過去10年の北米におけるギターの市場動向。エレクトリックギターの販売数が減少するも、アコースティックギターは増加

米メディアDigital Music Newsが、大手楽器販売店Guitar Centerが公表した、北米におけるギターの年度別売上げデータを紹介。このデータによると、2008年から2017年のエレキギターの売上げ本数がおよそ23%減少、対してアコースティックギターはおよそ15%増加しています。

2017年のエレキギターの売上げは2008年に比べて若干増加していますが、その平均価格を見てみると2008年のエレキギターが390ドル、2017年は525ドルとなっており、この価格の高騰が売上げ増加の要因となっているようです。また、売上げの増加に対して、エレキギターの売上げ本数が減少している背景には、エントリーモデルなどの手頃なギターを求める若者にとって、高額なエレキギターは手が出しにくく、購入の障壁となっていることが伺えます。

出典:Digital Music News

2017年のアコースティックギターの販売本数は151万本となっており、2008年に比べて売上げと販売本数ともに増加。エレキギターと同じように、平均価格は359ドルから490ドルと上昇していますが、売上げ本数自体も好調です。

Digital Music Newsは、アコースティックギターの好調の要因について、次のような見解を述べています。

アコースティックギターのカテゴリーには、バンジョーやマンドリンなども含まれます。流行の兆しを見せているウクレレは別のカテゴリですが、バンジョーを用いたバンドMumford & Sonsの大成功により、アコースティック楽器が注目されているのかもしれません。

また、レコードと同様に、アコースティックギターのレトロでアナログな感じが、その人気の一因に挙げられそうです。

先日、ギブソンの倒産が伝えられたばかりですが、Digital Music Newsによると、ギターセンターも負債を抱えており、破産法の手続きを踏む可能性も大いにありえると伝えています。

これまでの楽器市場においては、製造メーカーや販売店主導の時代が続いてきましたが、これからは消費者のニーズに沿った早急な変革が求められそうです。

出典:Digital Music News