エレクトロニック・ミュージックを中心に良質な作品のリリースを続ける日本国内の インディー・レーベル [Vol.4]

「エレクトロニック・ミュージックを中心に、国籍、ジャンル、シーンの枠に縛られず良質な作品のリリースを続ける日本国内のインディー・レーベル」をご紹介させていただくシリーズの第4回目は、今年で2005年のレーベル発足から10年を迎える東京のmoph records。

moph records

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レーベル・サイトのトップ・ページで「特定のシーンやジャンルに縛られることなく、良質な作品を発表していきます。」と表明しているように、まさにこのシリーズの表題通りのアティテュードを掲げて、クオリティの高い作品のリリースを続けているレーベルになります。

フィジカル・リリースだけでなくデジタル・リリースの作品も多く、またライヴに定評のあるレーベルのアーティスト/DJ達によるイベントも好評を博しており、音源のリリースと共にライヴ/イベントでも積極的な発信を続けています。ちなみにレーベル名は当初「moph record」でしたが、2011年に変更されて、現在のオフィシャルの表記は「moph records」となっています。

DJ SODEYAMA『TWELVE PROCESSING』

本稿掲載時点でのレーベルの最新作となる、世界各地でツアーを敢行するなどワールドワイドな活動をしているDJ SODEYAMAの新作アルバム。巧みなプロダクションで多彩な情景を見せる繊細で美しいミニマル・テクノ~ミニマル・ハウス。

Yuki Matsumura『Without a Break』

高知県出身の電子音楽家Yuki Matsumuraの2015年作の1stアルバム。独特の構築美を感じさせる緻密で硬質なビートが鋭く刻まれる、ミニマルでアブストラクトな異形のエレクトロニック・ミュージック。

repeat pattern『counting backwards』

写真家としても活躍するアメリカ出身のビートメイカーの2014年作の1stミニ・アルバム。凝ったリズミカルなビートと浮遊感のある幻想的なサウンドが溶け合った、アンビエントやエクスペリメンタル・ミュージックともリンクするエレクトロニカ~ダウンテンポ。

N.D.『NUL 0 00』

国籍、性別不明の匿名ユニットN.D.の2004年作のデビュー・アルバム。記号的で無機質なサウンドと温もりのある有機的なサウンドが複雑に絡み合い構築された、美しくもアヴァンギャルドな作品。

lycoriscoris『Until then』

都内を中心に活動しているアーティストlycoriscorisの2013年作の2ndアルバム。ジャズ、ヒップホップ、ポストロック、シューゲイズ~チル・ウェイヴなども取り込み、多彩で甘美なサウンドへと昇華したドラマティックで美しいエレクトロニカ~IDM。

mergrim『Hyper Fleeting Vision』

レーベル主宰者(の一人)mergrimの現状リリースされているアルバムでは最新のリリースに当たる2013年作の2ndアルバム。緻密さと壮大さが入り混じるファンタジックで豊潤なサウンドが躍動する傑作。PROGRESSIVE FOrMとの共同リリース。

きらびやかな壮麗さやチルでメロウな心地良さのあるリスニング向けのエレクトロニカ作品から、エッジの効いた硬質なビート~アブストラクトで変則的なビートのビート・ミュージック作品、フロア向けのダンサブルなテクノ作品~ダンス・ミュージック作品などまで、審美眼にかなった良作をコンスタントにリリースし続けています。

今回近年のフィジカル・リリースの作品を中心に数タイトルご紹介させていたしましたが、他にもフィジカル/デジタルで多くのリリースがありますので、もし気になられましたらぜひチェックしてみてください!

moph recordsのウェブサイトをチェック