『monologue』で現代的なアナログ体験を。モノフォニックならではの重厚なサウンドと進化したシーケンサーが凄い

今年1月にKORGから発売されたアナログ・シンセサイザー「minilogue」のモノフォニック・バージョン「monologue」が新登場。この注目のアナログシンセmonologueにしかない独自の機能とサウンドにフォーカスして、その魅力をご紹介します。

自分好みの一台が見つかる豊富なカラーバリエーション

monologueは、音色のエディットに必要なノブがシンプルに配置されており、直感的にサウンドメイキングを楽しむことができます。ディスプレイには、コントロールしたパラメーターの値が表示されるので、より正確なエディットが可能。エディット後のサウンドは波形として表示されるので、初心者でも安心して使用することができます。

自身で作成したサウンドはメモリー可能で、いつでもすぐに呼び出して演奏や曲作りにハマれます。また、アナログシンセには珍しく、豊富なカラーバリエーションがラインナップされており、ビジュアル的にも楽しめるのが魅力です。

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モノフォニックだからこその重厚感

monologueのプリセット・サウンドにはシーケンス・データが搭載されており、鍵盤を押すだけで誰でも簡単に印象的なパターンを作成することができます。

ここではEDM風のダッキングが加えられたプリセット・サウンド「 Pump Driver」の、フィルター・カットオフやオシレーター・シェイプなどをコントロールして、簡単なサウンド・メイキングをしてみたいと思います。

ちょっとしたエディットだけで、これだけの表現が可能です。monologueには現代的な音楽を意識した、いけてるサウンドが豊富に搭載されているので、誰でもすぐにクールなサウンドを生み出すことができます。

進化したシーケンサーの柔軟性が凄い

monologue最大の特徴は、多彩なパターンを作れるシーケンサーです。monologueのシーケンスの作成方法には、リアルタイム・レコーディングとステップ・レコーディングの2つの方法がありますが、ここではリアルタイム・レコーディングを使用してシーケンスを作成していきます。

まずはリアルタイム・レコーディングとMicro Tuning機能を応用して、スケールやコードが苦手な人でもメロディを外さない設定にしてシーケンスを作成してみます。

Micro Tuning機能は、純正律などの平均律以外の調律を実現するための機能ですが、monologueのMicro Tuningはさらに拡張されており、押された鍵盤に対して発音をする音高を設定することができる機能です。つまりCを押したらDの音がなるように設定できます。

この機能を用いれば、どの鍵盤を押してもスケールアウトしないので、鍵盤が苦手な方でもライブパフォーマンスを簡単に行うことができます。

次に、リアルタイム・レコーディングでシーケンスを作成後に、パラメーターの動きを記録できるモーション・シーケンス機能を使って、動きのあるパターンを作成してみます。

monologueのシーケンサーは最大16ステップあり、ちょっとしたベースラインやメロディを打ち込むことができるので、アルペジエイターでは作ることのできないサウンドを生成することができます。

volcaと連動して手軽にアナログを楽しむ

最後に、KORGのリズムマシーンvolca beatsとmonologueを連携。最も手軽な完全アナログ・セットで、パフォーマンスをしてみたいと思います。

最初の音色はシーケンスに記録したメロディを、かなり早めのBPMで再生しながら手弾きすることで特殊な効果を演出。2つ目以降の音色では、シーケンサーでパターンを再生させながらフィルターやLFOなどをコントロールして、音色を変化をさせています。

monologueにはvolcaなどの外部音源と同期できるSYNC入出力端子と、MIDI端子が搭載されています。その他の機器と連携することで、monologueの可能性をさらに広げることができます。

まとめ

初心者へのおすすめポイントは、全ての操作端子がパネル上に配置されており、エディットの結果がディスプレイに表示されるので、直感的に扱えるという点です。

また、設定できる項目が少なく、シンプルでわかりやすいところも良いですね。プリセットも現代的なサウンドからレトロなサウンドまで網羅されているので、即戦力間違いなしです。

上級者へのおすすめポイントは、やはりシーケンサーです。モーションシーケンスは、MASTER、TEMPO、OCTAVE以外のノブ/ス イッチを、最大4つまで記録できます。EGカーブの変更や、LFOの効果を加える対象の変更も記録可能なので、普通では有り得ないような複雑なサウンドを生成することもできます。

monologueは、フレキシブルなシーケンサー、スケールを設定できるMicro Tuningといった、各機能が見事に統合されることで、従来のシンセサイザーとは異なったサウンドを作り出せるところが素晴らしいですね。

過去の名機でも、スペックだけを見ればなんということはないのに、楽器として完成しているものがありますが、monologueも同じように名機として愛され続けるのではないでしょうか。

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