奇想天外で面白いCASIOの自動作曲アプリで、クラシックの名曲をMIDIサンプリングしてヒップホップを作る

DAWやアプリの登場により、楽器ができなくても音楽を作れる時代。それでも、アプリだけでは簡単な音楽しか作れないし、もう少し本格的な音楽を作りたくてもDAWの使い方はさっぱり分からないという人も多いのではないでしょうか?そこで、DAWとアプリを駆使してなるべく簡単に音楽を作る現代的な制作方法を紹介をしたいと思います。まず、紹介したいのが、ダンスミュージックの自動制作アプリ「Chordana Trackformer」です。

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出典:Casio

2小節のメロディーから生まれる予想外のトラック

Chordana Trackformer(以下、Chordana)は、録音した鼻歌などを解析して自動でメロディーが作られます。ここまでは、いくつかのアプリでもできることなのですが、ダンスミュージックに特化したChordanaは録音したメロディーから、Aメロ、Bメロ、サビまでをも自動で生成。わずか2小節の鼻歌からEDMやヒップホップができあがります。

それでは鼻歌からEDMを作ってみたいと思います。メロディーは、音楽の父バッハの「小フーガ ト短調」でいってみましょう。まずは鼻歌をChordanaに録音します。

Chordanaに録音されたメロディーは、こんな感じです。

メロディーを忠実に再現とまではいきませんが、元のメロディーはわかるレベルですね。このメロディーからEDMを作ってみます。Chordanaは、EDM1~3、EDM BASS、Hip hopの5タイプのトラックを作ることができます。ここでは、EDM  3を選択します。Chordanaで作られたトラックはこちらです。

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ポップス色の強めのEDMに仕上がりましたね。単にループの組み合わせではなく、イントロから、Aメロ、サビ、エンディングまでの作曲のメソッドに沿って一曲のフレームが作られるのは凄いですね。Chordanaには、トラックの曲調を設定するメニューが搭載されているので、それらを調整して好みのトラックに近づけることもできるかもしれません。稀に予想しなかったメロディーが生まれることもあり、これがツボにはまります(笑)。友達と面白メロディを作って遊ぶのも、盛り上がりそうです。

クラシックの名曲をダンスミュージックにしてみた

どんなメロディでもEDMやヒップホップにしてくれるChordanaなら、巷で流れている音楽からトラックを作れそうです。とは言うものの、著作権の侵害には気をつけなければいけません。そこで目をつけたのがクラシック。著作権の保護期間は、著作者の死後50年までとなっており、多くのクラシックは著作権の保護期間が切れています。

ここでは、ドビュッシーの「二つのアラベスク第1番」を録音してヒップホップを作ってみます。スピーカーから出力されるサウンドをChordanaに録音します。

Chordanaに録音されたメロディーは、こんな感じです。

ちょっと高度な演奏すぎたのか、元のメロディーとは違うメロディーに聴こえますが、アプリならではの愛嬌ということで。このメロディーから作成したヒップホップがこちらです。

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こちらもポップス色強めのヒップホップに仕上っていますね。それでは、このトラックをアーバンなヒップホップに変えてみたいと思います。

MIDIのエクスポートでメロディもベースも作り放題

音楽には、MIDIという演奏データを記録する便利な規格があります。Chordanaは、作成したトラックのオーディオとMIDIファイルをエクスポートすることができます。このMIDIファイルをDAWにインポートして、ソフトシンセのサウンドに差し替えると、チープだったトラックが劇的に変化して、かっこいいトラックに生まれ変わるはずです。

ということで、上記で制作したヒップホップのトラックのMIDIデータをエクスポートします。エクスポートしたMIDIファイルは、メールで送付することができるので、DAWがインストールされているPCへ送信します。

MIDIファイルをAbleton Liveにインポートしてみます。ChordanaでエクスポートしたMIDIファイルは、Liveの個別のトラックにインポートされるので、楽器ごとの編集ができてとても便利です。

DAWを使って本格的なヒップホップ・トラックにしてみる

まずはベースを作ります。インポートしたMIDIファイルから、BassのMIDIファイルがインポートされているトラックを選択。LiveのBass音源から「Wonk Bass」をセレクト。インポートしたBassのMIDIファイルは、28小節の長さでエクスポートされているので、4小節を選択します。

ベースのサウンドを差し替えたトラックがこちらです。ビートは、以前に作成したドラムループを貼り付けて使用しています。

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次は、メロディを作成してみます。ベースと同じようにメロディのMIDIファイルがインポートされているトラック3~5にシンセのサウンドをアサインします。動画では、トラック3~5へ個別のサウンドをロードしてMIDIの編集を行っています。

このようにして完成したトラックがこちらです。きれい目なヒップホップに仕上がりました。

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多彩なメロディが生まれるMIDIサンプリングはかなり使える

Chordanaで作られたトラックから劇的に変わりましたよね?MIDIなら、このようにサウンドと演奏情報を変えられるので、トラックの制作も楽になります。

Chordanaは、たくさんのメロディーが自動で作られるので、あとはお気に入りのフレーズを選択して編集するだけで、印象的なメロディーを生み出せます。楽器が弾けないとメロディーを作り出すのはなかなか難しいですが、このようなMIDIサンプリングによる制作手法は、かなり使えると思います。無償のChordana Trackformerで、鼻歌からEDM体験してみませんか?

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