「The Specials」のメンバーが手がけるミックステープをモチーフにしたポップアート

1970年代のイギリスで、パンクとスカが融合して生まれたジャンル「2トーン・スカ」のパイオニア「The Specials」。2度の活動休止を経て2008年に再結成されたThe SpecialsのベーシストHorace Panterは、ミックステープをモチーフにしたポップアートでも注目される人物です。

使い捨ての存在「カセットテープ」を使ったポップアート

1953年にロンドンで生まれたHorace Panterは、1975年にコベントリーのランチェスター科学技術大学で美術を学びました。そこで彼はドラマーのジェリーに出会い、1980年代で最も成功したバンドのひとつであるThe Specialsを結成しました。彼はミュージシャンとして世界を巡り、1998年から2008年にかけては中学校で芸術の教鞭を執っていたという経歴も持ちます。
2008年のThe Specials再結成と共に、自身の芸術を実践する時だと感じたHorace Panterは、ロンドンで数回の展示会を開催してきました。2014年にはシンガポールでも作品が展示され、バーミンガムのReuben Colley Fine Art Galleryでは彼の作品は常設展示されています。そして、5/19から6/30にかけては、ロンドンのギャラリーProud Archivisで単独の展示会「THE ART OF THE MIXTAPE」が開催されます。

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mixtape-art-3出典:Horace Panter Art

ビートルズの「Sgt Pepper’s Lonely Hearts Club Band」のカバーデザインで有名なPeter Blakeや、Kenneth Noland、Wayne Thiebaud、Joseph Cornellなどのアーティストから影響を受けたHorace Panterの作品は、彼の尊敬する音楽家に捧げられています。

mixtape-art-2出典:Horace Panter Art

Horace Panterは「デモカセットテープはヒット曲の基となるものですが、それらは基本的に使い捨ての存在でした。私はしばしばそれらのテープを使って、自分用のミックステープ作りました。」と語っています。
大量生産や大量消費社会をテーマにするポップアートの題材にカセットテープを使用した彼の作品は、デジタルファイル化された音楽で溢れた現代に対するアンチテーゼとも取れそうです。

ミュージシャンとしてのHorace Panter

冒頭でも紹介したとおりHorace Panterは、2トーン・スカのパイオニア「The Specials」のベーシストととしても有名です。

出典:YouTube

ユース向けメディアVICEの音楽チャンネルNoiseyで公開されている、2トーン・スカのドキュメンタリー動画(*日本語字幕無し)では、The Specialsも所属するシーンの最重要レーベル「2トーン・レコード」創設の背景と80~90年代のスカ・ムーブメントについて語られています。Horace Panter本人も出演する動画では、彼のミュージシャンとしての側面にも触れることができます。

出典:YouTube

Horace Panterのウェブサイトでは、彼のその他の作品も公開されているので、The Specialsの音楽と共にお楽しみください!

Horace Panterのウェブサイトをチェック

引用元:Proud Archivis
トップ画像出典:Horace Panter Art