自身の音楽を追求するために名声を捨てた元Red Hot Chili Peppersのギタリスト「ジョン・フルシアンテ」

ジョン・フルシアンテというミュージシャンをご存知でしょうか?おそらくsoundrope読者の皆さんなら一度は聞いたことがありそうな、あのRed Hot Chili Peppersのギタリストとして世界中の脚光を浴びた人物です。「枯れたギター」と称される彼の情緒的なサウンドは、芸術的ともいえる響きでオーディエンスを魅了してきました。彼がレッチリを脱退してからすでに6年。現在、彼はエレクトロニック・ミュージックやアンビエント・ミュージックの世界で新たな表現にチャレンジしています。

彼は、Red Hot Chili Peppers脱退後に音楽に対する考え方が大きく変化したようです。海外メディアElectronic Beatsのインタビューでは「もはやポピュラー・ミュージックのような消費されるだけの音楽をリリースするつもりはない」と話しており、売上だけを目的とした音楽から離れ、より実験的な音楽で自身を表現しています。

しかし、ポピュラー・ミュージックを捨てた彼にはファンがついて来ないという現実が待っていました。その現実を受け止めて、彼は次のように語っています。

「もしあの時、いやしくも大衆を考慮していたなら、僕は未だに成長できていなかっただろうし、何も学べなかったと思う。今暫くの間、僕はひそかに楽器を練習する、エレクトロニック・ミュージシャンなんだ。でも、リリースできなかった時期からここ数年間は、本質的な価値を見出すための、良い時間だったと感じているよ。」

john-frusciante-1出典:Foter

これまでの名声を捨て、自身の音楽の追求のために生きるという選択をしたジョン・フルシアンテ。彼の音楽との向き合い方は大きく変わったようです。

「僕が作る音楽は、クラシックなものや、美しい旋律、あるいはリズミカルでテンポが曲の途中で変化するようなものが多い。でも、今の僕には残念ながら、僕の活動を応援してくれるオーディエンスがいない。トラックの制作に取り掛かっても完成させず、誰にも聴かせていない。つまりそれは、僕自身が音楽と一緒に暮らしているようなものなんだ。生活のなかで音楽が空気のような存在になっているんだ。」

ジョン・フルシアンテが追究する音楽は、今年の4月にリリースされたアルバム「Trickfinger」で聴くことができます。

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出典:Soundcloud

ジョン・フルシアンテが掴んだ名声の大きさは計り知れませんが、その名声を投げ出してまでも自分の音楽を追求する姿勢には驚かされるばかりです。成功を捨てる決断をできる人間は、そう多くはないはずです。それでも、アーティストとしての成長を選んだ彼の音楽には、きっと明るい未来が待っているような気がします。彼の音楽が評価されることが、現在主流の消費されるだけの音楽に一石を投じる可能性もあります。今後の彼の音楽とその動向が注目されます。

ジョン・フルシアンテのウェブサイトをチェック

引用元:CONSEQUENCE OF SOUND
トップ画像:Ben Gibbs