英米で人気のカセットテープの売上げがさらに増加。海外のアナログ人気に見るファン心理

ここ数年の定額制の音楽配信サービスの人気により、音楽のダウンロード販売とCDの売上げが減少しています。AppleはiTunes Store上での音楽のダウンロード販売を2019年初め頃に終了予定と言われており、世界最大の家電量販店Best Buyは2018年7月1日をもってCDの販売を終了すると発表しています。

このような状況においてアメリカでは、昨年の店頭でのアルバム総売上の14%をレコードが占め、過去最高を記録。アナログのリバイバルが続くなか、海外ではカセットテープの売上げも急激に伸びていると、Digital Music Newsが伝えています。

出典:Pexels

オフィシャル・UKチャート・カンパニーによると、昨年の英国におけるカセットアルバムの売上げは112%増。昨年は80ものカセットアルバムがリリースされ、その売上げは20,000本近くまで伸びています。これは2006年の売上げ数21,019本に迫る勢いです。

米国でも同様の動きが起こっており、ニールセン・ミュージックによれば、昨年のカセットアルバムの売上げは35%増加しています。その売上げの多くは、映画Guardians of the Galaxyのサウンドトラックによるものですが、2016年の総売上げ129,000本に対して、昨年は174,000本を記録しました。

出典:Amazon

カセットテープの売上げが増加した要因として、有名アーティストのカセットアルバムのリリースが増えたことが挙げられます。Lana Del ReyのLust for Life、Taylor SwiftのReputation、Jay-Zの4:44などが売上げを伸ばす要因となりました。

カセットテープやレコードなどのアナログメディアの売上げ状況は、音楽配信サービスが提供する実体のない音楽が主流になる一方で、物理的な音楽に対するファンの欲求の高まりを表していると感じます。多かれ少なかれ、いつの時代も物理的な音楽を所有したいというファン心理は不変です。海外と同様に、日本でもカセットテープの人気は定着するのか。その動向に注目です。

引用元:Digital Music News

トップ画像:Pexels