識してることとかある?」

P:「音程とかサスティンがかぶらないような楽器選びはしてますね。ドラムとパーカッションという組み合わせだったり、ドラマー同士がお互いをぶつけ合うようなスタイルよりも、二人で一個の楽器を演奏してるイメージかな。僕の両手(Pikoさんは足で踏む打楽器は使っていない為)とNANAの両手両足という、6本の手足がある一人のドラマーが演奏している感覚かもしれないね。」

H:「バンド的なリズムの構築概念とクラブミュージック的リズムの構築概念って、感覚が違うように感じるんだけど、ラビラビはバンド的でありつつもクラブミュージック的構築概念が強い気がする。」

P:「最近感じるんだけど、打ち込みのリズムでつくられてる作品も、人力のリズムでつくられてる作品も、同じある気持ちよさに向かって近づいてる気がしてる。」

H:「人が気持ちいいって感じる要素って共通なものがあるかもしれないね。特に打ち込みなんかは、テクノロジーの発達で今まで出来なかったことが出来るようになって、それに近づいてるのはあるかも?人力でやってる人もそういう音楽に感化されて、新しい面も出てきて、お互いが近づいてるのかもしれないね。」

N:「結局、パッて聞いて、一瞬で気持ちいいか、そうでないかってわかるじゃないですか。特にリズムなんかそうだと思う。」

AZUMI「私は音楽的にもそうですけど、人間的に信用できる2人にリズムを任せて、その上に声をのせられるのは幸せですね。自分の人生に最適な2人のリズム隊がいるのは最高です!」

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RaBiRaBiさんとは昔からいろいろな所で御一緒してます。初めてゆっくりしゃべったのは、そうとう昔、新潟の十日町だったと思う。RaBiRaBiもDachamboも、やっぱり野外で聴くには気持ちいいよね。RaBiRaBiさんは、りんご音楽祭などに出演します。Dachamboもまだまだ野外フェスが続き、10月31日~11月3日に三河高原キャンプ村で行われるLove Saves the Dreamには、RaBiRaBiもDachamboも出演します。是非、遊びに来てね!

その他にもツインドラムといえば、このコーナーに登場しているROVOやSTROBO、また70年代には、めんたんぴんがツインドラムだったり、寺内タケシとブルージーンズもツインドラムだった時期もあるそうです。ポピュラーなところでも、椎名林檎の「虚言症」がツインドラムだったり、YUKIとCharaによるツインドラムのバンド「Mean Machine」とかもありましたね。

https://www.youtube.com/watch?v=TavJcdrvzPY

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また、DE DE MOUSEくんもDE DE MOUSE + Drumrollsというツインドラムの編成でやったり

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このDE DEくんのライブ、俺も会場に見に行った!
そして、ジグジグスパトニックはエレドラのツインドラムという

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いろいろなのがありますが、ドラムの音は生で体感するのが一番気持ちいいと思います。みなさんも機会がありましたらライブ会場で体感してみてはいかがでしょうか!