世界初の人工知能による楽曲制作サービス「Amper Music」。高まるメディアコンテンツ需要に伴い追加資金を調達

ハリウッドの映画音楽作曲家Drew Silversteinなどにより設立された、AIが自動で作曲してくれるサービス「Amper Music(以下、Amper)」。世界初のAI作曲家として話題を集めたAmperが、追加資金400万ドル(約4.2億円)を調達したと、海外メディアDigital Music Newsが伝えています。追加資金の調達で、さらなる成長が見込まれるAmperのポテンシャルとは?

Amper Musicとは?

Amperには、”Simple”と”Pro”の2つのモードが用意されています。Simpleでは、モダンフォークやヒップホップなどの5つのスタイルを選択して、ムードと時間を選択するだけで曲ができあがります。Proでは、スタイルやムードに加えて、楽器や拍子、キーなどを詳細に設定して作曲することができます。

完成した曲は、無償でダウンロード(MP3 / WAV)可能。著作権フリーなので、ユーザーはどのように利用してもOKです。

曲のクオリティーは?

海外ではすでに、Amperを利用して作曲するアーティストも存在します。海外の人気YouTuberで歌手としても活躍するTaryn Southernの”Break Free”は、Amperが作曲した曲を彼女自らが編曲した作品です。

実際にどのくらい彼女が編曲しているのか気になりますよね。Taryn SouthernのSoundCloudには、Amperが作曲した曲と、その音源を元に彼女が編曲した曲がアップされています。それぞれを聴き比べてみると、そのクオリティーがわかるかと思います。

Amperの利用シチュエーションは?

Taryn Southernは、海外メディアThe Vergeのインタビューのなかで、現在もAmperが作曲した曲をベースに作曲を行っていると語っています。彼女のように本格的な作曲において、楽曲のアイデアを得るというのも有効的な活用方法です。

メディアなどのコンテンツ制作にも最適です。コンテンツの制作には音楽がつきものですが、著作権法により守られている市販の曲を使用することはできませんし、音楽素材の販売サービスでは、好みの曲を見つけるのはなかなか大変。その点、スタイルやムードを選択するだけで曲が作れるAmperは、スピードが求められるメディア運営にとって、とても価値のあるサービスだといえます。

スタイルの選択画面

また、個人で動画コンテンツを簡単に作れてしまう時代。その手軽さは、動画の引き立て役として欠かせない音楽の制作にも最適です。AmperのCEOのDrew Silversteinは、Amperの価値について次のように語っています。

Amperが急成長した背景には、メディアの増加に伴い、音楽制作への需要が高まっていることが挙げられます。Amperの価値は、AIを通してコラボレーションしたり作曲できることだけではなく、世界規模でメディアの支援ができることにもあると考えています。

彼が語るように、AIによる自動作曲への需要はさらに高まることが予想され、そのような状況が、今回の追加資金調達へつながったといえます。Amperは、今回追加調達した資金を元手に、海外展開を進めるとともに、拡張性を求める顧客のニーズに応えるべく、米国内の従業員を2倍に増やす予定です。

編集画面

事業拡大により、さらなる手軽さと曲のクオリティー向上が期待されるAmper。今後の動向に注目が集まります。

Amper Musicのウェブサイトをチェック

参照:Digital Music News