モジューラーシンセに手が届きやすくなる?BEHRINGERが低価格帯モジュールの開発を示唆

BEHRINGERが新たに、ユーロラック・モジュール市場への参入を計画しているようです。BEHRINGERの市場参入については、同社CEOのUli Behringerが、楽器系掲示板Gearslutzのフォーラムで立てたスレッドにより明らかになりました。

Uli Behringerはそのスレッドにおいて、Rolandの名機「System-100M」をモチーフにしたモジュールのイメージ画像を投稿し、その価格を49ユーロから100ユーロに抑えたいとしています。

彼はまた、ユーロラック・モジュールに関する次のような質問を行っており、その内容からも、モジュラー市場参入への本気度が伺えます。

  • Eurorackシステムに興味はありますか?
  • どんなモジュールを作って欲しいですか?
  • 復刻を望むヴィンテージ・モジュラーはありますか?
  • どのようなアクセサリーが必要ですか?

BEHRINGERは、アナログ・シンセサイザー「DeepMind 12」のリリースを皮切りに、アナログ・シンセの開発に注力しており、Minimoog Dのクローン「Behringer Model E」の開発も発表されています。

今回発表されたユーロラック・モジュールについても、同様のクローン技術が用いられることが予想され、このクローン技術により、コストパフォーマンスに優れたモジュールの開発が可能になりそうです。

今後予想されるBEHRINGERのユーロラック・モジュール市場への参入については、賛否あるようです。既存のユーロラック・モジュールメーカーの多くは、ガレージメーカーといわれる小規模なメーカーで、BEHRINGERの参入により、それらのメーカーの存続を危惧する声も聞かれます。

しかし、ユーロラック・モジュールは、好みのモジュールを組み合わせたカスタムが醍醐味で、強いこだわりを持ったユーザーに支持されています。たとえBEHRINGERが、その市場に参入しても、既存ユーザーは、そう簡単にはなびかないのではないでしょうか。

逆に、BEHRINGERによる手頃なユーロラック・モジュールがリリースされることで、全てを揃えるにはそれなりの予算が必要となるユーロラック・モジュールの潜在顧客の取り込みが期待できます。安価なモジュラー・シンセのリリースにより、シーンがさらに盛り上がることに期待したいですね。

画像出典:Gearslutz